【極楽トンボなドジ美ちゃん!】
●きれいな花壇って誰が世話してるん
だろう?
だろう?
今のマンションに引っ越して10年に
なります。
一番気に入ったのが真横にある円形
花壇です。
引っ越したのが冬だったので、その花
壇に色とりどりの花が咲くと知ったの
は2~3か月後のことでしたが。
なります。
一番気に入ったのが真横にある円形
花壇です。
引っ越したのが冬だったので、その花
壇に色とりどりの花が咲くと知ったの
は2~3か月後のことでしたが。
季節のなかで一番好きなのが春。
玄関を出て見上げると桜の花が雲の
ようにひろがっています。
足元にはチューリップやパンジー、
サクラソウどがきれいに植えられ、
色とりどりの絨毯のよう。花壇の美し
さに見とれ、私は春から初夏にかけ
て、毎朝夢見ごこちで出勤していま
した。
玄関を出て見上げると桜の花が雲の
ようにひろがっています。
足元にはチューリップやパンジー、
サクラソウどがきれいに植えられ、
色とりどりの絨毯のよう。花壇の美し
さに見とれ、私は春から初夏にかけ
て、毎朝夢見ごこちで出勤していま
した。
ある日ふと「こんなにきれいな花壇、
誰が手入れしてるんだろう?」と、
気になりだしました。
気をつけて見ていると、5~6人の作
業服を着た人たちが水をやったり花
を植えかえたり・・・
誰が手入れしてるんだろう?」と、
気になりだしました。
気をつけて見ていると、5~6人の作
業服を着た人たちが水をやったり花
を植えかえたり・・・
夕方には草取りをしたり、
落ち葉を集めたりしています。
「あ、やっぱり手入れする人がいる
んだ。でもあの人たちはどこの人?
市役所のシルバー人材センターか
らくる人たちかな。ま、私には関係な
いか。 でもこんな感動的な景色をシ
ーズンごとに見せてもらって、感謝
感激だな・・・ 市民税のなかに含ま
れているから、ま、いいか」
「あ、やっぱり手入れする人がいる
んだ。でもあの人たちはどこの人?
市役所のシルバー人材センターか
らくる人たちかな。ま、私には関係な
いか。 でもこんな感動的な景色をシ
ーズンごとに見せてもらって、感謝
感激だな・・・ 市民税のなかに含ま
れているから、ま、いいか」
極楽トンボの私が、この花壇は地
域の人たちの手で守られていると知
ったのは、
今年になって自活合役員の当番が
まわってきたときでした。
域の人たちの手で守られていると知
ったのは、
今年になって自活合役員の当番が
まわってきたときでした。
●自治会役員の資料のなかに花壇の
当番表が
今年我が家は自治会の役員をする
ことになりました。有体にいえば当番
が回ってきたのです。
「え、花壇の手入れ当番表!?
これって何の当番ですか?」
「あら、エントランスの横にあるで
ことになりました。有体にいえば当番
が回ってきたのです。
「え、花壇の手入れ当番表!?
これって何の当番ですか?」
「あら、エントランスの横にあるで
しょ。 あの花壇のことよ」
「え、当番って、何するの?」
「水をやったり花を植えかえたり
「え、当番って、何するの?」
「水をやったり花を植えかえたり
するのよ」
「私たちが?あれって市役所とか
シルバー人材センターの人たちが
やってくださってるんじゃないん
「私たちが?あれって市役所とか
シルバー人材センターの人たちが
やってくださってるんじゃないん
ですか?」
「何言ってるの藤原さん、私たちが
するのよ。地域の人たちと共同で、
当番決めて順番にね」
「何言ってるの藤原さん、私たちが
するのよ。地域の人たちと共同で、
当番決めて順番にね」
ドヒャー、知らなかった!自治会
役員の人たちが順番に世話をして
たなんて。
住んで十年になるのに・・・私って
なんて極楽トンボなんだろう。
それ超えて、「私ってほんとうにボ
ンヤリよね。
小さい頃からドジ美ちゃんって
よくからかわれてたけど、
〇十年たっても変わってないのね」
役員の人たちが順番に世話をして
たなんて。
住んで十年になるのに・・・私って
なんて極楽トンボなんだろう。
それ超えて、「私ってほんとうにボ
ンヤリよね。
小さい頃からドジ美ちゃんって
よくからかわれてたけど、
〇十年たっても変わってないのね」
● "がんじき" を持って落ち葉あつめ
とうとう当番の日がやってきました。
ジーパンをはいて、長袖の作業着を着て、
軍手をはめました。そして手にしたのが
ジーパンをはいて、長袖の作業着を着て、
軍手をはめました。そして手にしたのが
"がんじき" でした。
熊の手みたいに大きな竹の手のついた
道具をわたされて「は一い、一班さんは
これで落ち葉をかき集めてください」
と班長さんの声が響きます。
芝生の上に散らばっている落ち葉をガリ
ガリとかき集めて、ゴミ袋に入れて。
「そういえば小さい頃こんなことやって
たな一。庭の落ち葉を集めてお風呂を
沸かすところまで持って行って。
長い間すっかり忘れてたな一」。
毎日仕事に追われる日々になって、
土のにおいのする作業なんてすっかり
思い出のかなたに行ってしまっていました。
熊の手みたいに大きな竹の手のついた
道具をわたされて「は一い、一班さんは
これで落ち葉をかき集めてください」
と班長さんの声が響きます。
芝生の上に散らばっている落ち葉をガリ
ガリとかき集めて、ゴミ袋に入れて。
「そういえば小さい頃こんなことやって
たな一。庭の落ち葉を集めてお風呂を
沸かすところまで持って行って。
長い間すっかり忘れてたな一」。
毎日仕事に追われる日々になって、
土のにおいのする作業なんてすっかり
思い出のかなたに行ってしまっていました。
●蝉の亡骸があちこちにちらばっていた
かき集めた落ち葉のなかに蝉の亡骸
がころがっていました。
取り上げてみるとぱっくりと口を開けています。
のぞいて見ると人間の声帯によく似ています。
まっくろになってしまった蝉、半分に
がころがっていました。
取り上げてみるとぱっくりと口を開けています。
のぞいて見ると人間の声帯によく似ています。
まっくろになってしまった蝉、半分に
ちぎれた蝉。がんじきの指に五匹ほど
かき集められてきました。
みんな集めて木の根っこに持って行って
やりました。
「蝉ちゃんたち、ごくろうさんでした。
仲よくお話しながら成仏するんだよ」
と、声をかけて見送ってやりました。
みんな集めて木の根っこに持って行って
やりました。
「蝉ちゃんたち、ごくろうさんでした。
仲よくお話しながら成仏するんだよ」
と、声をかけて見送ってやりました。
暑い夏の自治会当番の仕事も、
こうして一つ一つなんとか無事に終わ
こうして一つ一つなんとか無事に終わ
ってゆきます。