応援します。
ちょうど1か月前に東京公演が始まりました。ブログを通じて知り合いになった方、NYでお会いした方、フランキー・ヴァリ&ザ・フォー・シーズンズのライブやイベントでお会いした方々と再開できて、本当に夢のような10日間でした。キャストも、想像していたとおり、素晴らしかった。
夢が終わった後は…「今度はいつ来てくれるんだろう?!」と思っていらした方も少なくなかったと思いますが、そんな中に飛び込んできたのがこの「日本人キャストによる上演」のニュースでした。
おっと~そっちですか…
最初に聞いたときは、正直複雑な気持ちでありました。まぁ、海外ミュージカルのファンというのはお気に入りの演目を「日本人キャストでやる」と言われれば、必ず難癖つけたがるものですよ(笑)
私は地方に住んでいるので、ミュージカルなどの舞台を観るとなれば、やはり東京などの大都市に出かける必要があります。(ときどき公演に来てくれることもありますけどね)私の場合は、縁あって、東京を飛び越えてNYで舞台を観ることが多くなったわけですが、「ジャージー・ボーイズ」来日公演にまつわる諸々ウォッチングの中で、自分自身が国内ミュージカルあるいは来日ミュージカル事情については全く分かってなかったことを自覚せざるを得ませんでした。
だいたい、来日ミュージカルというのも、(もう古い話になりますが)「ムーヴィン・アウト」(2006)と「ヘアスプレー」(2007)しか見てません。特に「ヘアスプレー」の日本公演は、歌は短くなってるわ、アンバーはいい子になってるわ(?)…そんなこんなで、落胆の方が大きくて「来日公演ってこんなもんなのか」と交通費を払ってまで観に行かなくなってしまっていたんでした。
話は「ジャージー・ボーイズ」来日公演に戻りますが…
現在はシアター・オーブでは「シスター・アクト」(天使にラブソングを)が上演されてますが、私はトニー賞作品賞も受賞せず、批評家の評価もまぁまぁ、ブロードウェイでの興行が1年半で終了した「シスター・アクト」の方が、トニー賞やオリビエ賞に輝き、10年たってもブロードウェイで上演が続いている「ジャージー・ボーイズ」よりもチケットの売れ行きがいいなんて、想像もしていませんでした(笑)
でも、そんなもんかも知れません。「ジャージー・ボーイズ」は昨年公開されたイーストウッド監督による映画版が評判を呼びましたが、それまでは殆どの人にとっては「名前も聞いたことがない」ミュージカルでした。で、その映画でさえも170館程度の公開で、上映されなかった地方もありました。一方、「シスター・アクト」(天使にラブソングを)なら田舎のおばちゃんたちでも知っていますよ。
そう言えば、うちの地元の町内会の団体旅行が新幹線を利用しての東京旅行で、旅程の中に、来日ミュージカル「シスター・アクト」観劇がちゃんと入ってましてね(笑)こういうケース、「ジャージー・ボーイズ」ではあり得ないでしょう。
ニューヨーク、シカゴでは「ジャージー・ボーイズ」のマチネのショーになると、劇場前に何台もの貸し切りバスが横付けになり、中から中高年の団体さんがぞろぞろ降りて来られます…まさにこれが人気を支えているんですよね。映画版が日本でのほうが好評だったとはいえ、ミュージカルの集客力はやはり比べ物になりません。
さらに意外だったことは…海外ミュージカルに興味があり、来日ミュージカルをよくご覧になる方の中にも「ジャージー・ボーイズ」はスルーされる方もいらっしゃるという点でした。今年度は、日本初のプレ・ブロードウェイ興行となる「プリンス・オブ・ブロードウェイ」の上演もあり、国内外の有名スターも多数出演します。また、イディナ・メンゼルなどの有名スターの公演もありました。そういうショーに慣れていらっしゃる人から見れば、有名俳優のいない「ジャージー・ボーイズ」には食指が動かないものなのですね。
まぁ、ここでも、「ジャージー・ボーイズ」は元々スター・システムを取っていないのだから…と必死で訴えて(笑)きましたが…。
しかし一方では、「ジャージー・ボーイズ」の場合は、洋楽ファン、映画ファン、という普段ミュージカルをご覧にならない方をも大勢呼び込んだのではないかと想像します。このミュージカルの「真のスター」はフランキー・ヴァリ&ザ・フォー・シーズンズの音楽なのでね。それでも、スター俳優の有無が興行に大きく影響するものなのだということもよくわかりました。
もっとも「ジャージー・ボーイズ」では、ディズニー作品でお馴染みのドリュー・シーリーがボブ役として出演していて、彼目当てに来ていた人もおられましたね。おそらく、近隣の国から来ておられるのではないか?と思われるファンの方もいらっしゃいました。ドリューの名前で売れたチケットも相当数あったでしょう。
そんなことをいろいろ考えれば、今回の「ジャージー・ボーイズ」招聘というのは、おそらく関係者には大きなチャレンジだったのではないかと思われます。今回の来日公演というのが(私はもう大満足でしたが)関係者の皆さんにとっても成功だったといえるものになっていることを願わずにはいられません。
そこでですが…早速、来日公演2度目をリクエストしたいのは山々なのですが、それでも、ここ日本において「ジャージー・ボーイズ」という作品をさらに根付かせようとする動きには、私は応援を送りたいと思っています。日本人キャストによる公演の関係者もいろいろご苦労されて上演権を獲得されたのでしょうし、上演までには様々な試練を乗り越える覚悟もできていらっしゃるはずです。
また、オリジナルのクリエイターたちも絶対に喜んでいますよ。先日大切なパートナーを失ったばかりのリック・エリス(脚本)も、日本人キャストによる公演の成功で悲しみを乗り越えてくれたらいいと思う…
日本人キャストによる公演の記事は引き続き書いていきたいと思います。
国内ミュージカル事情には疎く、既にフランキー役に決定している役者さんのことも全く知らないのですが、まず第1回目の記事として「日本人キャストによるジャージー・ボーイズを応援します」というメッセージを記しておきます。
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