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And This Is Not Elf Land

日本版「ジャージー・ボーイズ」(1)




PV撮影や記者会見など、いよいよ始動!の日本版「ジャージー・ボーイズ」


これまで発表されていることやネット上の反応などを目にしながら、いろいろ思うことを書いていきたいと思います。

とにかく、日本では「一気にメジャーになっちゃった」感のある「ジャージー・ボーイズ」ですが、ほんの2年ぐらい前までは、ごく少数の海外ミュージカルのファンやずっとフォーシーズンズに注目しておられた音楽ファンの方が関心を寄せているに過ぎませんでした。

2014年、イーストウッドがメガホンを取って映画化されたということで、今度は映画ファンの大きな関心を集め、同年秋にはついに日本でも公開。この映画版は本国の人たちもビックリぽんの高評価と観客の支持を得て、昨年はついにアメリカのプロダクションによる来日公演も実現しました。このあたりから、「ジャージー・ボーイズ」も「日本人に好まれるタイプのミュージカル」として浸透していったように思えます。

そして、今回の日本人キャストによる公演ですが…とにかく、田舎に住んでいる私は国内ミュージカルにはあまり縁がなく、耳慣れない「貸切公演」とか「?」なことも少なくありません(汗)


しかしながら、詳細が明らかになるにつれて、日本公演ならではの期待も膨らんできます。

まず、先にこちらでも書きましたとおり、ニック役にジャン・バルジャン役として知られている重厚な雰囲気の役者さんがキャスティングされているということには胸躍る思いでいます。ここまで存在感のある役者をこの役に据えているプロダクションは海外にもないです。北米組は完全にこの役をコメディーにしちゃってますし、最近個人的に注目してるスウェーデンのプロダクションでも、私は今だにニックとボブの役者の見分けがつきません(!)

「ジャージー・ボーイズ」を観終わった後に、観客が「このストリーの真の主役はニックだったんだな」と感じることができるようなものを作ろうとしておられるのではないかと期待しています。

また、訳詞は高橋亜子氏が担当されるとなっています。ずっと英語で馴染んできた歌を日本語で聴くのには違和感があるかもしれませんが、高橋氏はこの分野で数々の実績がある方のようで(知らなくてすいません)、今回も良い仕事が期待されます。

何よりも私が嬉しかったのは、高橋氏ご自身のツイッターでの呟きです!

高橋氏の「ジャージー・ボーイズは単なるジューク・ボックス・ミュージカルではありません。音楽の使い方が非常に巧みに計算されていて、素晴らしいミュージカルなのです」という内容の呟きを目にした私は、興奮のあまり「ありがとうございます!そのことは、私が一ファンとしてずっと訴え続けてきたことです!」と返信してしまいました。嬉しいことに、ご本人から折り返しご丁寧な返信をいただくこともできました。

…思えば、映画が面白ければ「映画が面白いのは監督が素晴らしいから。ミュージカルが基になってるとは言っても、そもそもミュージカルなんて元々中身があるわけないんだしぃ~」みたいな感想が溢れ…舞台ミュージカルのファンはファンで「ジャージー・ボーイズ」のような類の作品に対しては「どうせジュークボックスでしょ」と最初から色眼鏡で見る向きもあったりとか…思ってみれば、私も偏見と闘ってきたようなものですよ(?!)

ところが、日本版の重要なクリエイターである高橋氏のこんなにうれしい呟き!これは日本版に期待するしかないでしょう。

また、小田島恒志氏がリック・エリス&マーシャル・ブリックマンによる脚本を翻訳されるとのこと…「この方の名前、どこかで拝見したような~」と思ったら、私が思い出したのはこの方のお父さんのお名前、小田島雄志氏のほうでした。雄志氏によるテネシー・ウィリアムズ作品の翻訳がまず思い浮かびます。ご子息の恒志氏も劇作品の翻訳を数多く手掛けておられたのですね。いずれにしても、「ジャージー・ボーイズは伝統的なアメリカ演劇のエッセンスも取り入れている作品である」とずっと考えてきた私には、これまた胸躍る出会いであります。

「ジャージー・ボーイズ」が単なるライブのようなミュージカルだと想像しておられる人には、これほどの方が担当されるほどの脚本なのか?と意外に受け止められたかもしれませんが…

もう、私がとやかく言うこともありますまい!訳詞を担当される高橋氏のおっしゃるとおりです!

これは単なる(安易にヒットソングを並べて、取って付けたようなストリーを差し挟んだだけの)ジューク・ボックス・ミュージカルではないのです。非常によくできた舞台作品なのです。

日本版でもそれを見事に実証してくれると信じています(続)
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