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阿賀野川沿いの温泉宿、新潟県咲花温泉、「碧水荘」。大河のように落ち着ける宿だった
鹿児島空港に無事到着。そして、近くのレンタカー店に行く。男3人旅行なので、軽自動車を選択。そして運転手が運転席に座った。その姿を見てびっくりした。まるで遊園地のゴーカートに乗るスタイル、つまり座席深く座り、足を伸ばす感じで、スピード勝負のF1のようだった。そしてその男はアクセルを踏んだが、いきなりのノッキング。ウイーン、ウイーン、ゴト、ゴト…音にすればこんな感じか。
「すみません、久しぶりに車に乗ったので…」と苦笑した男に聞いた。いつ以来の運転?、「家では近くのレンタルビデオ屋に行く程度で、それでも3か月ぶりかな」、遠出はしたことがあるの?、「いや、今回が初めてです」、フ~ン、トオデハハジメテ?
男3人の旅だったが、今の時代では珍しい、運転免許を持っているのは彼だけだった。普通、運転免許を持っている=運転が達者と考える。しかし、彼は明らかに経験不足だった。「高速で一気に指宿まで行く予定だったけど、とりあえずローカルで運転に慣れようか」と、言ったのは正解だった。鹿児島空港からややそれて、あまり車が通らない道を走った。車線は5メートルぐらいあったが、なんと左のガードレールをこすったのである。
「(゚д゚)!」…。おいおい、大丈夫か、まったく車が通っていないのに、ガードレールに接触するか普通…。
それからが地獄だった。とにかく、指宿方面に向かおうということで、一般道を走ったが、彼のスピードは30キロぐらいで、たちまち後続がつかえる。後ろの車からはクラクションの連続である。その度にレストランや休憩所などの敷地に入り、車の流れが途切れた時に車線に入る走り。なんとか鹿児島市内まで行き、「もうあかん、駅近くにレンタカー屋さんの支店があるみたいだから車を返そう。それから電車で指宿まで行こう」と提案したが、その運転手は、「いや、なんとかなりそうです。勘が戻ってきました」と、宣った。彼は、自信家の傾向がある人物だった。
しかし、彼の走りは変わらなかった。相変わらずのF1スタイルだったが、スピードは30キロを超えない。指宿までのローカル線は海よりの一車線の国道、たちまち後続がつかえ、クラクションが鳴る。その時に助言した。「30キロやからうまく操作できんのと違うか。いっそ50キロにスピードを上げてみろ」と。「そうします」と、彼はアクセルを踏んだ。するとどうだ、スムーズにハンドルが切れているではないか。今までは思い切りが足らず、何もかもが中途半端だったのだ。
それからはあっという間に指宿に着いた。「宿へ行こうか」と言うと、「Mさん、今日は開聞岳を見る予定だったのでは?」と言うから、「明日にしよう、君も疲れただろう」と言うと、「いや、完全に運転のペースを掴みました。任せてください」と自信家の彼が言うので了承したが、これが最大の過ちだった。
「まずはたばこを喫わせてください」と彼は煙草をくわえ、ライターで火をつけたが、気流の関係で顔を左に曲げたのがいけなかった。そのままハンドルを左に切り、車は歩道へ乗り上げた。そしてスピード標識に激突!「ど~ん」という音が鳴り響き、標識はぐにゃりと曲がり、車のバンパーはあられもない形になった。ぶら~んとぶら下がっている。
「なんだ、なんだ」と、近くの住民が出てきて珍しそうに我々を眺めた。その中のひとりが、「心配しなくてもいいよ。ちゃんと警察に電話したから」と、にやにや笑っている。やがて警察が来て事情聴取、そして鹿児島市からレンタカーの人も呼んだ。
「保険に入ってて正解でしたね。標識、車の破損で5万円で済みます」、「はあ」、「明日の朝、別の車を持ってきますので、また楽しい旅を続けてください」、「いや、車はもういいです」、「えっ?旅行中の事故はよくあることですし、また明日から気持ちを切り替えて」、「いや、車は絶対要りません。迷惑です」、「…?」
この夜、酒飲み三人が飲んだアルコールはビール2本で、それも2本目はほとんど残っていた。7時に食事をして、就寝したのは9時過ぎと異例の早さだった。3人とも疲労困憊、目を開けているのがつらかった(笑)次の日は霧島温泉泊だったが、電車とバスで移動、「ああ、なんて楽なんだ。景色もゆっくり見えるし、のんびり過ごせるなあ」と、3人はやっと旅を満喫していた。
鹿児島空港に無事到着。そして、近くのレンタカー店に行く。男3人旅行なので、軽自動車を選択。そして運転手が運転席に座った。その姿を見てびっくりした。まるで遊園地のゴーカートに乗るスタイル、つまり座席深く座り、足を伸ばす感じで、スピード勝負のF1のようだった。そしてその男はアクセルを踏んだが、いきなりのノッキング。ウイーン、ウイーン、ゴト、ゴト…音にすればこんな感じか。
「すみません、久しぶりに車に乗ったので…」と苦笑した男に聞いた。いつ以来の運転?、「家では近くのレンタルビデオ屋に行く程度で、それでも3か月ぶりかな」、遠出はしたことがあるの?、「いや、今回が初めてです」、フ~ン、トオデハハジメテ?
