日本のゴールデンウイークに、ロンドンに次ぐ英国第二の都市バーミンガムを訪れたので、何かイベントは無いかなと前日に探していたら偶然に見つけたコンサートである。早速にウェブチケットを押さえて馳せ参じた。何とこの4月から首席指揮者兼芸術顧問となった山田和樹の指揮、そしてソロはベルリン・フィルのコンマス樫本大進である。まさに奇遇な出会いと言って良いだろう。街の中心、立派な公共図書館に隣接するシンフォニー・ホールという会場で開催された水曜日のマチネーである。曲目はブラームスのバイオリン協奏曲とリムスキー=コルサコフの交響組曲「シェーラザード」という面白い組み合わせだ。(ブラームスは6月末の来日公演にも持って来ることになっているようだ)樫本のソロは滑らかで恰幅の良い音楽で、ことさら重厚を狙うわけでもなく、中庸に構えた自然体。オケもそれに上手く合わせた。演奏が終わって讃え合う二人の光景が眩しく写った。2楽章のオーボエが余りに美しかったのでメンバー表を見たらYurie Aramakiとあった。続くシェーラザードの山田の指揮も中庸を極めたもの。ことさらに華やかさを狙うわけでもなく、甘く歌うわけでもなく比較的あっさりとした音楽だった。なので正直言って私にはちょっと物足りなさが残った。とは言え大向こうからは大きな声援が飛んでいたので、この地での人気は上々なのだろうと嬉しく思った次第である。アンコールはなくサッパリと解散。この時期英国ではマスク姿はほぼ見かけない。ラウンジのカウンターも開いていて休憩時はそれぞれ手にグラスをもっての歓談風景だ。私もひっかけたIPAが喉に染みた。
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