***6日目***
~生きるか死ぬか~
※いつも私の表現は大袈裟ですが、
この旅は本当にいちいちスケールがでかいです。
お金やパスポート、命さえも奪われる危険に
常に怯えているといっても過言ではありません。
6:15 モーニングコールで起こされる。
なぜか二人とも目覚ましを設定した後に電源を切るという
謎の行動をとってしまったらしい。
朝焼けなんて全然ダメだったわ~と思いながら
部屋(2階)のカーテンを開ける。
・・・窓の外にsakiが。
あれ?朝焼け見に行ったにしては時間遅くない?
(朝焼けは5時)
と思って窓を開けて「おはよ~」と言うと
saki「閉め出されたー!!」
えぇーーーっっっ!!!!!!!!
※ここのホテルは、夜間は自動ドアが閉まっているので
外から開けるためには部屋の鍵が必要なのです。
saki「開くことは開いたし、朝だから鍵いらないと思った~」
私「うちらの鍵投げるから、それで入っておいで!!!!」と
2階の部屋から外のsakiめがけて鍵を投げる。
(私かっこいいっ!!!!)
朝5時頃にホテルを出たsakiは、肌寒い中
一時間以上一人でフランスの田舎を彷徨っていたのでした。
7:00 朝食バイキング。
ここもクロワッサンとデニッシュがおいしかった♪
食後は部屋に戻らずまっすぐバスへ。
モンサンミッシェルを後にして、田舎道を走りベルサイユに向かう。
爆睡。
10時過ぎ、サービスエリアでトイレ休憩。
爆睡。
12時過ぎ、ベルサイユのレストランで昼食。
前菜はソーセージ的な何か。
izu「ネコか何かになった気分」(ペットフードっぽい)
私「牛舎の匂いがする」
息を止めて飲み込んだ。
メインは名物のブフ・ブルギニョン(牛肉の赤ワイン煮)
ほどけるような柔らかさ。うまいっ。
デザートのエクレアもとてもおいしかった。
食後は雨が降る中、ベルサイユ宮殿の見学へ☆
ガイドさん(手塚さん)は、とにかく
「スリに気を付けてください」と口を酸っぱくして言っていた。
「ほら!こういう子どもには特に気をつけて」とか言うので
ビビりな私はカバンから左手を離すことができなかった(笑)
(証拠として宮殿内の写真はほぼすべてブレています)
宮殿内は、絵画(宗教画)、肖像画、彫刻、天井画が
と に か く 素晴らしかった!!!!
ここで1日でいいから暮らしてみたいと思った。
一番可愛かったのはマリーアントワネットの寝室!!
お花柄の壁紙、金の飾りに家具などなど・・・。
アントワネットは青リンゴ色が好きだったそうです。
ルイ14世~ルイ16世辺りの歴史を
もう一度勉強してみたいと思った。
宮殿内を一通り見学した後、1時間程度の自由時間で
お土産を買ったり(マカロンで有名なラデュレもありました)、
写真を撮ったり、迷ったり。
(本気で宮殿から出られないかと思った)
15:00 バスに乗る頃には強い雨。
16時頃、ホテル到着。
今までのホテルで一番キレイだった!!!!
・・・が、しかし。
「いいですか~!ホテルから出て左側は大丈夫ですが、
間違っても右側には行かないでくださ~い!!」
「もう一度言います!!たとえ興味本位だったとしても
絶対にホテルの右側には行かないでください!!!!」
という添乗員さんの怖ろしい忠告。
「乞食とかもいますのでねっ。」
あ、本当にいる。誰か道端で寝てる。
日本のホームレスとはワケが違う。
ホテルに着いてからは最後の自由行動ということで、
みんないろいろ計画立てて張り切っている矢先の、コレ。
何やらとても治安の悪い場所らしい。
やだこわい。部屋にこもりたい。
そしてホテルでチェックインを済ませ、一言。
「こういう公共の場(ホテルのロビー)では、絶対お財布を
出さないでください!!人前でカバンを開けないで!!」
「街中でもダメですよ~!お財布は
トイレとかでこっそり開けてくださいね~」
て・・・添乗員さん・・・。(涙目)
既に心がボキボキに折れている私ですが、
パリ最後の自由行動!!
