いつもブログを読んでくださり、誠にありがとうございます。
経営戦略というと、なんだか男臭い響きがあるのは気のせい
でしょうか。
ビジネスマンの間でも「孫子」はよく読まれるそうです。
ああいう昔の戦いから戦略といえば、男のやることと
いったイメージがあるような気もしますが、
最近では、女性の経営者も増えています。
先月、お会いしたある女性経営者も
「起業して1年経ったのに全然、成果につながらない。
しかし、そこで諦めてはいけないと思いました。
あきらめずに頑張って金銭的にボロボロでしたが、
より高度な営業スキルやマーケティングを学ぶため
自己投資をし続けました。さらに成功している
営業マンや経営者にも頭を下げ続けました。
そうしていると、気が付くと紹介により
アポイントが5件埋まり、契約も毎月コンスタント
に出るようになりました。」
と、おっしゃっていました。
その方のセミナーに出ると、いつも元気をもらいます。
職場でも女性は6割を占めますが、
女性のほうが男性より、アクティブに働くのが
現代だとすれば、女性こそ、経営戦略について
一緒に学んでほしいと思います。
中期経営計画のセミナーなどでは、戦略的な要素として
一番はじめに売上の分類を行います。
・何をいくらで販売するのかを商品別・製品別に分類
・どの部署・課が販売するのかの分類
・どこへ販売(得意先。地域別、客層)の分類
こうした分類をもとに
事業で強化したい点をまとめてゆきます。
以前、建設業で同じことを行った際、
土建部門としてダンプを使う部署の売上を
強化する計画を立てたところ、
1年たって、稼働し出し、それまで
ダンプは他社のものを使っていたため、
多額だった外注費が大幅に削減されることとなりました。
先ほどの女性経営者のお話もそうですが、
戦略を立てても成果が出るまでには、1年以上の
時間がかかることもあるので、経営戦略が実を結ぶまでは、
忍耐が必要となります。
つぎに自社の商品構成について考えます。
その際、参考となるのが、商品ライフサイクルです。
人の一生にも成長期と衰退期があるように、
商品にも、挑戦、成長、安定、成熟、成熟、衰退の
ライフサイクルがあります。
税理士事務所の仕事で言えば、
決算書を作ったり、税務署への申告書を書いたりするのは、
成熟商品ですから、大幅な伸びは期待できません。
しかし、こうして経営計画をもとに経営戦略を
ともに考える仕事は、まだまだ8割の会社で導入
が進んでいないので、挑戦商品となります。
こうしたライフサイクルに照らし、
強化したいサービスや商品の構成について考えます。
そして自社の強みや弱味についてまとめます。
会計事務所の場合
強みとしては
・駅から徒歩1分など、立地がいい
・職員の人柄がいい
・税務調査に強い
弱みとしては
・職員が年を取りすぎている
・所長しか頼る相手がいない
・あまり訪問してくれない
といったところです。
ある程度、成熟した会社だと、
あいさつや技術力など基礎力は強いが、
成熟しているがために発展力に欠けるという傾向があります。
逆に新しい会社だと、
基礎力は弱いが、発展力に強味があるという傾向があります。
自社の強みや弱みを明らかにする際、
こうした一般的な傾向を調査するとよいと思います。
そして、強みをのばすにはどうするか、
弱みを克服するにはどうするか考えることで、
経営計画の原案ができてきたら、事業領域を明確にし、
事業規模を数字で表現します。
事業領域とは、ポジショニングです。
ライバルが少なくて、お客さんがいるところが理想的です。
税理士事務所にも風俗店専門の税理士事務所があります。
風俗店を担当しない税理士事務所もあるので、
ライバルは少な目と言えます。
その一方、東京、横浜、大阪、博多、といった繁華街には、
そうしたお店はたくさんあるので、お客さんはいることになります。
理想のポジショニングは簡単に見つからないので、
ポジショニングだけを専門に教える塾もあるようです。
そして、自分のポジショニングが明らかになったところで、
事業規模を決めます。
・年商はいくらか
・経常利益はいくらか
・社員は何名か
ここまで決めたら、その勢いで、
経費計画や投資計画までつくり、当期の経営目標を定めます。
経営目標を達成するための行動計画を
売上分類や商品ライフサイクルに照らし、設定します。
こうしたことが難しければ、冒頭の女性経営者のように、
・とにかくあきらめない
・自己投資をおしまない
・成功している人間に会い続ける
といったことでも大丈夫です。
最近、30代前半の若手の経営者のかたとお話する機会が多いです。
みんなはじめから立派な経営戦略をもっているわけではありません。
こうして他の経営者の話を聞いたり、中期経営計画のセミナーに
参加するなどして、自分なりの経営戦略が作れてゆきます。
Googleで「経営計画」と検索すると、
「経営計画つくるくん」というアプリも出てきます。
経営戦略の体験版として、素晴らしいものだと思います。