山奥の鍛治工房

趣味でやっている鍛冶作業の記録

平炉と鍛冶炉

2008-07-13 15:29:14 | Weblog
久方ぶりの更新。
しかも,この半年間やった鍛冶作業より,平炉と通常の鍛冶炉との比較。
模式図を用意してみたが,相変わらずヘタレである.その辺りはご容赦。
どちらも,構造的に変わりなく、上げ火床の部類。
 ただ違うのは、耐火レンガの上縁から、火格子(ロストル)の上縁までの
距離(深さ)が異なる,と言う点だけである。
模式図では浅く深みをつけてあるが、実際には耐火レンガの上縁と高さが
一緒というものがある模様。

 使い勝手は、というと
 平炉の場合は,大型のもの。あるいは鍛接を伴わない物を加熱するには充分である。
 邪魔となるものがないのでコークスのかき寄せは楽である。
 鍛接も一応はできないこともないが、熱の逃れを防ぐにあたって大量のコークスを
周囲に盛り上げる必要がある。
 積層材を製作するうえでは、かなり不利になる。

 鍛冶炉の場合は、熱効率の上では平炉よりも上であるが,かき寄せ,掻き揚げが
一方向にしかできない。
 鍛接をする上ではすこぶる効率がよい。
 積層材を作る上では,このタイプにするべき。
 
 これらを兼ね備える場合には、形状もスリバチ型または舟底型にするのが最適であろう
と考えるが、いまだに手つかず。
 また、送風機の性能次第では,平炉でも通常の鍛冶炉に匹敵するものになろう。
 とりあえずは、風の吹き上げ高さがどれくらいになるのか。
 また気室の大きさも関係してくるし、置いた火格子の間隔も狭ければ,圧力が高まり
吹き上げもよくはなるが、必ず形成されるスラグにより塞がれる確率が高くなる。
 このあたりの問題もある。