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大阪のてっちり(ふぐ)は、安くておいしい!

2016-02-24 23:03:04 | グルメ


最近、静岡の浜松市から月に一度、大阪に出張に来るN嬢。静岡と言えばほぼ関東圏、
最初はナニワ文化に戸惑っていたが、慣れるに従って大阪の魅力に痺れてきたようで
ある。

最初はうどんの出汁。大阪の出汁は薄い…と思っていたらしい。静岡は東京とほぼ同じ
で、醤油黒い。「大阪って、こんなところでも節約してるのね?」と言っていたが、
ずずずって出汁を飲んで、「う、うまい!」と叫んだ。「色はこんなに薄いのに、味に
深みがある」と…。

「ふん、大阪の出汁は、上等の昆布と、上等の鰹節を使ってるんや。自然の旨みがつまっ
ているんやで~」と、俺が言うと、「ほ、本当ですね。これはうまい。癖になる旨さです」
と言って、毎日ランチはきつねうどんや、こぶうどんを食べていた。


夜は食べログなどで評判の店を調べ、たこ焼きや、お好み焼きを食べ歩いていたらしい。
「おでんもおいし~い。うどんと同じで、心地よい出汁が、病みつきになります」と、目
を輝かせていた。

そのN嬢が、「大阪の街を歩いていると、やたらと、「てっちり」の店が目立っていますね」
と言う。「そうや、大阪は全国の70%くらいフグを消費してるんや」、「え~、大阪の皆さん
はそんなお金持ちなんですか?」と、言うから、「あほ、大阪のモットーは安くてうまい、こ
れが最大の売りや。でも、本当にうまいもんなら、金は惜しまんよ!」と、俺は得意げに一席
ぶった。

「N嬢さんはてっちりが好きなんか?」と、聞くと、「それは好きですけど、静岡では高級品だし、
あまり食べたことがないんです」と、苦笑い。「実は俺もフグの本場と言われている山口県の出
身やけど、山口に住んでいたころは一度もフグを食べたことがなかったんや」と、頭を掻いた。


「でも、大阪に住むと、年に何回かは食べる機会ができる。宴会とか、飲み会とかで」と言うと、
「じゃあ、Мさん、おいしいお店を知っていますよね」と言うから、「うん、もちろん知ってるよ。
じゃあ、次の出張の時に食べに行こう。安くてうまいふぐ屋さんがあるんや」と、約束した。その
店は、要予約の店だったから…。

そして訪れた生野区にある「あじ平」というふぐ専門店。食べログにも登録されている人気店だが、
コースはなくて、単品を頼む。たとえば、フグちり2500円、てっさ(ふぐ刺身)1000円、湯引き(フ
グ皮)500円、白子1500円と言う具合にである。

友人二人を紹介しても彼女は上の空だった。いつもぺちゃくちゃ喋るのに、その夜は無口で、無表情だ
った。「何?ふぐを食べるから緊張してるんか?」と言っても反応がなかった。やがて料理が来ると、
彼女は黙々とてっさ(刺身)を食べ、鍋をつつき、その合間にウーロン茶を飲んだ。その顔を見れば、
言葉は要らなかった。終始、にこにこしていたのだ。人間、旨いもんを食べると、自然に顔がほこ
ろぶ。

最後に絶品の「雑炊」を食べた。この店の雑炊は今まで食べたことがないほど美味しいのだ。「うわ~お、
美味しい!」と、N嬢は至福の表情を見せた。そして完食!両手を合わせて、「ごちそうさまでした」と、
言い、ニコッと微笑んだ。

「食べ過ぎて、私がフグになっちゃいました」と、N嬢は初めてジョークを言い、友人たちも笑った。
俺は、「うん、君も完全に関西の乗りになってきたな」と、Vサインを送った。人生、何が楽しいかと
言うと、やっぱり旨いものを食べている時だなと改めて思った。


ふぐ料理専門店 「あじ平」06-6754-4669、地下鉄千日前線、「北巽」から徒歩5分、本当に安くてうまいお店です。お薦め。


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