行けないと思っていた場所にせっかく行けるチャンスが
訪れたのだから、勇気を振り絞るしかない。
命の次に大事なパスポートを首から下げて、
さらにズボンのウエストに挟む。
上着を2重にして前を閉じる。
お財布はハンカチで包み、カバンの一番底に入れて、
ポケットには必要最低限の小銭。(見せ金)
用心に用心を重ねて、添乗員さんにくっついて
スリの聖地☆メトロ(地下鉄)に乗ることに。
ひぃぃぃぃ~~~っ!!!!
満員電車だ~~~っ!!!!
めっさ怖い!!めっさ怖い!!
外国人めっさ見てる!!!!
これ全員がスリだと思わないといかん!!!!
左手が真っ白になるくらい力を入れて
カバンのチャック部分をつかみ、
ショルダーはカッターで切られると聞いたので
右手で強くカバンを覆う。
両手がふさがってるのでメトロの揺れに
耐えきれずガンガン周りの人にぶつかる。(迷惑)
ホテルのある「ポルト ド パンタン駅」から6駅目の
東駅で乗り換えて、そこから更に7駅目が目的地。
長い。緊張が続くと具合が悪くなる。
でも緊張していないとダメだ。
途中で、キリスト教かわからないけど
頭にお皿みたいのを乗っけた人を見つけて
izuが「ザビエルみたい」と言い、
危うく大爆笑しかけたのだが、我慢した。
「帰りは絶対タクシーにしよう」と
メトロに乗った日本人全員が思うのだった。
そしてっ!!
文字通り必死な思いをして着いたのがこちらっっ!!!!
☆☆☆ルーブル美術館☆☆☆
っはーーー!!!!
苦労のあとのルーブルは素晴らしいっ(意味不明)!!
来れないと思ってたから余計に嬉しい。
偶然同じツアーの人が12人いて(私たち合わせて)、
みんな同じように不安だったので、
美術館見終わったら一緒に食事して帰ろうということに。
新婚さん2組、熟年夫婦1組(天然奥様と、板東英二似ご主人)、
母娘1組、そして北海道から来たお馴染み4人組。
みんなすごくいい人だったんだ!!これが!!!!
まずは憧れのルーブル美術館に入館。
この日は水曜日だったため、夜間も営業。
聞いていた通りものすごく広いので、
見たいものに的を絞って、集中的に回ること計画だ。
ただ、どの彫刻も絵画もあまりに素晴らしくて、
ついつい足を止めて見てしまう。
そして「はっ!!いけない!!」と我に返り、
またスタスタスタスタ・・・と競歩気味に。
(聖ピエトロ大聖堂の競歩ほどではない)
ミロのヴィーナス。
モナリザの微笑み。
民衆を導く自由の女神。
ナポレオンの戴冠式。
ニケ像。
ルーベンスの絵。(見たことなかった)
ハムラビ法典。
すべて本物だ。
本物を生きてるうちにこの目で見れるとは。
なんだか涙が出てきそうだった。
ついでに足が疲れすぎて、
足の甲が真っ赤になっていた。(うっ血?)
