又七の不定記

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牛乳飲んだら骨折リスクが増えるって?

2025-02-05 22:45:16 | etc.
「牛乳1パック(1リットル)を2日で飲んでいる。」という話をしたら、「牛乳を飲みすぎると骨折リスクが増えるよ。」と言われた。
「ほんとかよ?」と思って情報の出所を聞いてみると、元ネタはどうやらSNSから出てきた根拠不明の妄想話のようで、どうも統計用語の解釈の誤りというか、おそらく日本語訳されたものを斜め読みして誤った解釈をしたものが伝言ゲームのようにさらに解釈が変わって拡散されているのではないかという結論に達した。

そもそも、どんなに牛乳を飲んでも動かなければ骨折しないからね。
牛乳をたくさん飲む人は運動に対して意欲的な傾向があるので、運動頻度が高ければそれだけ骨折リスクも高まるでしょう。
特に若い頃にバリバリのアスリートだった人は老いぼれた体に鞭打って負荷の高い運動を続けている可能性もある。
加えて言えば、牛乳だけ飲んで生きてるわけじゃないので、原因を牛乳だけに絞って因果関係を解析することに無理があるんだよね。

相関関係は英語で2つの書き方があります。
一つが"correlation"でもう一つが"associations"。
参考までに因果関係が"causation"。

っで、因果関係があるかもしれないけど交絡因子が絡んでいそうで、原因と結果の関係を明確に言い切れない場合に、とりあえず交絡因子の存在をにおわせながら"associations"という表現で結論をぼやかしておこうということができます(笑)。"associations"は関係が一対一じゃないことを暗示させるために複数形となっています。
以前投稿した「相関は因果を含意しない(Correlation does not imply causation)」の記事の終盤に書いた"一般用語としての相関関係"の中にぼんやりと"associations"があると思っていただければ良いでしょう。
ですから"associations"には相関係数も決定係数も必要ありません。この用語を使うことで横着できます。
ようするに相関分析も回帰分析も行われておらず、散布図を描いて「なんとなく相関してそうだな~」というくらいのものなのでしょう。

そして牛乳と骨折に関する論文も調べた限りにおいて全て"associations"。
もし相関分析を行っていたら相関係数を示すはず。しかし偉い学者さんたちは相関があったからといって因果関係があるわけではないことを知っているから恥ずかしくて"correlation"なんて書けない。決定系数を示して"causation"と書きたいところだが、偉い学者さんたちは牛乳と骨折は直接の原因と結果の関係にあるとは言えないことも良く分かっておられるので"causation"とは書けない。おそらく決定係数もたいした値にならなかったのでしょう。だから"associations"という表現に留めざるを得なかったのだろうと想像します。

でも統計学に疎い人はそんなことには気付けない。
日本語訳された記事に「相関があった」と書かれれば原因と結果だと思ってしまう。
つまり統計に騙されたということ。

ブラウザーで簡単に翻訳してもらえる環境が整ってきましたが、論文は翻訳前の原文を読んで理解しないといけないな~と改めて思った次第です。

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