早起きしました。疲れはありませんが、やはり時差の影響は残っているようです。南アから帰国してみると、COP17の結果は、国内ではそれほど評価されていませんでした。
当初、厳しい状況を覚悟していた私から見ると、結果は予想していたものよりはるかに良かったと思っています。
第一に、すべての主要排出国が加わる新たな枠組みの道筋ができたこと。先進国と途上国が対立を超えて、新たな枠組みを議論するワーキンググループの立ち上げも、わが国の主張が通りました。これは、世界全体の成果。
次に、京都議定書の第二約束期間に日本は加わらなかったこと。今さら、多くを語る必要はないでしょう。評価の分かれるところですが、私は日本にとって決断の時だと感じていましたので、一度もぶれた発言はしませんでした。
CDMや二国間オフセットクレジットなどの市場メカニズムも認められる方向です。これらは、日本の気候変動問題における生命線です。
実は、いずれも、事前に決定していた日本政府の対処方針通りです。
災害対応に追われるわが国にとっては、がんがん攻めていける状況ではなかったのも事実。水面下の調整や提案も、外からは見えにくいところがあったと思います。
声高に成果を強調する必要はありません。したたかに、所期の目的を達成するのも、外交の一つの本質ですから。