山奥の鍛治工房

趣味でやっている鍛冶作業の記録

ちょいと無理してしもた

2009-02-14 13:44:32 | Weblog
約半年ぶりの更新。
欝って寝込んでましたもので。
作品はぼろぼろ。
したがって、S45Cでもって作品作ろうとして
25ミリ角材を手打ちで叩き延べましたが。
きっついですな。
頑丈であります。
従来よりパワーが半減しておるので、
5センチを30センチにするにあって
1時間半以上時間がかかりました。
機械ハンマーほしーよ。(爆)

更新遅れたけどアップ

2008-10-08 08:33:19 | Weblog
 通常は作業終えた当日、或は翌日にアップしておるけども
くたれ気味であったために、今日となった。
 10月5日(日)曇りのち雨 午前9時~10時30分
 この日、秋祭りであったが作業実行。
 積層材を使うた三枚打ち。間に挟んだのは黄紙3号。
 目指すのは肥後の守。
 しかし、できたブツは肥後の守とはほど遠い。
 画像にある通りの姿である。鍛接不良も出て、コバ打ちに際しては
3枚とも剥がれるという事態になった。
 これから、これをどうするか。
 あっさり、ペティに振り替えてしまおうかとも思案中

今回は画像なし

2008-09-28 21:42:56 | Weblog
土曜日。
安芸太田町加計にある町ぐるみ博物館の一つであり、
現役の鍛冶屋を訪ねてみた。
工房は町のメインストリートに面し、中は昔ながらの作り。
火床は2つあり、そのうち一つは現役。
訪ねたとき、いらっしゃったのは近所の建築屋さん。
特徴的なのは、一基のモーターで複数の機械を作動させていること。
伝達には平ベルトで、駆動しておるのはスプリングハンマーと手作りグラインダー、回転水砥石および
ボール盤である。
 駆動モーターは特別にしつらえられた木製のフレームの上部にあって、作動時はその振動で全体が揺れ
ちと見学しておる自分にとっては恐ろしかった。
 当工房の鍛冶職人さんとお話をちょっとばかりさせていただいた。
 もうこの仕事をしておる人も少なくなったこと。
 年なのでいつお迎えがくるやらわからん。
 そんなことを仰ってました。
 鍛接剤のことも話させていただきました。
 ピンク色をしているのが特徴の碇印の鍛接剤。
 これを使っていらっしゃったので、驚きました。
 どこ探しても見つからん一品ですから。
 聞くところによれば、昨年購入したと言うことでした。
 ということは、まだ製造されているということになります。
 見学させていただいた工房では、燃料は木炭。
 火床のほうも昔ながらの直吹き炉。しかし底は10センチ
の深さであまり深くはないように見えました。
 スプリングハンマーも寺澤鉄工所あるいは福井鉄工所製ではなくて
土佐坂本商会となっておりました。
 基本的構造は一緒ですが、前の弾み車にブレーキシューとそれを押さえる
鉄バンドが特徴。
 見学時にされていたのは、石工さんが使うハンマーの製作と削岩機のビット
の先焼き、つるはしの手直しなど。
 技術的な話では、
 メッキものは割れる(加熱すると亜鉛または錫の影響が出る)
 コークスは火力が強すぎる。
 鍛接剤は低い温度でもくっつく。
ということ。
 体が第一資本であることもあり、体は丈夫かな、って聞かれてしまい
デスクワークばかりで弱ってます、と答えました。
 大変貴重なことばかり。
 でも好きですね。
 


