経営戦略税理士のブログ

川口市在住の若手税理士が独立をめざしてけなげに頑張るブログです。

経営戦略とは「30歳からの経営戦略」

2017-06-07 06:59:28 | 日記

いつもブログを読んでくださり、誠にありがとうございます。


今日は、豊富な事例をもとに、経営のプロでなくても、


使える経営戦略について述べてみます。


経営戦略に関わるようになったのは、30歳をすぎてからでした。


税理士は、経営のプロではありませんので、とくに


起業したばかりのかたには、今回の記事は


参考になるかと思います。


「実は、大学時代は、経営学とは無縁でした。」


中央大学の文学部の哲学科というところにいました。


アリストテレスの原書を古代ギリシア語で読むなど、


哲学青年でした。今でこそ、税理士になりましたが、


学生時代は、経営学はおろか、簿記すらもふれたことは


ありませんでした。ところが、大学卒業直後についた


仕事で不幸なことに3か月でクビになってしまいます。


一時的ですが、ニート生活を送っていた時期もあります。


そんなとき、たまた父親が税理士だった関係で、


再起をかけて足掛け8年にわたり、税理士試験に合格しました。


しかし、そこで2度目の挫折がおきます。


8年間、群馬や新潟といった地方で、どんなに決算書を


正確につくったところで、お客様は、売上を減らし、


店をたたみ、後継者がいなくなる始末でした。


決算書をきっちりつくるだけでは、人の役に立てないと


思っていた矢先に、税理士試験に合格し、心機一転、


2年前から蕨市の今の事務所でお世話になっています。


ここで1年間、まずは、研修を通じて、経営計画の作り方


を学びました。2年目に、お客様の経営計画を毎月、確認


する作業(MAS監査)を開始し、1年で600万円の経費削減


に貢献できました。ある製造業では、経営計画のタイムリー


な確認により、ものづくり補助金1000万円の獲得のサポートが


できました。こうして経営戦略との接点ができたのは、


30歳をすぎてからです。しかも、学生時代は経営学とは無縁。


こんな私でも1年でそれなりの結果を残すことができたのは、


これから述べるようなやりかたを実践してきたからです。


素人くさいかもしれませんが、ご一読いただけると、


参考になるかと思います。


「経営戦略とは」


平たくいうと、ライバルに勝ち、顧客を獲得する作戦です。


7割の会社は、営業力・販売力を強化したいと考えています。


日本政策金融公庫の「2012年の中小企業の景況見通し」


(2011年12月)によると、三大都市圏の取引先のうち、


経営基盤の強化に向けて注力する分野として、


営業力・販売力の強化 74.4%


人材の確保・育成 36.2%


販売価格引き上げ、コストダウン 34.9%


といった具合になっています。


もっとも、ライバルに比べて、何を強化すべきか


は、それぞれです。そこで、自社の優位性を探し出す


切り口を3つかあげてみます。


①顧客に貢献できたこと


例)WEBの専門家の場合


WEBの活用を教え、90日で10名集客させることに貢献。


②顧客に感謝されたこと


例)税理士の場合


通常10ケ月の相続税申告を申告期限1月前でもスピード対応し、


感謝、感激される。


③顧客にメリットを与えられること


例)製造業の場合


設備投資や工程圧縮により、ライバルより10%以上、


低コストで見積もりを出すことができた。


ここでのポイントは、90日、10%など、数字を用いる


ことで、説得力がまします。


つぎにターゲットとな顧客を明確にするための切り口を


3つあげてみます。


①得意先ごとの売上分類


もっとも、売上が高いところはどこか


もっとも、伸びしろのあるところはどこか


もっとも、当社を信頼してくれるところはどこか


例)税理士事務所の場合


売上が前年比3倍になった関与先には、


顧問料の値上げをお願いするなど


②地域、属性、現状の問題


ターゲットを小人にみたてて、具体的な設定をします。


小人の悩みや不安をリサーチし、ライバルに対し、


競争優位に立てるポジショニングを考えます。


例)地域:高崎市 属性:コーチ 現状の問題:顧客獲得


③業種特化、業務特化


業種に特化することで、顧客との距離を縮め、


業務に特化することで、専門性を高めます。


例)税理士業界


業種特化)IT専門、飲食業専門、建設業専門、美容業専門 など


業務特化)事業計画、相続専門、税務調査、クラウド会計 など


「経営計画とは」


経営戦略の概要ができたら、何をいつまでにやるかを明確にする


必要があります。その指示書の役割を果たすのが、経営計画です。


経営計画は、中期経営計画で会社の方向性を明らかにし、


単年度経営計画で、進捗状況を管理します。


中期経営計画では、事業戦略をもとに、経営理念、経営方針、


中期経営目標、を明らかにし、数値計画、行動計画を立てます。


会社の方向性を示すものであり、利益を予想するものというより、


社内の価値観を統一することに意義があります。


ただ、意外と言葉につまるのが、経営理念です。


経営理念とは、事業目的をスローガン化したものですが、


理念が即、お金にならないこともあり、置き去りにされがちです。


例としては、


阪神淡路大震災の直後、コンクリートが壊れる様を目の当たりにした


会社ですと、「本物のコンクリートをつくる」といったものもあります。


事業の存続目的を確認するためにも、


中期経営計画の立案の際は、経営理念の見直しも行いたいところです。


その際は、下記のようなシンプルなシートを活用するといいです。


売上高


1年後:


3年後:


5年後:


行動目標


1年後





3年後





5年後





単年度経営計画は、中期経営計画をもとに、全社計画、


部門計画、個人目標を毎月のアクションプランにもとづき、


チェックするため作ります。決算の1月前から個人目標、


営業や工場の部門計画をボトムアップで収集し、


全社計画をトップダウンで決めることで、戦略を


より、具体化することができます。


個人目標の例を示します。


例)ある営業部門


社員K)契約を1年で7件とりたい 後輩を同行したい


社員M)HPの改良を3月からしたい 6月~8月は研修に出る


社員P)交流会を通じ、人脈を拡大したい


「経営会議とは」


戦略をつくり、計画までできたら、その進捗管理が必要となります。


経営会議とは、経営計画の進捗管理の場ですが、時に社内の


重要問題について議論を交わすことで、職場でたまった


ストレスやイライラを緩和し、人間関係を改善する場ともなります。


「MAS監査とは」


Management Advisory Service


の頭文字をとったものが、MASです。


経営計画と実績のずれをチェック、改善する点は


経営会議と一緒ですが、小さな会社だと定期的に


経営会議を開くことは、ほとんどないため、


会計事務所と経営者だけでMAS監査は行えます。


MAS監査を受けた経営者の声としては、


・経営計画のチェックの過程で、普段の忙しさのなかでも


立ち止まるきっかけができた。


・毎月、具体的な数字の見直しにより、無駄な経費の削減が


できた。


といった声をいただきます。


「最後に」


経営戦略といっても、最後は行動です。


大学で経営学を学ばなくても、行動してみたら、


MAS監査により、1年でお客様の経営戦略の


サポートができるようになりました。


先日もある女性起業からのお話で、


起業して1年たって精神的、金銭的に


ボロボロだったけど、


惜しみなく自己投資し、アクションしていたら、


結果がついてきたという内容でした。


税理士として、決算書を作るだけではなく、


行動する経営者をサポートしたいと考えています。


ご相談