自然農あさゆふ通信

谷沿いの小さな集落に移り住んで14年。
山と川に囲まれた田畑や自給生活の様子など、自然農のある暮らしを綴ります。

川口由一さんの稲刈り 2016年11月20日

2017年03月28日 | 川口由一さんの田畑

2017年11月20日

奈良県桜井市の川口由一さんの田んぼへ、

稲刈りのお手伝いに行ってまいりました。

 

早生種のお米(赤米・黒米・タイの香り米)は、

すでに稲刈りが済んで、はざ掛けしてありました。

 

小麦の苗も、綺麗に定植されていました。

小麦の移植は、今年が初めての挑戦だそうです。

 

たわわに実ったお米!

今日は、うるち米の

トヨサト、アケボノ、トウカイアサヒを刈ります。

 

 

・・・見事ですね!

 

まずは、川口さんが、

刈り方のお手本を見せてくださいました。

 

動きが軽やかで、とても手際が良いです!

 

続いて、私たちも並んで、

1人3列ずつ刈っていきました。

 

豊かに十全に美しく育っているので、

やはり刈る時にも、心がはずみます。

 

慣れている人たちばかりで一斉に刈りましたので、

どんどん進み・・・

 

あっという間に、刈り終えました。

 

いつものように、長い休憩をはさみながら・・・。

休憩中のお話も楽しみで・・・。

 

極晩生の緑米(むかって右端)は、

まだ茎が青く瑞々しさがあるので、

刈るのは後日にされるそうです。

 

藁を束ねる作業と並行して、

こちらでは稲木を立てる作業をしてくださっています。

 

束ねた稲わらを、稲木にかけていきます。

 

途中でパラパラ小雨が降ってきたので、大急ぎでした。

全部掛け終えてからなら、降っても良いのですが、

掛けている途中に濡れてしまうのは、

ちょっと困るのです・・・。

 

幸い、小雨はすぐに降りやみ、

無事にすべてのお米を、はざに掛け終えました。

壮観!!

本当に豊かな実りですね。

 

最後は、毎年恒例の逆上がり大会です。

川口さんの逆上がりも、美しく決まりました!

 

今回も、楽しく作業させていただきました。

そして大変勉強になりました。

ありがとうございました。


川口由一さんの田植え 2016年6月18日(3)おまけ

2016年08月10日 | 川口由一さんの田畑

2016年6月18日(土)、川口由一さんの田植えのお手伝いの時、

お昼休憩をさせていただいた小屋には、

川口さんの絵画と陶芸作品が展示されていました。

 

心豊かな、美しい作品ばかり・・・

少しですが、お届けしたいと思います。

 

 

「涼気に 玉のクリ 初成り うれし」

 

 

川口さんは、20歳から40歳代の約30年間、

日々の生活に「創作」の時を持たれていました。

小屋に展示されているのは、その頃の作品です。

 

 

 

 

 

どれもが、優しいお人柄そのままの、温もりのある絵ですね。

 

 

「世の中は 変わり行けども さすたけの

君が心は 変わらざりけり」 良寛

 

「み仏の み法の道に かりにだも

契る心は 嬉しからまし」 良寛

 

 

自然の中に身をおかれて、

心の平安を、自らの成長を、本当の喜びを、

真摯に求めておられたのだな・・・と感じます。

 

 

清らかで、素朴な美しさを前にして、

私の心も洗われるように感じました。

 

 

最近もまた、絵筆をとられているとのこと。

今度は、新しい絵も観せていただきたいですね。

 

陶芸作品も、ありました。

 

 

 

優しさとともに、たくましさも感じます。

大地に立って生きておられる方の、

力強い作品ですね。 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

どれもが、観ていると、親しみがわきますね。

ものすごく美しいけれど、人を寄せ付けないような怖さが全く無くて、

心を和ませてくれるような、

大らかさ、ひたむきさ、可愛らしさ・・・、があると感じました。

 

 

 

 

緑に囲まれた簡素な小屋の中に、

さりげなく、美しいものが飾られていて・・・

この小屋で過ごす時間は、本当に心安らぐ時間です。

 

お野菜の種も干してありました。

こちらは大根の種。

 

エンドウ豆と、ソラマメでしょうか。

 

お天気にも恵まれたこの日、

田植えの勉強だけでなく、

たくさんのことを教えていただきました。

 

川口さん、ありがとうございました。

 


川口由一さんの田植え 2016年6月18日(2)後編

2016年07月25日 | 川口由一さんの田畑

2016年6月18日(土)、奈良県の

川口由一さんの田植えレポート、後編です。

 

朝の5:00に集合して、休憩を挟みながら作業をしました。

12:00頃から、順番にお昼休憩に入り、

小屋でお弁当の後は、お昼寝をしました。

15:00頃から起きだして、また田んぼへ。

 

暑い夏には、朝早くと、夕方に作業をして、

一番暑いお昼の時間帯には、お昼寝をして体を休めるのだと、

川口さんは、いつも教えてくださっています。

 

独り立ちしたばかりの、お米の苗たち。

草の中に、一本一本まっすぐに立っている姿が、ご覧いただけますでしょうか?