野鍛冶の技を見た

2008-09-15 20:10:10 | Weblog
9月14日(日)午後2時30分~3時30分頃
松永家最大の刃物。それは押し切り。
主に藁を切る農具である。
取り扱いを間違えば、指が飛ぶ恐ろしい指ギロチンに
なる。
 その刃を、親父様より仰せつかり、欠けたる部分以外を
研いだ。
 ほんまは全体を研がんとならんだが。手抜きではありませぬ。
 画像が増してワヤクタになってしまいましたが、件のブツ。
 これ全て実家の近所にあった野鍛冶(昭和40年代に廃業)
が製作したもの。
 柄の口金すらも鍛接でやっておるみたい。
 特筆すべきは、藁を刃に押し当てるアーム部。
 一部鍛接剥がれがあるけど、とにかくすごい。
 ピン穴の先を、タガネでセギってつまみ出し、それを安全ガード
にしてある薄い帯鉄に鍛接でくっつけてあるところ。
ハンドル部分も2枚の厚板材と一緒に鍛接してまとめあげてある。
2枚合わせた中間にスペーサーと思われる鉄片がありこれも鍛接。
 それにしてもよく作りんちゃった、とその力量に感心してしまうばかり。
 中華包丁と餅きり包丁を足して2で割ったような刃は、恐ろしい。
分解するとそれはギロチンみたい。
 特徴的なのは、刃が緩やかにカーブを描いておること。
 これは日本刀の刃とよく似ているし、切り込みは抜群。
 扱い間違うと、指ギロチンになるのはこのため。
そうでなくても手ひどい怪我を負う。
 長い間手入れもせんと放置していたので、目も当てられんほど
赤錆が浮いていた。
 研ぐとベンガラを摺ったようで、砥石面は赤茶色に染まり、
粘ってしまい何回も洗わねばならなかった。
 また、錆もかなり深く、研いでもぽつんぽつんと黒い斑点として
残り、それが細かな刃こぼれの遠い原因になっておるようにも
みられた。
 刃が欠けておるのは、祖父が生前誤って硬い木の枝を草と一緒に
切ったため。
 めくれた部分を観察すると、どうも割り込みのようだ。
 しかしながら鋼材の種類が不明。
 地金材も不明。
 作られてからざっと5~60年は経っているであろう、と思われる
代物である。
 しかしながら、それを叩き延べて広げた職人さんの技には
ただ感心するよりほかにない。
 刃の出方は、乱れ調子で漫画に出てくる包丁の刃にそっくり。


砥石2

2008-09-07 18:32:14 | Weblog
実家にある砥石の実画像である。
番号順に
1。荒砥石(大村砥石)と中砥石(人工砥石)
2。青砥石(産地不明)
3。面修正した大村砥石(両端のみを削っただけで、あとは少しずつ使いながら
直してゆくことにした)
4。凍結して割れた天然の中砥石(備水)
5。凍結して割れた天然の中砥石の側面(備水)

 どれも共通していること。
 真ん中で刃物研いでおるがゆえに凹んでおる。(人工の中砥石を除いて)
1面ならまだしも4面とも(爆)
 これでは途中でまっ二つに折れてしまうのは道理。
 要は使い方が下手。

 いずれをも面修正しようかと考えたが、とどめを刺しそうな気がしたので
大村砥石だけを面修正。
 ぼこぼこになりました(汗)
 砥石の画像に何やら赤茶けた部分があるけど、アレがハリと呼ばれる部分。
 青砥にも茶色っぽい筋があるけど、これは石英(チャート層)がハリとなって
邪魔をしている部分。
 凍結して割れた備水であるけど、結構きれいに長手方向に割れとります。
 片割れを探したけど、いつのまにか消えてた。
 
土曜日の早朝に更新した方法で包丁を実際に研いで、メンテナンス。
ステンレス系はどうも天然砥石には不向きのようだ。
変に引っかかってしまう。
 切れ味が戻ったところで終了。

 鍛冶作業。
 鍛接うまく行かず。
 鍛接剤に大量の汗をたらし込んだ結果と思われ、
くっつかぬ。
 ヤケクソになって、熔解ぎりぎりに温度を上げるも
温度が上がらん。
 炉にも問題が出て来たか?
 
 鍛冶屋の女神様より、ちと作業を休め、って言われた気がする
作業でありました。


 

研ぎをかけるとき

2008-09-06 03:39:54 | Weblog
よく目にする砥石であるが、原型は立派な直方体である。
しかしながら、真ん中ばかりで研いでしまいがち。
面直しをせぬと、画像のごとし。
これまこと研ぎにくい。
全体を使うて研げと、物の本には書いてあるがどうも
それは無理。だって個人差あろうし、結局は真ん中で研いで
凹むのは道理。
そこで、鍛冶研ぎ。(岡山時代に押し掛けで刀鍛冶に出入りしてた頃教わった方法)
こんな道具がある。
「へ」の字になった木製の砥石押さえなる道具をもって
砥石を押さえ、研ぐ。(作るのがちょいと難があるけども)
 砥石にもちょいと細工(もったいないけどな)
 端をちょいと削ってテーパー加工。
 それをやらんでも、端っこからちょくちょくと研いでいくのがベスト。
真ん中からまっ二つに折れず、天寿ほどは全うする。
 昔の人の知恵を拝借しただけの話。
 これでやってみたところ、意外とよかった。ただしストロークが短いので
何かと気ぜわしくガシガシと研ぐことにはなるが、だんだん長くなってゆく。
 ということで、再現してみたい方法ではある。
 人工砥石と天然砥石と比較する上でも試してみたい。
 それ以前に、実家の砥石の面を直さんことにはどうもならんけども(汗)
 

