さよならのとき

前の日のお昼頃から悲鳴をあげていて
抱いたりさすったりしてた・・

夕方も夜も心配で散歩に連れてくと
完全にボケていて絶対目は見えていないのに
実に軽やかにどこまでもどこまでも機嫌よく歩いた・・

だから大丈夫なの？と思いつつ
きっと激痛がパコを襲うんだろう・・

散歩の時は一言も発しないのに家に帰ると絶叫する・・・

断続的に泣き声がするので心配で中々寝付かれないでいたが
静かな大夜中に向こうから断末魔が聞こえてきた

ねえちゃん家まで見に行こうと起きたら
ムギはもう寝室のドアのところで待っていて

そう・・ムギもこのところひどく心配げに暮らしてるのがよくわかった・・・

アタシが階段を降りるのも先にたって振り返り振り返りして誘導した

家を出る時に”頼んだわよ！”ってムギに言われた・・・気がした・・・


１８年も元気だったのにね・・・

いつかきっと誰にでもさよならが平等に来る・・・

それまで大事に暮らそう・・・

ムギ・・パコは逝っちゃっよ・・

家に戻って
こちらに背を向けて丸くなっているムギの頭をなぜながら伝えた

あまりに普通のネコみたいにいつまでもなぜさせるので
本気で寝ているのかと・・・顔を覗き込んだら
ムギはすっかり起きていて

知ってるよ・・・・って遠い目で言ってた・・

今朝９：３６

パコ永眠

享年１８才・・

桁外れの心臓と胃の強さゆえ

目も耳も完全に不自由なのに壮絶な痛みで絶叫しつつ
ふらふらであっちぶつかり
こっちでのたうち
最終ラウンドのボクサーみたいな顔になりながらも
１秒たりとも止まる事をせず一晩中延々家の中を徘徊した・・

痙攣が治まらず泡をふくパコを段ボールに入れ
台車を押して動物病院に連れて行った・・・

楽になったね・・・ゆっくりお休み・・・・パコ・・・