「おとなびパス」で山口県長門市の旅

元乃隅稲成神社 今、最も注目されている神社

JR西日本の「おとなび」という会員になっている。発足2年で80万人が会員になったらしいが、
旅行愛好者はならなくては損である。トクトク切符の中でも「おとなび」だけの割引制度があ
り、その値段を見ると、正規で交通費を払うのが馬鹿らしくなってくる。JR西日本内だから、
西は福岡県博多から東は滋賀県米原、北陸は新潟県上越妙高までが範囲だが、例えば大阪から
博多へ行く場合、往復で8000円も安くなるのだ。

今度、山口県周南市へ墓参りを兼ねて里帰りをしようと計画しているが、使用する切符は「お
となびパス」という周遊券で、JR西日本の範囲なら、3日間どこからどこまで行っても18000
円で済む。ただ単に、大阪から新幹線で山口県徳山を往復するだけなら、4～5千円のお得だ
けだが、今回は山口県でも行ったことのない長門方面を旅する計画である。


初日の宿は、一ノ俣温泉。温泉ファンなら一度はヌルヌルの美人湯に浸かってみたい。そして
2日目はこの前、ロシアのプーチン大統領が宿泊した長門湯本温泉(さすがに高級宿の大谷山
荘は無理だが)の宿を予約している。


山口県は周防の国と長門の国で、明治維新で活躍した志士はほとんど長門の方の出である。
総理大臣は都道府県最多の8人を数えているが、そのうち6名は長門の方の出身者である(周防は
岸、佐藤)。その志士たちの出身者が多く暮らした萩市は小学校の時に遠足で行ったことが
あるが、長門市近辺はは山口県出身なのに訪れる機会はなかった。

観光名所としては青梅島、角島大橋、元乃隅稲成神社があり、いずれも興味津々。あと、
金子みすずの記念館などもあり、いい旅になりそうな予感がする。ただ心配なのは最近の
降雪量であるが、今のところ、交通的な不備はなさそうだ。


特に楽しみなのは2日目の食事で、宿は朝食のみの設定。長門市の居酒屋で日本海の幸と
地酒を堪能しようと思っている。

ビートルズの名曲、「イエスタディ」をアカペラでｰｰｰｱｹﾞｲﾝ

ビートルズで一番好きな曲は、少しマイナーだけど、「オー！ダーリン」
である。若いころは、激しいビートの曲を好み、その大音響に大人たちが
顔をしかめ、両手で耳を押さえながら通り過ぎていたのを思い出す(笑)

しかし、自分たちが実際にバンドを組み、最初に練習したのは、「イエス
タディ」だった。ボーカル担当の自分がこの曲を歌いたかっただけの話で、
ギターや、ドラムスの演奏組は、「なんの練習にもならん！」と、拗ねて
いたが、「パーティーを開けば、こんな静かな曲も必要だろ？」と、納得
させたのを覚えている。

今でも「イエスタディ」は、カラオケで歌うことがある。歌っている途中で、
高校時代に青春を共にしたあのメンバーはどうしているのだろう…と、セ
ンチメンタルになったりする。自分が発作的に大阪に出てきて、その後何
十年も連絡しなかったのだ。

正月に帰郷(山口県周南市)し、大阪に帰る新幹線で、右斜め前の席に、サ
イドギター担当の男らしき人物が乗っていた。

その男は、リーダー格だったドラムスの友人で、他の高校だったから、あ
まり話をしなかった。しかも隣の女性と話が盛り上がっていた。どうしよ
う？どうしよう？と、逡巡しているうちに、そのカップルは広島で降りて
しまった。降りたとたんに悔んだ。俺はいったい何を弱気になっていたん
だ！と。あのメンバーたちと会いたくて仕方がなかったのに…。

この前、何かの雑誌で、…ポール・マッカトニーが1980年に来日した時、
空港で大麻所持を見つけられ、留置場に入れられた。その時に、留置場の
誰かが「イェスタディ」をリクエストしたら、陽気に「オッケー」と言い、
何かでリズムを取りながら歌ってくれた…という話を目にした。

その歌声は留置場の隅々まで響き渡り、皆はシーンとなってその声に聴き
惚れた。その清純な響きに感動したある男は出所して極道をやめ、当時の
様子を書いて本にし、今でもその語り部になっているらしい。

当時のポールは、ビートルズ解散から9年。新しいグループを作ったものの、
ビートル時代の歌は滅多に歌わなかったらしい。それが、比較的音声が通る
留置場の中で、アカペラの「イエスタディ」を披露したのだから、聞いた人
は超、超ラッキーと言えるだろう。

この歌は名曲として、これからも歌い継がれていくに違いない。