坪山に行って来ました!
坪山は山梨県上野原市に有る標高1102.7mの山。
坪山はイワウチワやヒカゲツツジ、ミツバツツジ、イワガカガミと言った花が咲き、『花の山』として知られる山です。
今回は、JR中央本線の上野原駅から富士急行バスに乗って1時間弱、山に挟まれた谷沿いに位置する八ツ田バス停から花の多い西ルートを歩いて山頂へ向かい、西原(さいはら)集落の『びりゅう館』へ下り、行きに乗った『上野原行き』のバスで駅迄戻る行程を選びました。
坪山は急峻な山で、滑落死亡事故も発生しており、今回通らなかった東ルートは危険な岩尾根の箇所も有るとの事。
「結構きつい行程かな?」
と、覚悟をした上での訪問でした。
イワウチワとヒカゲツツジは旬の時期を過ぎ、事前の情報では
「残っている花が僅かに有るかどうか?」
「イワカガミが咲き始めた」
と言う話でした。
イワウチワとヒカゲツツジの『遅れて咲いた物』を見付けられれば、一通り全ての花を見られそう。
「全て見られると良いなぁ」
と、願いつつの訪問でした。
八ツ田バス停で下車。
次の御嶽神社で降りても同じ道に合流するので構わないのですが、合流地点の手前に公衆トイレが有ると地図に記されていたため、手前の八ツ田で降りる事にしました。
そうでなければ、御嶽神社に参拝してから登るのも良いですね。
写真は八ツ田バス停で、橋を渡った所から撮影した物。
畑沿いの道を行くと、石仏、石柱が集められている場所が。
石碑には『厄請地蔵』と言う名とその謂れが記されていました。
「拝む方の持っている厄を、地蔵石が請負う「厄請地蔵」」で、「点在している群れ一か所に整地した」との事です。
お地蔵さま以外に、お墓に使われそうな石柱も有ります。
点在していたという事ですが、元々は何処に有ったのかな?
街道であったり、峠道であったり、集落の家の裏や畑の片隅、山の中とか、夫々地蔵を置いた方の関係する場所だったのではないかな?
それには「其処に置くのが良い」と言う『その人の思い』が有ったのだろうな。
それが、月日が経つ中で忘れ去られ、顧みなくなり、荒れていった物が有るのを「何とかしなければ」と思われ、此処に集めたのかな?
「作られた経緯や元々それが置かれていた場所、そこを通って居た人達の事」
と言った背景を知りたいなぁ。
ヒメシャラかな?
百日紅(さるすべり)の様なつるつるの幹だけど皮が剥け易く、鹿に皮を剥がされていた状態の幹をよく見ます。
は何は注目した事が無かったのだけれど、そこそこ大きくて目立つ花ですね。
ゼンマイ。
もう少し早い時期だと、この中心部分が綿毛で包まれています。
乾燥を防ぐ為と言う効果が有るのだけれど、しっとりしてふかふかな綿毛なんだよなぁ。
今回は少し時期が遅い為、綿毛は見られず。
ゆきさんに見せたかたなぁ。
東・西コースの分岐点。
此処までは畑の横や野原の中のコースなので、日当たりが良く、背の低い草の中にニリンソウや野苺等、多くの花が咲いていました。
フデリンドウ(筆竜胆)。
蕾の形が筆の穂先に似ていると言うのが名の由来。
10㎝有るかどうかと言う背の低い草で、地面に注意を払っていなければ見落としてしまうような小さい花です。
ユキさんは南高尾で覚えた花だったと思う。
「あっフデリンドウ」
と、フデリンドウを見付けては、嬉しそうな顔をしています。
ニリンソウ。
南高尾では、ニリンソウの群落でお気に入りの場所が有ります。
何回行っても「わぁ~ (*^^)v」と声をあげてしまう様な光景。
ユキさんも印象深い場所だったようで、よく話題に上がる場所です。
また行きたいなぁ。
土筆(つくし)。
ユキさんは「今年は土筆を見ていないなぁ」とか「スギナが生えているのに、土筆が見付からないなぁ」と、土筆がお気に入りで、気になる様。
この日は無事見られました!
右手の眼下に沢が見え、急斜面の中腹に延びる道を行きますが、道沿いの斜面には色々な苔が。
檜の葉に似た『ヒノキゴケ』だと思う。
結構ごわごわした肌触り。
乾燥しているからなのかな?
雨上がりなら艶々した緑で、しっとりしているのかも知れない。
苔は、昨夏の湯ノ沢峠(山梨県の大菩薩山塊)以降、その美しさと種類の豊富さに2人して着目しています。
今回のヒノキゴケも「へぇ~」「面白い!」と、2人して観察。
右手の沢と別れ、左手を下って来る枝沢を渡って、枝沢の左岸を行きます。
此処で、川床が急に白い岩になっています。
岩は巨大な一枚岩の様で、切れ目が無く、
「此処から上はずっと白一色」
と言う、異様な光景。
白っぽい岩ではなく、真っ白、石灰とか、砂糖や塩と言ったような「えっ?」と思う様な違和感の有る真っ白な岩です。
秦野市の渋沢鉱山では、石膏を見たけれど、あれとはちょっと違う白だよなぁ。
川床なので、土の影響か、石膏よりはクリーム色がかっているし・・・。
何と言う種類の岩石なのだろう?
