今日仕事の帰り、電車に乗っていた。そこに女子高生が乗ってきた。僕の前方に座って、ずうっと前髪をいじり、携帯の鏡を見ている。まあ、よくある電車の風景だろう。
僕はこういう時、頭の中でブルーハーツの「リンダリンダ」の冒頭が流れる。
ドブネズミみたいに
美しくなりたい
写真には写らない
美しさが あるから
ということで、女子高生が容姿を気にしているところで、「写真には写らない美しさ」に気づけばなあなどと、いらぬお節介を考えている。まさか声はかけませんよ。さすがにその程度のことは社会に適応して生きてます。
で結局、心でしょって、人は以外と気づかない。確かに人は「心が大切」と言うだろう。この女子高生に聞いたら、当然「心が大切」と同意してくれるに違いない。しかしながら、その行動は「見た目が大切」と言うメタメッセージを発している。
いやいやまだまだ若いのだから、かわいいってことが優先されるのだろう。僕だって若い頃はカッコつけてたもの。だから、彼女が「写真には写らない美しさ」に心から気づく日が来ることを願っている。そんなことを思っているおじさんが目の前に座っているのだから、「気味悪い」か(笑)
サン・テグジュベリの『星の王子様』でキツネが「心で見なくちゃ、物事はよく見えないってことさ。肝心なことは目に見えないんだよ」と言う場面がある。どうも人間はこの”真実”を忘れるので、キツネはこのようなセリフを履いたのである。
「心が大切」という当たり前の真実。誰もが知っている。「目に見えない」ものを見るのは心なので、その時、真のうつくしさが見えるという仕掛けになっているらしい。