さらに言うと昨日の虫さされがすごく痒かった。
痒みには波があるのだが、
izuと痒くなるタイミングが同じなのが不思議だった。
21:00 美術館の入り口で待ち合わせ。
12人集まったところで、美術館の施設内にあるレストランへ。
日本語なんて一切ないので、英語を適当に翻訳して注文。
「ランブ・・・?ラムじゃない???」くらいの適当。
(これ奇跡的に合ってた)
あとはメニューの写真を指差し。
メインはローストチキン with ライス。
この旅で一番マシなご飯だった。おいしかった。
デザートはスイーツ盛り合わせっぽいやつ。
甘かった。そして出てくるの遅ぇ。
23時、さぁタクシーで帰りましょう!!と、
12人でぞろぞろ・・・とタクシー乗り場に向かう。
ル・・・ルーブルにも乞食がいる・・・(恐怖再び)
タクシー乗り場に着くと、そこには一台のタクシー。
でも運転手はいない。
「働け~っ!!」
「この稼ぎ時にっ!!」
まぁいろいろ言ったところで運転手は戻ってこないので
仕方なく諦める。
“流し”を捕まえようにも、基本的に流しはあんまりいない。
たまに走っているタクシーを見つけても、
お客が乗っていたり、スピードが速くて捕まらない。
こんな中で12人が順番にタクシーに乗ったところで
最後の組が乗るまで何時間かかるかわからない。
23時過ぎの暗いルーブルで残される組はとても危険。
どうしよう・・・。
一人が重い口を開いて言った。
「・・・メトロで帰るか?」
ガ━━(゜Д゜;)━━ン!!!!
あの、17時過ぎでさえあんなに怖ろしかったメトロに
23時過ぎに乗り込む・・・???
熟年夫婦の天然奥様が、
「それしかないと思う!!」
「タクシー待ってても何時間かかるかわからないし、
ここで待ってる方が危ないと思う!!」
と力説するものですから、、、
夢にも思っていなかった、
一番危険な時間帯のメトロ(゜Д゜;)!!!!
もうホント泣きたい。
おうち帰りたい。
ある夫婦の旦那さんがとってもいい人で、
「特に女性4人組は絶対離れたらダメだよ!!」
「「「「はいっ!!!!」」」」
(離れてたまるもんですかッッ!!!!)
そして、全員予想だにしていなかった、
まさかの『夜のメトロ』に乗ることに。
おそるおそる階段を下り・・・
全員が切符を手に入れたのを確認してから
一緒に改札を通る・・・。
ホームにはたくさんの外国人。
特に黒人が多い。しかもみんなチンピラっぽい。
「後ろから回り込まれないように、壁際に!!」と、
みんなでぞろぞろ・・・と壁際に集まる。
目つきの悪い日系の人が、ずっと見てる。
「あの人めっちゃ見てる!!」
「気をつけて!!!!」
「うわー。まだ見てる。」
「近寄ってきたぁ~」
「目を合わせないように!!!!」
日本語が通じないのをいいことに、
みんなで声を掛け合う。
少ししてメトロが来て、
(予告なしにドアがバンと閉まるので)
はぐれないよう急いで飛び乗る。
そこまで満員ではないけど、割と込んでいる。
身なりが綺麗でも汚くても、
若くても年老いていても、
もう見た目で判断はできない。
日本人で壁際にかたまり、女性が奥、
男性が手前側の位置に落ち着く。
少しほっとして、食事の感想などを
話すことができた。
そうしている間に7駅目の乗り換えの東駅。
同じくはぐれないよう急いで降りる。
乗り換えのホームで待つ間も、
「まだ気を抜いちゃいけない!」と
いつもの数倍も言葉少ない私たち。
っていうかほとんど喋ってない。
威嚇するために、ルーブルの駅から
私は怒った顔を続けている。
(意味あるのか)
数分で乗り換えのメトロが来て、
再びドドド・・・と乗り込む。
今回は壁際は空いていなかったので
車両の真ん中に、ぎゅっとかたまる。
カバンは抱きかかえたまま。
私の目の前には板東さん(熟年夫婦のご主人)。
「ゲフッ・・・」
ゲップをしやがった。
ビール臭ぇ。
でもここで緊張を解いてはいけない。
仕方ないがゲップはスルーだ。
私は怒った顔を続けた。
(だからそれ意味あるのか)
ホテルがあるのは6駅目。
長い。
黒人が遠くで「ジャポン・・・」と話していたり、
わざわざ近寄ってきて座る人もいる。
「後ろのおじさん見てるから気をつけて!」
「カバンはドア側に向けないで!」
と注意しあう。
「お願いだから無事に帰して・・・!!」と
バーを握る手にも力が入る。
やっと、ポルト ド パンタン駅。
「ここだッ!!」
手動のドアを開け、なだれ込むようにメトロを降りる。
まだまだ気は抜けない。
出口に戸惑い、右往左往する。
12人の日本人が右往左往・・・・・・
外国人から見ればこちらの方がよっぽど怪しい。
出口にも、待ち伏せするかのように
両脇にたむろする黒人たち。
「気付かないでホテルの右側に出たらどうしよう・・・」
ホテルはライトアップされていないし
意外と地味な外観だったので、危なかった。
途中、何人もの黒人グループとすれ違った。
「あ、ホテルだ!!!!」と少し嬉しくなりかけたが
ホテルの玄関には浮浪者のような人がいて何やら語りかけてくる。
12人、華麗に無視。
そして無事にホテルに入ることができました!!!!!!!!