その場所の対岸に穴が。
入口の前に虎ロープが貼られている。
『立ち入り禁止』と言う事なのだろう。
防空壕ではなく、坑道跡なのだと思う。
帰宅後調べてみたけれど、1点だけ鉱石の話が掲載されている物が有っただけで、他には、この地で採掘されていた件について記述された物は無かった。
試し彫り程度で、長期間の採掘はされなかったのかな?
この手前から急に白い石になるので、この石とも関係しているのかな?
岩尾根が続くと言う話の東コースはどうなのか知らないけれど、西コースは想像していたような急坂ではなかった。
「なだらかな緩斜面が延々と続く」とは言わないけれど、「別にそう騒ぐ様な急坂や細尾根が続く」と言う訳ではない。
体力的には楽で良かったし、「もう一山登れるな」とか「もう少し歩きたいな」と言うのが2人共通の感想だった。
「ここからイワウチワ群生地」と言った看板が道の横に有る。
でも、イワウチワは葉と花が終わった後の若干膨らんだめしべのみ。
花は花びらの残骸も全く見られなかった。
ミツバツツジ!
ヒカゲツツジに会えました。
群落が続く中腹では花は終わっており、稜線に辿り付く迄に2輪見付けたのみ。
でも、稜線から頂上までは中腹よりも気温が低いのか、未だ咲いている株が点々と見られました。
イワカガミは、旬の時期。
満開と言いても良いのかな?
満開か、そのほんの少し前なのかな?
群落はびっしりと花の塊が見られる状態でした。
イワウチワとヒカゲツツジが一番の目当てだったのだけれど、イワカガミがこんなに輝いて見える花で、可愛らしい花だとは思わなかったなぁ~。
イワカガミが見られて良かったなぁ
イワカガミの群落。
地面の背の低い緑色の物が群落で、其処彼処に有ります。
躑躅の葉かな?
三つ葉ではないから、ヤマツツジかな?
五葉躑躅(ごようつつじ)の別名が有るシロヤシオかな?
ヒカゲツツジはもっと細長い葉だし。
ヤマツツジも生えているそうですが、この日はバスの窓から見ただけで、坪山では1輪も見られませんでした。
シロヤシオの花。
山頂近くの稜線は、シロヤシオが多く咲いていました。
檜洞丸(丹沢)のシロヤシオの群落・・・見てみたいなぁ。
坪山山頂。
そんなに広くは無いですが、「数人しか休憩出来ない位に狭い場所」と思っていただけに、
「意外に広い」と言う印象でした。
細長い山頂ですので、真ん中にドンと陣取っての休憩は駄目ですね。
端に寄ってなら、数組の団体が休憩する事も可能です。
ユキさんの帽子で蝶が一休み。
アゲハや他の蝶と違って、この子だけはやけに人馴れしていると言うか、ユキさんの帽子や人の直ぐ近くに止まっていました。
木の悔いの上でも一休み。
アゲハは、人と少し距離を取って枝先で一休み。
ギフチョウではないですね。
下りもそんなに難儀する場所は無いですが、「右側が何十mも有る岩の崖」と言う個所が有り、痩せ尾根ではないのだけれど、覗き込むと足がすくんでしまう個所です。
登山道の最後の方で、急にくねくねと曲がった幹や枝の木々が並んでいる緩斜面が有ります。
何だか話しかけられたり、急に動き出しそうな木ばかり。
この木がお気に入り!
なんだか、折れた横枝が両手の様で、洞(うろ)が顔に見えます。
イカリソウも発見!
チゴユリ!
近所の木漏れ日の森には、いっぱい生えているので、誰も見向きもしないけれど、可愛い花だと思う。
宝錫草同様、「見た目は良いのに、数が多いから貴重に思われない」。
皆素通りだけれど、私もユキさんもお気に入りの草花の1つです。
びりゅう館の門の前に下山。
手打ち蕎麦等のメニューが有る食堂と地元の産物が販売されている施設です。
地元の食べ物である『せいだのたまじ』を購入して、館前のベンチでたべました。
小粒のジャガイモを味噌で煮詰めた物。
小腹の空いた運動後には、丁度良い量でしたし、味噌の塩分も美味しく感じたなぁ。
富士急バスの方が案内をされていました。
上野原駅のバス停で登山案内マップ等を書かれているのもこの方で、色々な話を聞かせていただきました。
坪山の登山道を整備し、案内を作ったのも16年(だったかな?)前だったそうで、最近他の場所の整備も行って新しい案内マップも制作中との事。
「コースを開いた時には、びっしりとイワウチワが生えていたのに、すっかり数が減った」
「大きい葉の株が見られなくなった」
「登山道の入口の駐車場ができ、車で直ぐ側に入られる様になり、盗掘されているのではないかな?」
と言った事を仰っていました。
大菩薩の湯ノ坂の花畑も、以前は見られたクマガイソウの群落が見られなくなったとか、盗掘と思われる山野草の減少が見られます。
そうでなければ良いのだけれど、盗掘でないなら気候変動とか、鹿の食害や人の踏み固めや土砂の流出と言った「人、動物が原因」と言う事になる。
どちらにしても深刻だよなぁ。
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