満天の星空が見たい!

温泉旅がメインの生活。酒とグルメとミステリ小説、ごくたまに失恋の話。

日本の主要都市で愛を叫ぶ!

2016-06-24 23:15:46 | 人間


仕事の関係で親友になった東京・府中市のМと、三重県松阪市のМ、そして俺は大阪市のМ、スリーMの会である。毎年一度、その中間地点と言うべき、松阪市で飲み会をする。

一応、会費はあるが、松阪のМは豪気で(小さいながらも会社の社長)、「せっかく交通費を使って松阪まで来てくれるのだから」と、毎回高級料亭や、高級寿司屋、松阪牛の老舗などに招待してくれる。これが困るのだ。接待してくれるのは嬉しいが、気を遣いながら飲みたくない。3人は「親友」ではないか!

それで、今回は彼の家で飲み会をすることを希望した。これに、奥さんは大賛成である。「意図を察してくれているな…」と俺は思った。ただし、刺身の舟盛りに、松阪牛のステーキと、出てきた料理は半端なく高級だった。しかし、町の料理屋で払う予算の四分の一くらいである。三人は大酒のみで、料理屋での払いのほとんどは酒代である。そう、外飲みは酒の値段が高い。高級店では、生ビールが千円ぐらいするし、日本酒は1500円という銘柄も多い。これをぐいぐい飲むのだから、実にもったいない。

初の家飲み。これが大正解だった。気兼ねなく飲んで食べて、話も盛り上がった。これからはずっとこのシステムにしよう!と、来年の飲み会も彼の家ですることになった。

松阪のМは亭主関白である。飲んでいる最中に、「嫁と結婚したのは、彼女の両親が農家で田畑を所有していたから。その土地のあたりを高速道路が走ると聞いて、将来、財産が入ると思ったからだ」と、ひどいことを言う。奥さんを見ると、にこにこ笑っている。これは、今まで何度も言われたことがあるのだろう…と察した。

彼はさらに調子に乗り、「俺は浮気も公認なんだ…」と、得意げに言った。これは彼の悪い癖である。奥さんをこよなく愛しているのに、わざとそういうことを言う。「奥さん、大丈夫ですよ。彼は、奥さんが大好きですから…」と言うと、奥さんは相変わらずにこにこしていた。

そこで、俺は彼の行動を暴露した。これは仲間内では有名な話で、彼の「癖…へき」といべき行動である。我々の仕事は色々な都市(現場)を訪れ、そこで一週間、一緒に仕事をする。東京、名古屋、大阪、岡山、広島、北九州、福岡と、日本の主要都市すべてを回った。それを年に6度、10年間だから、6×7(一週間)×10年で、三人は、なんと420日間も一緒に過ごしたのである。そりゃ、親友にもなるわ…。

仕事が終わると、毎晩この三人がその都市の盛り場に行き、酒を飲む。当時は、バブル時代で、出張費も豊富にあった。毎晩、2,3軒はしごをして、それでも元気に明日の仕事をこなしていた。三人は本当に酒が強かった。

何が彼の「癖」だったのか?その夜の最後の店を出た時に、彼は儀式のように「癖」を見せた。歩道でも、橋の上でも、公園のなかでも、大きく手を広げて、「きょ~うこ、愛しているぜ~」と、叫ぶのである。これを3,4度する。近くにいる人々はびっくりして彼の顔を見るが、彼は意に介していない。「さあ、ホテルに帰ろうか」と、いたって冷静に言うのだ。きょうこは、もちろん、奥さんの名前である。

これを彼女に言うと、別に驚きもしなかった。「それは松阪でもやっているらしく、地元の人に何べんも聞いています」と、苦笑していた。なんだ、そうだったのか、話すのではなかった。夫婦愛は、犬も食わない。

でも、いいなあ、今の俺は独り身、この話はけっこう、堪えたわ。やつぱり伴侶は必要なのかも知れない。でも、楽しい飲み会、来年もしたいから、頑張って働こう!


最新の画像もっと見る

コメントを投稿