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And This Is Not Elf Land

The Four Seasons



やっぱり、一番よく聴いているのはJERSEY BOYSのサントラ盤。

このミュージカルは60年代初頭から大ヒットを飛ばし続けたThe Four Seasons(フォーシーズンズ)の軌跡をドキュメンタリー形式で見せるもの。劇場全体が懐かしいメロディーに包まれ、雰囲気も一気に最高潮になります。

Broadwayで一番人気のミュージカル、JERSEY BOYSを鑑賞したときの記事はこちら

さて、21世紀になっても絶大な人気を誇るフォーシーズンズ。(トップの写真)
メロディーは聞き覚えのあるものばかりなのですが、フォーシーズンズというアーティストに関する知識は、実は、あんまりありませんでした。

彼らのディスコグラフィーを見てみると…初期はグループとしての大ヒットを飛ばし、後年は代表メンバーだったFrankie Valliがソロとしてヒットを飛ばしているのですが、60年代後半から70年代前半ぐらいまで、チャートに顔を出さなかった時期があります。そこが私が熱心に洋楽を聴いていた時期と重なっているんですね。フォーシーズンズというアーティスト自体の記憶がない…っていうことについては、何となく、ここで言い訳ができそうです。

また、私が洋楽をよく聴いていた70年前後はニュー・ロック全盛で、British Invasion以前のアメリカの音楽に対する世間一般の関心(一部ロックンロールを除いて)は相当低かったのかな??…という気もします。

フォーシーズンズの音楽は、まず4人のハーモニーが美しく、また黒人音楽の影響である独特のスウィング感も大切にしながら、イタリア系らしくヴィヴィッドなメロディーで聴かせてくれる良質のものです。実際、New YorkにいたときはBGMやラジオで彼らの音楽(JERSEY BOYSのサントラ盤で)がよく流れていました。ホテルのロビーのラジオから聴こえてきたとき、思わずフロントのお兄さんに「このショー、私観ましたよ!」と言ったんですが、その中国系のお兄さんは「?」という顔をされました。

60年代初頭「シェリー(Sherry)」を皮切りに大ヒットが続きますが、何と言っても傑作なのが邦題ですよ!!好きですネェ~、こういうの…!

Big Girls Don't Cry(この曲がホテルのロビーで流れてた)…恋のやせがまん
うん、何となくそんな感じですね

Dawn (Go Away)…悲しき朝やけ
この時代は、なんでもかんでも「悲しき~」でしたからネ

で、最高なのが!!

Walk Like a Man…恋のハリキリ・ボーイ
やるもんですねぇ~「誰」が「何」にはりきるんですか~?(笑)
この邦題を考えた方にお会いしたいですよ(まだご存命なら)

でも、この63年の大ヒット、Walk Like a Manはリアルタイムでは知らないんですが、印象に残っているのが映画SLEEPERS(スリーパーズ)の最後の場面で使われていたところです。

マンハッタンのスラム、Hell’s Kitchenで育った4人の少年たちの波乱の人生を描いたこの問題作、この4人と共通のガールフレンドが久しぶりに再会し(そして、4人が顔をあわせたのはこれが最後になった)一晩中飲み明かしながら歌ったのがこの曲でした。この曲の明るいメロディーが、どことなく切なく響く名シーンです。

フォーシーズンズの出身地であるNew Jerseyはハドソン川をはさんだHell’s Kitchenの対岸になります。どちらもイタリア系(スリーパーズにはアイルランド系もいたと思う)の貧しい白人層の少年たちでした。この曲のように、「タフに生きようぜ!!」というのが、お互い共通する感情だったのでしょうね。SLEEPERSには他にもフォーシーズンズの曲が使われていたかもしれません。


他にも多くのヒット曲があります…

Bye, Bye, Baby (バイバイ・ベイビー)はベイ・シティ・ローラーズが70年代半ばにリバイバルで大ヒットさせました。

Can't Take My Eyes Off You(君の瞳に恋してる)は67年にFrankie Valliがソロでヒットさせましたが、これも80年代、他のアーティストによるディスコ・アレンジでヒットしたもので印象に残っています。この曲は椎名Rさんをはじめ、多くの日本のアーティストもカバーしているんですね。

さて、BroadwayのJERSEY BOYSでFrankie Valliを演じているのがJohn Lloyd Young。

彼は今やNYのヒーローで、昨年はヤンキー・スタジアムで国歌斉唱の大役もこなしました。

Frankie Valliは本名はFrancis Stephen Castelluccioといいました。最初はFrankie Vallyと名乗っていましたが、ミュージカルの中では、ガールフレンドの一人に「イタリア系なら母音で終わらないとヘンでしょ!?pizza、supaghetti…私たちの名前もこうじゃないといけないのよ!!」と言われて綴りを変えるという話になっています。

これを今からBroadwayで観ようと考えておられる方にアドバイスをさせていただくなら…
1階の前方の席が取れなければ(実際、取るのは難しい)2階席をお勧めします。2階席が天井低くせり出しているために、1階後方だとpartial viewに近い状態になってしまうと思います。それでも、毎回多くの立見席も出ているくらいの人気演目でもあるんですが…。

最近、いわゆるジュークボックス・ミュージカルは多くなっていますが、それでも半分ドキュメンタリーとしての形態を取りながら、これだけのヒット作になるというのは…演じる俳優たちや、これを作り出した人のセンスもさることながら、元のフォーシーズンズの音楽自体の持つ魅力も大きいのではないでしょうか?(ジョン・レノンを題材にしたミュージカルが「あっという間に」打ち切りになったのは記憶に新しい)

懐かしい洋楽がお好きな方にはお勧めです。


JERSEY BOYSで演じる4人

実は↓  ↓  ↓






ピアノ・スコアまで買ってきているという…

弾いてみるつもりのようです♪
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