鍛接作業

2008-08-31 19:32:50 | Weblog
画像にあるとおり。
日本刀の作刀技法でもって、ダマスカスの作成。
極軟鉄と鉄筋の組み合わせは、全く変わらない。
しかしながら、今日の作業では、だいたいは
叩き過ぎて首がもげ落ちるのであるがどういうわけか
過熱で首がもげた。
 鍛接剤が必要以上にかかったのと過熱によるもの、
それに加えて鉄筋そのものに難があったのかもしれない。
あくまで推測。
 したがって、今日はここまでで置いた。
 その他の作業は、火床の補修である。
 これについては、粘土1:コークス粉2:焼け砂1
の割合でこさえた即席三和土もどきでもって補修。
以上。

黒染め

2008-08-17 18:09:18 | Weblog
鍛冶作業もろもろの作業をまとめてアップ。
鍛冶作業
2・5kgハンマーにようやく慣れてきたところであるが、
中心にまったく当たっていない事が判明。
つまりは,素材に半月形の槌跡がぼっこぼっこ(爆)
鍛接について
しでかしました。
がっくりこ……
鍛接剤の中に,大粒の汗がぼたぼたぼたっ
うっぎゃぁぁ~。もうわちゃになって凹む事かぎりなし。
鍛接作業そのものも、なんだか冷静さ失うておるようで
変に苛って苛立って、くっつかん。がつんと叩くと
重ねた素材がはねて外れた。
 水平も保てておらん。さらに苛立ってしまってる。
 
どうにかこうにか,積層材を1ミリ厚に叩き延べ、拡げて
タガネで切り、整形して例のブツをこさえてみた。
 積層模様は今ひとつボケてわからん。
 柿渋(天然塗料として売られておる物)を薄めて、
黒染めにしてみたのがこの画像。
 タンニンそのものを凝縮しとるようなものなので、
あっつうまに染まったが、初回の皮膜を傷つけてしまい
拭き取って,再度挑戦してみた。
 薄めるに,水に対してどれくらい原液を加えるかを
計算しなくてはならない。
 仕上がってみると真ん中が剥がれてしまった形にそまり
なかなかそこだけ反応してない。
 奇妙なものになってもうた。
 もう一つは、温度もあるかと思われ、今度はお茶で
やってみようかと画策。


オフセット鍛接について

2008-08-12 20:40:11 | Weblog
オフセット鍛接について。
図が荒ましいけど,こんな手順になる。
加熱範囲がカイサキをとった部分に限定されるのでものすごく難しい。
鍛接温度になって、正確に打たないとくっついてはくれず、剥がれ落ちる。
カイサキをとった端をそれぞれに焼いて、金敷きの上に足す部材を置いて強打してみたが
くっつかなんだ。
 くっついている部分もほんのちょっぴりなので、難しさはさらに上がる。
 鍛接剤を盛った直後にカイサキ部分を合わせ、ハシでぎゅううう~っと挟んでそのまんま炉に
投げ入れて加熱した(加熱中は、ハシを外したけど、離れる可能性もあって戦々恐々)
 鍛接温度まで持っていって、ハシでまたそこをぎゅぅぅぅ~と挟んで,金床の上に乗せて
2・5kgハンマーで一発強打。
 くっついた。
 そのまま,コバを打ったが剥がれることもなく、整形して継いだ部分をしならせて確認したが
しっかりくっついていることが確認できた。


 ポイントとして
1 カイサキの角度に注意すること。それぞれ同じ角度。
2 鍛接温度注意。局所加熱になるので充分に
3 あせらんこと。
4 どうも着かん場合、その恐れがある場合にはハシで保持して炉に入れること。
5 一撃必殺で強打するにあたって、正確に当てること。

 参考にならんけど参考までに



最大級の手槌にしてみた。

2008-08-12 17:36:08 | Weblog
秋田の鍛冶仲間より、頂いた向こう槌のハンマーヘッドに市販の石頭ハンマーの柄を
すげてみた。
 どうもありがとうございました。
 柄付きの重量は2・5kgとなり、今現在の手持ちハンマーのなかで最大級になりました。
 実際に使うてみたところ、両頭ハンマーである1・8kgハンマーのような衝撃はありませんでした。
 腕は経絡秘孔を突かれたがごとく膨れたのは確かですが、衝撃が少ないために比較的軽かったです。
 威力は抜群ですが、扱いになれるまで少し時間がかかります(打ち損ね、打ち外しが多い)