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And This Is Not Elf Land

Billy Joel Ⅵ



他のことが書けない~(泣笑)
またまたビリー・ジョエル・ネタですいません。(これで終わりにします)

これまでの記事

ミュージカル Movin' Out (NYで鑑賞)
ミュージカル Movin' Out (来日公演)
12月6日 大阪Ⅰ
同じく Ⅱ
Billy Joel Ⅲ
Billy Joel Ⅳ
12月12日 名古屋


実際、Billy Joelをリアルタイムで聴いていて大ファンだったというのは、私よりも5-10歳ぐらい若い世代に多いのじゃないでしょうか。

80年代前後と言うのは、70年代初めほどではなかったにしても、まだまた洋楽の情報は乏しく、自分から求めようとしなければ情報は得られなかったような気がします。だから、「仕事や生活に忙殺されていても、暇なとき気分転換として洋楽が楽しめる」ほどの環境は整っていなかった。私の年代では、この時期はやはり「忙しかった」人が多く、Beatlesから70年代初頭の洋楽には親しんでいたのだけど、Billy Joel体験は「抜け落ちている」って人は、私の周囲にも結構います。

80年代中盤になって、レンタル・レコード(CDじゃないよ)があたり前になったこと(話題のものを「ちょっと聴いてみる」ことが可能になった)、TVの音楽番組で動く映像としての洋楽アーティストの曲が紹介されるようになったこと、またそのころ台頭した日本のニュー・ミュージック(死語?)のアーティストたちがBillyの影響を受けていて、そのあたりをきっかけに聴くようになった人は一定数いるような気がしますね。(私もこれですが)

なので、私自身、Billy Joelの日本における受容については、少しずれた認識をしているかもしれません。

私はもともと「ポピュラー音楽らしいポピュラー音楽」が好きで、ちょっと捻りのあるジャズなどを楽しめるようにはできていないので、やはり、Billy Joelのような「王道」の音楽は最高峰なのです。

今回のライブで感じたのは、Billy自身のロックンローラーとしての姿でした。怒れる若者たちの代弁者としての姿。だから、かつてのように、彼の音楽をadult oriented なんて形容詞をつけて語る必要はないような気がしますね。強いて言えば、音楽性が高く、繊細で気品がある音なので、それまでの人生の中で多くの音楽を聴いている大人の鑑賞にも堪えられる…ってことじゃないかと思うのですが。

そういえば、アバの曲で構成されたMamma Mia!などのカタログ・ミュージカルが一般的になってきたときに、同じくヒット曲の多いBilly の曲で構成された舞台を作ろうとする人たちがいたのは自然なことですが、その舞台を60年代Long Islandに据えて、working classの若者たちとベトナム戦争の影を描こうとしたのは、やはりBilly Joelという人の世界観を的確に捉えていたからだろうと言わざるを得ません。

ちなみにMamma Mia! はヨーロッパの島を舞台にしたシングルマザーとその娘の愛と人生をコミカルに描いたもの。ヨーロピアンなテイストにフェミニズム的なニュアンスも持たせた、アバらしい世界だと思います。We Will Rock Youなどはそのまま…という感じですね。ミュージカルのあり方として、賛否両論があるカタログ・ミュージカルですが「それなりに奥は深いのだな」と思いますよ。

話がずれました…

それと、私は基本的にはシンガー・ソングライターというのはあまり好きじゃないんです。(どこかでも書いたかな…?)人間の才能にはおのずと限界があると思いますし、多様な才能と個性がぶつかり合って初めて良質のものができるのじゃないかと思うのです。自作自演だとどうしても小さくまとまってしまうようで、ま、「オリジナリティこそが全て!!!」と思う人にはそれでいいのかもしれませんがね。

私は、シューベルトが自分で詩をつけて自分でピアノ弾きながら歌っていたら「野ばら」とか「菩提樹」のような名曲が生まれたか?!…なんて、分かるような分からないような「持論(?)」を展開して、長い間「アンチ・シンガー・ソングライター」の立場を貫いてきたんですよ。

ところがBilly Joelは、もちろん作品の中に独自の強いメッセージを込めていますが、最初から、私の中では、不思議とシンガー・ソングライターのマイナス面は感じない人でした。(メロディーも多様だし)ひと言で言えば、ミュージシャンとしての才能が半端じゃない、全てを超越しているような感じなのかな…。一時期、作品と自分自身の境界が曖昧になって緊張感がなくなっていると感じたこともあったのですが、先日のライブでは、初期の頃のように再び丁寧な歌い方をしていて感激しましたよ。


さて、師走の町に一歩出れば、町中に流れる粗製濫造、粗悪アレンジのクリスマスソングBGMの大洪水(私にとっては音の暴力に近い)、何とかなりませんかね?みんな、ああいう音に慣れっこになってしまったらどうなるんでしょ?

良質の音楽が聴きたい…。

コメント一覧

master of my domain
そうなんです
今となれば、晩婚だった人が羨ましい
でも、この歳になって来日アーティストの追っかけができるなんて、昔は想像もできませんでしたから…
いい時代になったと思います。
ペルちゃん
そのとおり
>私の年代では、この時期はやはり「忙しかった」人が多く、Beatlesから70年代初頭の洋楽には親しんでいたのだけど、Billy Joel体験は「抜け落ちている」って人は、私の周囲にも結構います。

全く鋭い、そのとおりです!
しつこく聴いているやつもいましたけど、5年くらいずれただけ。そいつは結婚が遅かった。

>町中に流れる粗製濫造、粗悪アレンジのクリスマスソングBGMの大洪水

これも、そのとおりです! するどい!
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