みゆきな日々

チワワのチェリー女の子&私・年金暮らしのジッちゃんに絶賛親孝行活躍中

幽霊屋敷 【事故物件2】

2011年07月25日 | インポート

        底無しの良は待ち合わせの場所にカメラを持参

               『何か写ったら怖いよ』

『明るい時間帯だから大丈夫、霊感のない俺でも心霊写真が撮れるかな?』

         遊び半分、事故物件屋敷への好奇心半分

                " 売り " 頭金0

                  土地300坪

               畑付き6LDK中古住宅

               チラシの効果は絶対だ

            古い物件だが、そこそこ大きな家

       少しでも早く買い主を見つけ、忌々しい家を手放したい

       何事も無かったように賃貸ししている事故物件は多い

           何も知らない住人が普通に暮らしている

          波風立たないように "事故" に触らず売る 

          忌まわしい噂が立てば買い手が付かなくなる

  事故物件清掃中に同僚が心臓発作で亡くなり、警察の捜査が入った家

           事件性は無いが、2人の死者が出た家

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                 『良君、覚悟は良いか?』

                    冗談めいて言うと

         『大丈夫っす、ママに心霊写真を見せる約束ですから』

               街の中心地から車でおよそ15分

           民家が途切れ途切れの場所にその家はある

         田んぼや畑を多く持つ、この辺では名の知れた地主

        持っていた田んぼが幹線道路開発地域に引っかかった

              買収により多額の現金を得た家の主

          多額の現金収入を知った身内が金の無心に訪れる

          それが人嫌いにさせ閉じこもる原因を作ったと聞く

   2人の息子が家を処分して一緒に暮らそうと持ちかけても耳を傾けない

            多額の現金は息子をも遠ざけてしまった?

        父親の死によって2人の息子には多額の遺産を相続

               それに基づいた莫大な相続税

                    死後2ケ月間

                放置された腐敗臭漂う家

              幹線道路に隣接する土地建物

            更地にして売れば相当な値段が付く

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    しかし2人の息子は相続税を現状のままで物納する事に決めた

           多額の現金を得た父親が自殺するなんて

                自殺の原因は分からない

                   寂しかったのか?

                    遺書も無い

                 そんな事はどうでも良い

         見栄えする写真を撮りチラシに載せ買い手を探す

                   『この家ですか』

                うっそうと茂る雑草や、木々

                『現状物件売家だからね』

       『って事は買った人は壊して建て直すのも自由なんだね』

         『そう言う事、この家は家屋としての価値はゼロ』

             2人は家の中に入り間取りを確認

                 『良君、何か写った?』

           『写って欲しい様な写って欲しくないような』

           『ハハハハッ、写ってても内緒にしてくれよ』

                『この染みは何ですか?』

             『ここの主が亡くなってた場所だよ』

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               『どうやって自殺したんですか?』

          『この上の梁にロープを吊るして首を吊ったんだ』

         『首を吊ってたのなら何で下にこんな大きな染みが?』

          『腐敗が進んで胴体と頭部が離れて落ちたんだよ』

           『もう、もう良いです写真も撮ったし外に出たいな』

                    良は想像力が逞しい

                    その瞬間を想像した

                 『外の空気を吸いたくなった』

                昼でも陽のあたりが少ない物件

                  太陽が恋しくなった頃に

                  " ガサッッッードドン "

                 『今の音は・・・・・・・・・?』

                 『何かが落ちたような音だ』

                    『早く外に出よう』

                村上の言葉が掠れて震えてる

              『さすがの村上さんでも怖いんですね』

                  『良君は怖くないのか?』

                『屋根裏とかにいるネズミかも?』

                    ドドドドドドーーーーッ

                     『うわーーーーっ』

              『犬程の大きなネズミが走ってるのか?』

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                  2人は夢中で玄関に向かった

         入った時は気づかなかったが玄関近くに花が備えてある

                      『ここに花?』

           『玄関先で同僚が倒れて亡くなってたって聞いてた』

                『外に出たかったんですかね?』

                『そうかもしれない、早く出よう』

                      その時だった

                   " 一緒に連れてって "

               2人同時に聞いた囁くような呻き声

                 振り返った2人が見たものは

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                        誰?

                    2人同時に見た

                 『嘘じゃないって、本当だよ』

          『怖い怖いって思うから幻覚を見たんだってば』

           良君は、まもなく故郷に戻り消防士になった

         不動産に勤めてた村上さんは家族を置いて失踪

            良君の撮った沢山の写真の中の一枚

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               ここの主ではない誰かが写ってる

                     不可解な写真

                   すっかり忘れてた写真

              お寺に持って行き供養してもらいました

            住職さんが言うには悪い霊ではないとの事

       この家で起こった出来事を悲しんでいる・・・・先祖の霊だとか

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         あの家は結局買い手が付かず、そのままになっている

                 今年も同じ夏がやってきた