「はぁ~~!!!!お疲れ様でした~!!!!」
「みんながいて良かったね~」
「この人数じゃなければ囲まれてたかもしれないからね」
「でもまだ気を抜いちゃダメだからね!
部屋に入るまでは!!!!」
そんなわけで、旅行の最後に12人の心が一つになったのでした。
誰もスリにも遭わず、命も無事で本当に良かった。
みんな本当にいい人だった。
一生忘れられない出来事になったと思う。
何事もなく部屋に戻り、緊張から解かれ
安心した私とizuは、メトロの中での話や
(外国人のことや板東さんのゲップのこと)、
日本の治安の良さについて語り合うのでした。
次の日には飛行機に乗るので、
スーツケースの整理をして、シャワー浴びて、
(シャワーガードにやっと慣れてきました)
夜中3時を過ぎた頃、やっと静まるのでした・・・。
恐怖のせいか、あまり寝つきが良くなかった。
~生きるか死ぬか~
※いつも私の表現は大袈裟ですが、
この旅は本当にいちいちスケールがでかいです。
お金やパスポート、命さえも奪われる危険に
常に怯えているといっても過言ではありません。
6:15 モーニングコールで起こされる。
なぜか二人とも目覚ましを設定した後に電源を切るという
謎の行動をとってしまったらしい。
朝焼けなんて全然ダメだったわ~と思いながら
部屋(2階)のカーテンを開ける。
・・・窓の外にsakiが。
あれ?朝焼け見に行ったにしては時間遅くない?
(朝焼けは5時)
と思って窓を開けて「おはよ~」と言うと
saki「閉め出されたー!!」
えぇーーーっっっ!!!!!!!!
※ここのホテルは、夜間は自動ドアが閉まっているので
外から開けるためには部屋の鍵が必要なのです。
saki「開くことは開いたし、朝だから鍵いらないと思った~」
私「うちらの鍵投げるから、それで入っておいで!!!!」と
2階の部屋から外のsakiめがけて鍵を投げる。
(私かっこいいっ!!!!)
朝5時頃にホテルを出たsakiは、肌寒い中
一時間以上一人でフランスの田舎を彷徨っていたのでした。
7:00 朝食バイキング。
ここもクロワッサンとデニッシュがおいしかった♪
食後は部屋に戻らずまっすぐバスへ。
モンサンミッシェルを後にして、田舎道を走りベルサイユに向かう。
爆睡。
10時過ぎ、サービスエリアでトイレ休憩。
爆睡。
12時過ぎ、ベルサイユのレストランで昼食。
前菜はソーセージ的な何か。
izu「ネコか何かになった気分」(ペットフードっぽい)
私「牛舎の匂いがする」
息を止めて飲み込んだ。
メインは名物のブフ・ブルギニョン(牛肉の赤ワイン煮)
ほどけるような柔らかさ。うまいっ。
デザートのエクレアもとてもおいしかった。
食後は雨が降る中、ベルサイユ宮殿の見学へ☆
ガイドさん(手塚さん)は、とにかく
「スリに気を付けてください」と口を酸っぱくして言っていた。
「ほら!こういう子どもには特に気をつけて」とか言うので
ビビりな私はカバンから左手を離すことができなかった(笑)
(証拠として宮殿内の写真はほぼすべてブレています)
宮殿内は、絵画(宗教画)、肖像画、彫刻、天井画が
と に か く 素晴らしかった!!!!
