日本には沢山の釣りがあり、それぞれに対応した沢山の釣竿が発売されています。
日本ほど多様な竿を使い分ける人種は世界的にも珍しいのではないでしょうか?
にもかかわらずフライの世界ではなぜがバリエーションが少ないのが気になります。
低番手の超長竿や高番手の短竿、極端な先調子の竿は全く無いといっても過言ではありません。加えていえば振り出しフライロッドの選択肢が殆どない。
必要とされていないから無いともいえるのですが、必要とされない理由は単にフライフィッシングがイメージ先行の社会だからというのが実情でしょう。
振り出しフライロッドは携帯に便利で、渓流では高まきの際に重宝しますし、沿岸で小物狙いのランガンをする際にも非常に魅力的なんですけどね。さらに、近頃増えてきたライトツーハンドを使った沿岸部や河口域での釣り。これもランガンを繰り返すことが多く、振り出し竿は強力なツールとなるはずです。
長竿でキャスティング中にフライが先のほうのガイドに引っかかってしまうというトラブルを経験された方も結構いると思いますが、この場合でも振り出し竿はセクションを緩めてするすると引っ込めればすぐに目的のガイドまで手が届きます。継竿でもセクションを抜けばいいだけの話ですが流れのある場所でウェーディング中にセクションを抜いて片手で束ねてっというのは結構難儀なものです。振り出しだと簡単なのに~っと思ったこと何回もあります。(キャスティングの上手い人はこんなトラブルは無いのかね?)
にもかかわらず、なんでフライ分野は継竿から抜け出せないんでしょね?。
まあ振り出し竿はブランクの径が太く肉厚が薄くならざるを得ないためフライロッドに求められる耐久性が十分に確保できないとか、理想的な位置にガイドが配置できないとかいろいろと問題があって、解決方法はあるのでしょうがそれはかなりコストを要し、販売価格に跳ね返ってくることからメーカーが手を出さないということもあるでしょう。
まあ、作れない理由を探してあれこれ述べても建設的な話にならないので、とりあえずそこらの磯竿で振り出しのライトツーハンドロッドを作ってみましょう。
なんで磯竿かというと、ガイドがもともと沢山付いているからというのと、1kg~2kg程度のクロダイを浮かせるだけの十分なバットパワーを備えているということ。投げ竿だとガイドの数が少なすぎてガイド間のラインのたるみが問題になりそうだし、少し硬すぎる気がします。
#4以上のラインを乗せるとして、先端径1.5mm以上の中空穂先を持った2号とか3号の磯竿がいいですね。長さは3.6mくらいが使いやすいでしょう。
っで、磯竿をどうやってフライロッドにするかというと、一番手軽な改造は、リールシートの少し下でバットを切り落とすという方法。仕舞ったときの手元の収まりを良くするために元上の適当な場所に肉盛り加工を行います。ズーム竿にもなりますね。この加工なら手間が掛らないので竿を買って帰って数時間後には釣りに行けます。
ブランクに手を入れずにそのまま使おうと思うと思ったら、リールシートを外して竿尻側にずらして付け直すのが妥当でしょう。一番手前のガイドとリールの距離が少し開きますが、この部分は殆ど曲がることは無いでしょうから関係ないと割り切りましょう。
それと、フライフィシングだからといってリールが竿尻に無いといけないかというとそんなことはないので、何もせずそのまま使うというのでもいいと思います。
ただそれではあまりにもフライロッドっぽくないので・・・やはりイメージ先行だったか?