先日、駅の改札へ向かう途中、10m位先で手に何かを持ったまま振り返って固まっている女子高生の姿が視界の片隅に入った。
「ただ後ろを振り返って立ち止まっているだけ」
と思って気にもしていなかったのだけれど、横を歩いていた男女2人組の内の男性が近寄って女子高生が手に持っていた物を取り上げて女子高生の後方に走って行くから
「何??」
と思って、そちらを見た。
男性は改札に向かって歩いていた中年の女性に声を掛け、持っていた物(マフラーみたいな長い布)を渡した。
女性は男性に御礼を言っている様で、男性はその場を離れて行った。
私が落とし物を受け取った女性の近く迄歩いて行った時には、女性はペコペコと何度も頭を下げていた。
振り返って見なかったけど、そのお辞儀の先には最初に落とし物を拾った女子高生が居たんだと思う。
落とし物が返ってきて良かったし、距離が有るから御礼の言葉を直接伝えられないとは言え、最初に拾った女子高生に対してもこうして何度もお辞儀をされて、「良い事した」って気持ちになるだろうし、何度もお辞儀をして「丁寧な女性だなぁ~」何て事を感じながら歩いていた。
改札を通って、電車の時間は・・・と電光掲示板を見た時に7~8m位前方を歩く2人組の男女の内、女性がコートのポケットから何かを出した時に帽子を落とし、それに気づかずにそのまま歩いていく姿が目に入った。
「あっ!」って思って、小走りで近寄って帽子を拾って追いかけた。
「落とされましたよ」
って声を掛けて、女性に無事渡せた。
立ち去る私の背後で2人が話をしていて、男性が
「落とされましたよ祭りじゃん」って。
ん?さっき落とし物を走って女性に届けた2人組だったのか。
『親切の連鎖』になったみたい。
2人組にしたら「親切にしたら、自分達が落とし物をした際に助かられた」と言う感じかな。
女子高生にとっては、
「届けたのは違う人で、落とし物を拾っただけだけれど、とても丁寧に御礼のお辞儀をされた」
と言う感じだろうし、最初の落とし物を届けてもらった女性も「拾ってくれた方と、走って追い掛けて届けてくれた方がいた」と、皆良い気持ちになったのではないかな。
こう言った事で『親切や幸せの連鎖』がどんどん繋がって、長々と繋がり続けたら良いな。
あっ・・・でも、『落とし物をする』と言うのは連鎖しなくて良いな。
この日、私は落とし物はしなかった。
・・・していない・・・と思う。
走って行って
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