ここで1日でいいから暮らしてみたいと思った。
一番可愛かったのはマリーアントワネットの寝室!!
お花柄の壁紙、金の飾りに家具などなど・・・。
アントワネットは青リンゴ色が好きだったそうです。
ルイ14世~ルイ16世辺りの歴史を
もう一度勉強してみたいと思った。
宮殿内を一通り見学した後、1時間程度の自由時間で
お土産を買ったり(マカロンで有名なラデュレもありました)、
写真を撮ったり、迷ったり。
(本気で宮殿から出られないかと思った)
15:00 バスに乗る頃には強い雨。
16時頃、ホテル到着。
今までのホテルで一番キレイだった!!!!
・・・が、しかし。
「いいですか~!ホテルから出て左側は大丈夫ですが、
間違っても右側には行かないでくださ~い!!」
「もう一度言います!!たとえ興味本位だったとしても
絶対にホテルの右側には行かないでください!!!!」
という添乗員さんの怖ろしい忠告。
「乞食とかもいますのでねっ。」
あ、本当にいる。誰か道端で寝てる。
日本のホームレスとはワケが違う。
ホテルに着いてからは最後の自由行動ということで、
みんないろいろ計画立てて張り切っている矢先の、コレ。
何やらとても治安の悪い場所らしい。
やだこわい。部屋にこもりたい。
そしてホテルでチェックインを済ませ、一言。
「こういう公共の場(ホテルのロビー)では、絶対お財布を
出さないでください!!人前でカバンを開けないで!!」
「街中でもダメですよ~!お財布は
トイレとかでこっそり開けてくださいね~」
て・・・添乗員さん・・・。(涙目)
既に心がボキボキに折れている私ですが、
パリ最後の自由行動!!
行けないと思っていた場所にせっかく行けるチャンスが
訪れたのだから、勇気を振り絞るしかない。
命の次に大事なパスポートを首から下げて、
さらにズボンのウエストに挟む。
上着を2重にして前を閉じる。
お財布はハンカチで包み、カバンの一番底に入れて、
ポケットには必要最低限の小銭。(見せ金)
用心に用心を重ねて、添乗員さんにくっついて
スリの聖地☆メトロ(地下鉄)に乗ることに。
ひぃぃぃぃ~~~っ!!!!
満員電車だ~~~っ!!!!
めっさ怖い!!めっさ怖い!!
外国人めっさ見てる!!!!
これ全員がスリだと思わないといかん!!!!
左手が真っ白になるくらい力を入れて
カバンのチャック部分をつかみ、
ショルダーはカッターで切られると聞いたので
右手で強くカバンを覆う。
両手がふさがってるのでメトロの揺れに
耐えきれずガンガン周りの人にぶつかる。(迷惑)
ホテルのある「ポルト ド パンタン駅」から6駅目の
東駅で乗り換えて、そこから更に7駅目が目的地。
長い。緊張が続くと具合が悪くなる。
でも緊張していないとダメだ。
途中で、キリスト教かわからないけど
頭にお皿みたいのを乗っけた人を見つけて
izuが「ザビエルみたい」と言い、
危うく大爆笑しかけたのだが、我慢した。
「帰りは絶対タクシーにしよう」と
メトロに乗った日本人全員が思うのだった。
そしてっ!!
文字通り必死な思いをして着いたのがこちらっっ!!!!
☆☆☆ルーブル美術館☆☆☆
っはーーー!!!!
