第一話
この物語は、昔々の丹波の国から始まります。
とある御城下から少し離れた平地を流れる、大川沿いの桜が満開の季節をむかえました、温かい日差しに誘われ、たくさんの人が訪れています、その人出をあてこんで、物売りも例年どうりの、決められた場所で、店を開いています。
丹波産の豆屋も・・・
武具骨董屋の女あるじ、火縄銃、刀などが…大太刀、「鬼切りの太刀」が無造作に・・・
その古物商の前で、みすぼらしい僧乞とみられる者が立ち止まりました。
年老いた女あるじが、久しぶりに人と話したかのように、「お気に入りの物でも御座いましたか」・・・僧は何ごとも言わず、無造作に立てかけてある大太刀を見つめ、口の中でぶつぶつと、お経にも聞こえる言葉をしばらく続け、その場を立ち去ろうとします、
「お、お待ちを…」女あるじは慌てて呼び止め、この太刀を売りにかかります「今日はひまで、もう店じまいしますので、お安くしますのでどうか・・・」
それからやっと二人の会話が始まります。
僧は全国行脚を続けている俳人であること、太刀のことは、とある寺で住職から聞かされた、いわれのあるものに似ていること、等々・・・
あるじは「刀は貧乏侍が売りに来たもの」
「いくら業物であっても、こんな大物を扱える者など、この時代にはおらず何十年もほこりをかぶったままで・・・」
「もとの持ち主に戻るならば」と、タダ同然で譲りました。
僧はこれぞ「鬼切りの太刀」だと確信していました、しかし「重い”」
旅を続けるには、どこかに
・・・そして向かった先は北にそびえる山のまだ奥「大江山」
鬼切りの太刀が最後に使われた場所です。
第二話に つづく
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