2008-12-20 19:27:42
旅行3日目は嵐山散策です。
宿泊は昨日と同じ嵐山の宿なので、スタートとゴールが同じ宿と言う事で、余分な手荷物が無いのが楽で良いですね♪
「夕飯に間に合えば良い」
と言う事で、スケジュールも緩め。
唯、
『ゆっくりじっくり観る旅にしよう!』
と言いつつ、結局そこそこの場所を予定に入れてしまったし、その間に商店等気になった場所が有れば気の向くまま立ち寄る事にしているので、果たして何処迄観る事が出来るか分からないのが不安。
まぁ、「行き当たりばったり」、否、「いきあたりばっ旅」ですから、流れに任せましょう!
写真は朝の渡月橋。
平日の朝9:00前と言うのに、結構人が歩いています。
皆この辺りに宿泊したのかな?
それとも他の地区の宿からバス出来たのかな?
嵐山のバス停から清滝(きよたき)行きのバスに乗って出発です!
車窓からの渡月橋です!
チョット高さが有る場所からの光景で、違った角度から見ると人が邪魔にならずに撮れますね。
此処が今日の最初の目的地である愛宕寺前のバス停。
嵐山から20分程度でしたね。
もう少し掛るかと思いましたが、京都市街地と違って道は空いています。
バスの終点の清滝は、お寺の住職さんんに因ると
「清滝と言っても滝が有る訳ではなく、川が流れているだけで、その辺りの地名を指す」
との事。
「唯、辺りが紅葉の名所になっていますよ」
と仰っていました。
時間が有れば清滝や高尾と言った山間部の紅葉も楽しみたかったし、愛宕山にも登りたかったですね。
最初のお目当ての愛宕念仏寺の山門です。
愛宕山は「あたごやま」と読みますが、この愛宕念仏寺は「おたぎねんぶつでら」と読みます。
カミサンは今でも頻繁に読みを間違えます。
「あたごでら」、「あたぎでら」、「おたぎでら」・・・「あれっ?どれだっけ」
てな具合です。
山門を潜り、上を見上げると斜面に生えた紅葉の巨木が空に枝を広げていました。
空の青と鮮やかな紅葉(もみじ)が綺麗です。
本当に紅葉(こうよう)を楽しむには丁度良い時期に来ましたね。
我々が訪れた4日間は毎日天気は晴れで、最高気温が20℃超と言うこの時期としては珍しい暖かさが続きました。
翌週は急に冷え込んだので、非常に幸運だったと思います。
コートは全く必要としませんでしたし、フリースやカーデガンと言った上着もリュックにしまったまま。
「京都の秋はこんな感じ」
と思って、次回も同じ様な気持ち、装いで来ると、寒い思いをしそうですね。
今回は天候に恵まれて本当に感謝しています。
嵐山の念仏寺と言えば、賽の河原が有る「化野念仏寺(あだしのねんぶつでら)」が有名で、カミサンも
「是非私を連れて行きたい」
と言っていたのですが、周囲を調べている中でこのもう1つの念仏寺である「愛宕念仏寺」を知りました。
お寺のHPも有りますが、訪れた方の写真付きのHPが有り、其れを見ていて興味を持ったのです。
写真は山門を潜って直ぐに有る千二百羅漢像の中の1体。
「でへっ!!」
と言う感じの羅漢像です。
「思い出し笑い」をしているのか、「悪巧み」でもしているかの様な表情ですね。
私は何かを思い出して幸せな表情を浮かべている様に見えるのですが、皆さんはどの様に見えますか?
次は「てへっ!」と言う感じの「お惚け(おとぼけ)羅漢」。
左奥が先程の「でへっ」で、右奥は穏やかな表情の合唱している羅漢。
写真の中に6体の羅漢が居ますね。
右手前が胸の前にハートを持っている羅漢です。
皆表情豊かで、其れでいて個性が有る表情・姿をしています。
もうこの時点で我々2人は千二百羅漢像の虜に。
「見てみて!この子は○○だよ!」
「こっちは○○だよ!」
と、1体1体の観察が非常に楽しい。
右の羅漢は、胸に子供を抱いています。
左の2体は合掌していますね。
合掌している姿が一番多かったですね。
このお寺の羅漢達が表情豊かなのは、最近になってから作られ、其れが羅漢をこの寺に納める事を希望する方々によって彫られたからです。
【愛宕念仏寺の歴史と千二百羅漢像】
この愛宕念仏寺は、称徳天皇(764~770)によって山城国愛宕郡(やましろのくにおたぎぐん)に建立されたお寺でした。
当初は真言宗教王護国寺(東寺)に属していましたが、鴨川の洪水で堂宇が流出し、天台宗の僧である千観内供(せんかんないぐ)によって再興され、以後は天台宗比叡山の末寺となり、等覚山愛宕院(とうかくざんおたぎいん)と号しました。
千観は生涯念仏を唱えて耐える事が無かったので、念仏上人と呼ばれ、この寺も愛宕念仏寺と称する様になったそうです。
寺は東山の松原通り弓矢町に有ったのですが、大正11年に堂宇の保存と愛宕山との信仰的な関係から3年をかけて現在の地に移築されたそうでう。
以後寺は衰退の一途を辿り、「京都一の荒れ寺」と呼ばれた時期も有りましたが、昭和30年に住職を拝命した仏師でもある前住職の西村公朝氏によって再興され、現在に到ります。
再興に際し、寺門隆盛を祈念して境内を羅漢の石像で充満させようと考え、10年をかけて千二百羅漢が建ち並ぶ寺になったそうです。
この千二百羅漢は、一般の参拝者が自らの手によって彫った物で、その表情は御覧の様に非常に豊かで、祈りを捧げる姿、子を抱く姿、夫婦が寄り添う姿・・・等、彫られた方の想いが篭った姿をしています。
羅漢達が見守る中、坂道を登っていきます。
その先に鐘突き堂が有ります。
此処の鐘が変わっているのは、3つの鐘が納められている事。
中心に鎖で攣られた円柱の漬物の重しの様な形をした木製の鐘突きが有り、此れを「円を書く様に廻しながら」次々に鐘を叩いていくのです。
鐘には1次ずつ文字が彫られています。
この鐘には「佛」。
此方は「僧」
此方には「法」
「佛」「僧」「法」。
どの順番で読めば良いのかな?
「佛」「法」「僧」・・・「ブッポウソウ」と言う鳥が居ますね。
「佛」・「仏法」・「僧」の三宝の事だと思うけれど・・・。
出来れば、説明書きが有ると助かるなぁ・・・。
サッと見て直ぐに忘れてしまう観光客が大半だと思いますが、中には真面目に1つ1つの事を見ている方も居られるでしょうし、私の様に疑問に思ってこうやって調べている者も居るので・・・。
右に見えるのが本堂。
左手に千二百羅漢が建ち並んでいます。
羅漢達は斜面にずらりと並んでいます。
こんな感じにずらっと何列にもなって斜面から境内と参拝者を見守っています。
此処は木洩れ日が射す程度で強い日差しが差し込まないですし、湿度も高いのでしょう。
御覧の様に苔に覆われた羅漢が多いです。
此れがまた風景に溶け込んで良い趣を出していると思います。
比較的新しい石仏ですが、苔に覆われ風化していく事で景色と、野山と一体化しているのだと思います。
本堂横(正面向かって右手)にも羅漢達が。
通路奥に居る「大きい」のは羅漢ではなく、カミサンですのであしからず。
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