苦労のあとのルーブルは素晴らしいっ(意味不明)!!
来れないと思ってたから余計に嬉しい。
偶然同じツアーの人が12人いて(私たち合わせて)、
みんな同じように不安だったので、
美術館見終わったら一緒に食事して帰ろうということに。
新婚さん2組、熟年夫婦1組(天然奥様と、板東英二似ご主人)、
母娘1組、そして北海道から来たお馴染み4人組。
みんなすごくいい人だったんだ!!これが!!!!
まずは憧れのルーブル美術館に入館。
この日は水曜日だったため、夜間も営業。
聞いていた通りものすごく広いので、
見たいものに的を絞って、集中的に回ること計画だ。
ただ、どの彫刻も絵画もあまりに素晴らしくて、
ついつい足を止めて見てしまう。
そして「はっ!!いけない!!」と我に返り、
またスタスタスタスタ・・・と競歩気味に。
(聖ピエトロ大聖堂の競歩ほどではない)
ミロのヴィーナス。
モナリザの微笑み。
民衆を導く自由の女神。
ナポレオンの戴冠式。
ニケ像。
ルーベンスの絵。(見たことなかった)
ハムラビ法典。
すべて本物だ。
本物を生きてるうちにこの目で見れるとは。
なんだか涙が出てきそうだった。
ついでに足が疲れすぎて、
足の甲が真っ赤になっていた。(うっ血?)
さらに言うと昨日の虫さされがすごく痒かった。
痒みには波があるのだが、
izuと痒くなるタイミングが同じなのが不思議だった。
21:00 美術館の入り口で待ち合わせ。
12人集まったところで、美術館の施設内にあるレストランへ。
日本語なんて一切ないので、英語を適当に翻訳して注文。
「ランブ・・・?ラムじゃない???」くらいの適当。
(これ奇跡的に合ってた)
あとはメニューの写真を指差し。
メインはローストチキン with ライス。
この旅で一番マシなご飯だった。おいしかった。
デザートはスイーツ盛り合わせっぽいやつ。
甘かった。そして出てくるの遅ぇ。
23時、さぁタクシーで帰りましょう!!と、
12人でぞろぞろ・・・とタクシー乗り場に向かう。
ル・・・ルーブルにも乞食がいる・・・(恐怖再び)
タクシー乗り場に着くと、そこには一台のタクシー。
でも運転手はいない。
「働け~っ!!」
「この稼ぎ時にっ!!」
まぁいろいろ言ったところで運転手は戻ってこないので
仕方なく諦める。
“流し”を捕まえようにも、基本的に流しはあんまりいない。
たまに走っているタクシーを見つけても、
お客が乗っていたり、スピードが速くて捕まらない。
こんな中で12人が順番にタクシーに乗ったところで
最後の組が乗るまで何時間かかるかわからない。
23時過ぎの暗いルーブルで残される組はとても危険。
どうしよう・・・。
一人が重い口を開いて言った。
「・・・メトロで帰るか?」
ガ━━(゜Д゜;)━━ン!!!!
あの、17時過ぎでさえあんなに怖ろしかったメトロに
23時過ぎに乗り込む・・・???
熟年夫婦の天然奥様が、
「それしかないと思う!!」
「タクシー待ってても何時間かかるかわからないし、
ここで待ってる方が危ないと思う!!」
と力説するものですから、、、
夢にも思っていなかった、
一番危険な時間帯のメトロ(゜Д゜;)!!!!
もうホント泣きたい。
おうち帰りたい。
ある夫婦の旦那さんがとってもいい人で、
「特に女性4人組は絶対離れたらダメだよ!!」
「「「「はいっ!!!!」」」」
(離れてたまるもんですかッッ!!!!)