男3人の旅だったが、今の時代では珍しい、運転免許を持っているのは彼だけだった。普通、運転免許を持っている=運転が達者と考える。しかし、彼は明らかに経験不足だった。「高速で一気に指宿まで行く予定だったけど、とりあえずローカルで運転に慣れようか」と、言ったのは正解だった。鹿児島空港からややそれて、あまり車が通らない道を走った。車線は5メートルぐらいあったが、なんと左のガードレールをこすったのである。
「(゚д゚)!」…。おいおい、大丈夫か、まったく車が通っていないのに、ガードレールに接触するか普通…。
それからが地獄だった。とにかく、指宿方面に向かおうということで、一般道を走ったが、彼のスピードは30キロぐらいで、たちまち後続がつかえる。後ろの車からはクラクションの連続である。その度にレストランや休憩所などの敷地に入り、車の流れが途切れた時に車線に入る走り。なんとか鹿児島市内まで行き、「もうあかん、駅近くにレンタカー屋さんの支店があるみたいだから車を返そう。それから電車で指宿まで行こう」と提案したが、その運転手は、「いや、なんとかなりそうです。勘が戻ってきました」と、宣った。彼は、自信家の傾向がある人物だった。
しかし、彼の走りは変わらなかった。相変わらずのF1スタイルだったが、スピードは30キロを超えない。指宿までのローカル線は海よりの一車線の国道、たちまち後続がつかえ、クラクションが鳴る。その時に助言した。「30キロやからうまく操作できんのと違うか。いっそ50キロにスピードを上げてみろ」と。「そうします」と、彼はアクセルを踏んだ。するとどうだ、スムーズにハンドルが切れているではないか。今までは思い切りが足らず、何もかもが中途半端だったのだ。
それからはあっという間に指宿に着いた。「宿へ行こうか」と言うと、「Mさん、今日は開聞岳を見る予定だったのでは?」と言うから、「明日にしよう、君も疲れただろう」と言うと、「いや、完全に運転のペースを掴みました。任せてください」と自信家の彼が言うので了承したが、これが最大の過ちだった。
「まずはたばこを喫わせてください」と彼は煙草をくわえ、ライターで火をつけたが、気流の関係で顔を左に曲げたのがいけなかった。そのままハンドルを左に切り、車は歩道へ乗り上げた。そしてスピード標識に激突!「ど~ん」という音が鳴り響き、標識はぐにゃりと曲がり、車のバンパーはあられもない形になった。ぶら~んとぶら下がっている。
「なんだ、なんだ」と、近くの住民が出てきて珍しそうに我々を眺めた。その中のひとりが、「心配しなくてもいいよ。ちゃんと警察に電話したから」と、にやにや笑っている。やがて警察が来て事情聴取、そして鹿児島市からレンタカーの人も呼んだ。
「保険に入ってて正解でしたね。標識、車の破損で5万円で済みます」、「はあ」、「明日の朝、別の車を持ってきますので、また楽しい旅を続けてください」、「いや、車はもういいです」、「えっ?旅行中の事故はよくあることですし、また明日から気持ちを切り替えて」、「いや、車は絶対要りません。迷惑です」、「…?」
この夜、酒飲み三人が飲んだアルコールはビール2本で、それも2本目はほとんど残っていた。7時に食事をして、就寝したのは9時過ぎと異例の早さだった。3人とも疲労困憊、目を開けているのがつらかった(笑)次の日は霧島温泉泊だったが、電車とバスで移動、「ああ、なんて楽なんだ。景色もゆっくり見えるし、のんびり過ごせるなあ」と、3人はやっと旅を満喫していた。
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