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And This Is Not Elf Land

RENT, The Movie Musical

結局、劇場では観ることができなかったRENT/レント。
なぜ、この映画が「絶賛の嵐!」なのか、理解できない!…などと散々悪口を言っておきながら、早速レンタル~!

RENT/レント の記事①
RENT/レント の記事②

これまで観たのはUSA版。我が家ではPC画面しか観ることができない。印象としては、ビミョーそのものでした。Broadwayで観たら違うと思う。

とにかく、私の住んでる地域での劇場公開はなく、周囲の知人の中にも「県境を越えて」(つまり、高速料金まで払って)見に行きたい!なんて言い出す人もいたりして…「ちょっと、ちょっと~!!やめときな!」と激しい口調で反対したのも私でありまして。

ま、もともとミュージカルが好きな人ならともかく、そうではない人でも、こんな田舎では、いわゆる拡大公開系じゃないもの、ミニ・シアター系のもの、それでもって、大都市で話題になっているものに「やたらと憧れる」映画ファンが存在するわけなのですね。

はっきり言って、特にミュージカルに思い入れがあるわけじゃないのに、単にミニ・シアター系で話題になり、高く評価する人もいるというだけで、遠路はるばるレントを観に行くなんて…
馬 鹿 げ て い る!…と思ったのであります。

しかし、大画面で観て、、ホントに面白かったらどうしよう…なんて「不安」が常に付きまとっていまして…(だって、世間の人には、かなり激しく「見る必要はない!」なんて言いましたからね~)で、レンタル解禁日にそそくさと借りてきて、PCよりはマシなTV画面で、再び「RENT/レント」に挑んだのでした。

相変わらず、前置き長くてすいません。


音楽は素晴らしいです、ハイ。
まぁ、日本人が普段耳にしているポピュラー音楽と比べれば、歌のパワーは桁違いに凄い。(日本人が日常的に聴いている「歌」がショボ過ぎるんですよ。塩味のお煎餅しか食べたことのない日本人がピザなるものを初めて口にした時に、その豊穣な風味があまりに新鮮で、ブッ飛んてしまうような感覚じゃないでしょうか…)
だから、今さら音楽は褒めません。

というか、ロザリオ・ドーソンは、やっぱ「素人」の歌唱に聴こえました。ま、日本の普通の女優さんが歌っているのと比べると「すごい!」ってことになるかもしれませんが…。少なくとも、舞台で歌えるような代物ではないと感じました。


さて、内容なんですが…
やはり、私はこういう世界が理解できないんだと思います。

芸術とは、世俗から乖離した神の高みをめざす行為であり、そういう「使命」を(神から)与えられていると考えるアーティストたちは、世間一般の道徳律や社会通念の制限を受けないで生きることが許されている、ということなのか。

でも、このように、貧しさや、時には社会の不寛容などもものともせず、命をすり減らして「天上の美」を追求する人たちがいるからこそ、私たちは美術、音楽、文学作品などにふれ、その作品世界に酔いしれることができるのでしょうが…。

分かってはいるんだけど、勝手な言い分かもしれないけれど、やっぱこういうのは「ありのままの姿は見たくない」。これだけ生々しい映像で「家賃払うもんか!」なんて言われると引いてしまうんですよね~。まぁ、私が凡俗なのでしょう。


ただ、いくつかのレビューを見ていると
「アメリカの貧しい現実に衝撃」とか
「現実の厳しさから目を逸らすな!と教えてくれる映画」なんてのがありますが…

あのねぇ~

アメリカの貧しい現実、現実の厳しさを見せている映画なら他にたくさんあるでしょ。
全く選択の余地もなく、貧しい暮らしから抜けきれない人たちがたくさんいる。少なくとも、レントに描かれているのは、そういう層の人たちばかりではないと思うんですけど。

TV画面で観ると、迫力もあったし、もともと音楽モノが好きな私はそれなりに楽しめはしたけれど…

やっぱ、その後はブルース・スプリングスティーンやスタインベックの「ニ十日ねずみと人間」で「お口直し」しないと、一日中気分がヘンになりそうですわ。

しかし、「好きになれない」なんて言いながら、何故かレントに固執している私(笑)。
今度NYに行ったら、一番に見に行きそうですよ。(まぁ、舞台はいいでしょうが)

レントの世界に触れるたびに、どこか複雑~な思いになって混乱する自分自身をどこかで楽しんでいて(?)、そんな体験の積み重ねが次第に「快感」に変わっていってるのかも…

屈折してるな~
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