そして、全員予想だにしていなかった、
まさかの『夜のメトロ』に乗ることに。
おそるおそる階段を下り・・・
全員が切符を手に入れたのを確認してから
一緒に改札を通る・・・。
ホームにはたくさんの外国人。
特に黒人が多い。しかもみんなチンピラっぽい。
「後ろから回り込まれないように、壁際に!!」と、
みんなでぞろぞろ・・・と壁際に集まる。
目つきの悪い日系の人が、ずっと見てる。
「あの人めっちゃ見てる!!」
「気をつけて!!!!」
「うわー。まだ見てる。」
「近寄ってきたぁ~」
「目を合わせないように!!!!」
日本語が通じないのをいいことに、
みんなで声を掛け合う。
少ししてメトロが来て、
(予告なしにドアがバンと閉まるので)
はぐれないよう急いで飛び乗る。
そこまで満員ではないけど、割と込んでいる。
身なりが綺麗でも汚くても、
若くても年老いていても、
もう見た目で判断はできない。
日本人で壁際にかたまり、女性が奥、
男性が手前側の位置に落ち着く。
少しほっとして、食事の感想などを
話すことができた。
そうしている間に7駅目の乗り換えの東駅。
同じくはぐれないよう急いで降りる。
乗り換えのホームで待つ間も、
「まだ気を抜いちゃいけない!」と
いつもの数倍も言葉少ない私たち。
っていうかほとんど喋ってない。
威嚇するために、ルーブルの駅から
私は怒った顔を続けている。
(意味あるのか)
数分で乗り換えのメトロが来て、
再びドドド・・・と乗り込む。
今回は壁際は空いていなかったので
車両の真ん中に、ぎゅっとかたまる。
カバンは抱きかかえたまま。
私の目の前には板東さん(熟年夫婦のご主人)。
「ゲフッ・・・」
ゲップをしやがった。
ビール臭ぇ。
でもここで緊張を解いてはいけない。
仕方ないがゲップはスルーだ。
私は怒った顔を続けた。
(だからそれ意味あるのか)
ホテルがあるのは6駅目。
長い。
黒人が遠くで「ジャポン・・・」と話していたり、
わざわざ近寄ってきて座る人もいる。
「後ろのおじさん見てるから気をつけて!」
「カバンはドア側に向けないで!」
と注意しあう。
「お願いだから無事に帰して・・・!!」と
バーを握る手にも力が入る。
やっと、ポルト ド パンタン駅。
「ここだッ!!」
手動のドアを開け、なだれ込むようにメトロを降りる。
まだまだ気は抜けない。
出口に戸惑い、右往左往する。
12人の日本人が右往左往・・・・・・
外国人から見ればこちらの方がよっぽど怪しい。
出口にも、待ち伏せするかのように
両脇にたむろする黒人たち。
「気付かないでホテルの右側に出たらどうしよう・・・」
ホテルはライトアップされていないし
意外と地味な外観だったので、危なかった。
途中、何人もの黒人グループとすれ違った。
「あ、ホテルだ!!!!」と少し嬉しくなりかけたが
ホテルの玄関には浮浪者のような人がいて何やら語りかけてくる。
12人、華麗に無視。
そして無事にホテルに入ることができました!!!!!!!!
「はぁ~~!!!!お疲れ様でした~!!!!」
「みんながいて良かったね~」
「この人数じゃなければ囲まれてたかもしれないからね」
「でもまだ気を抜いちゃダメだからね!
部屋に入るまでは!!!!」
そんなわけで、旅行の最後に12人の心が一つになったのでした。
誰もスリにも遭わず、命も無事で本当に良かった。
みんな本当にいい人だった。
一生忘れられない出来事になったと思う。
何事もなく部屋に戻り、緊張から解かれ
安心した私とizuは、メトロの中での話や
(外国人のことや板東さんのゲップのこと)、
日本の治安の良さについて語り合うのでした。
次の日には飛行機に乗るので、
スーツケースの整理をして、シャワー浴びて、
(シャワーガードにやっと慣れてきました)
夜中3時を過ぎた頃、やっと静まるのでした・・・。
恐怖のせいか、あまり寝つきが良くなかった。