 

今年、川口さんの田んぼで植え付けられた品種は、7種類です。

うるち米が、トヨサト(中生)、アケボノ(晩生)、トウカイアサヒ(晩生)、タイの香り米(中生)。

もち米が、赤米(早生)、黒米(早生)、緑米(晩生)。

 

今年、川口さんの田んぼでは、

苗と苗の間を、ゆったり広く植えました。

 

 条間(すじま)は、すべて50センチ。

株間(かぶま)は、早生種(赤米・黒米)は、40センチ。

中生種(トヨサト・タイの香り米)と、晩生種(アケボノ・トウカイアサヒ・緑米)は、50センチ。

 

※条間(すじま) : 作物を植え付ける時、その列を条(すじ)と呼ぶ。条間は条と条の間隔のこと。

※株間(かぶま) : 条の一株ごとの間隔を、株間と呼ぶ。

 

苗と苗の間隔が広いということは、

植える本数が少ないということで、

どんどん作業が進み・・・夕方早くに終了しました!

 

今年の田植えは、川口さんとお手伝いの方々、合わせて10人で行いました。

作業はとても楽しくて、本当に勉強になりました。

教えていただいたこと、体験したこと、

少しでも多くの方にお届けできたらと思います。

 

苗の量は、丁度だった品種もあり、

余った品種もあり・・・。

 

今年、植え付けた面積は、約6.5畝(せ)です。

1畝(せ) = 10分の1反 = 100平方メートル = 30坪 = 1アール

 

苗は、極々小さいものだけ、2本一緒に植え付けましたが、

ほとんどが1本植えです。

 

豊かな大地の恵みを受けいだき、

すくすくと、元気一杯に育ってくれますように・・・!


川口由一さんの田植え 2016年6月18日(1)前編

2016年07月23日 | 川口由一さんの田畑

2016年6月18日(土)、奈良県へ、

川口由一さんの田植えのお手伝いに行ってまいりました。

 

集合は、朝の5:00。

田んぼには、すでに水が引き込まれ、

美しく畦塗りがされ、畦には点々と豆が植えられていました。

 

今年は、自然農に切り替えてから、38年目となる稲づくりです。

 

田んぼと畑の間のあぜ道に、日除けのパラソルを立てて、

まずは、腰を下ろし、お茶をいただいて、長い休憩からのスタートです。

 

川口さん 「皆さんのところは、どう? 田植えは?」

― 「まだ、始まっていません・・・」

 「やっと、麦の収穫が終わったところです」

 

田んぼの溝には、たくさんの ホウネンエビ が、泳いでいました。

冬の間、田んぼの土の中で、寒さと乾燥に耐えた卵は、

初夏、田んぼに水が入り、水温が上がると、一斉に孵化します。

 

こちらが田んぼ。

毎年そうなのですが、すごい草の量です!

ここに今から、幼いお米の苗を植えます。

今見えている草は、ほとんどが冬に栄えて夏は枯れていく草なので、

刈らずに、踏み倒しながら植えていきます。

 

苗床に苗を取りに向かう、川口さん。

右が、今から植える田んぼ。

真ん中の奥が、苗床。

左は、数年間、植え付けをしていない田んぼで、

今年から、畑として、手前側から少しずつお野菜を植え付けておられます。

 

元気に育った苗が、朝日を浴びてキラキラ輝きます。

鳥除けのために刺していた木の枝を、取り除きます。

質問 「鳥除けの枝は、ギリギリまで、置いておくのですね?」

川口さん 「そうしないと、アオサギが来て、苗を踏みつけてしまうことがあるのです」

 

苗は、厚さ3センチ程度の土を付けて、鍬ですくい取ります。

 

しっかり張っている根っこを、できるだけ損ねないように・・・。

それでいて、一本一本植えていく作業が、はかどるように・・・。

すくい取る深さは、重要です。

 

それぞれ持って来た苗箱に、苗を入れてもらいます。

 

まずは、川口さんが植えて見せてくだいました。

教えてくださった38年目の植え方は、

昨年、37年目の植え方とは、少し違いました。

 

植える部分の草を、少しかき分け、

ノコギリガマで、土に切れ込みを入れます。

 

手で土をめくり、植穴を開けます。

この時、宿根草の太い根があれば、取り除きます。

 

土を付けた苗を、植穴に入れます。

 

そっと置いて、軽く周りの土を寄せます。

 

1本の苗が、植え終わりました。

 

3年前と2年前は、8~10センチほどの、深い植穴を開けて植えました。

厚く積もった亡骸(なきがら)の層の部分に苗を植えてしまうと、

養分で根が損ねられて、稲の育ちが良くないという問題があって、それに対応するためでした。

 

亡骸の層 : 枯れた草々や虫たちの死骸が積み重なり、完全には朽ちていない層のこと。


  昨年も、草の層や亡骸の層が厚かったため、穴をやや深めに掘って植えましたが、

今年は、普通の深さなんですね・・・?

 

川口さん 「はい。亡骸の層が、完全に朽ちているので。

昨年の稲づくりでは、水を畝の上まで入れていたから、朽ちたのですね」

 

少し戸惑い気味の一同に構わず、

次々と植えていかれる、川口さんです・・・。

 

こうでしょう。

 

そして、こう。

 

あとは、こうするだけ。

 

これで終わりです。

 

最後は、周りの草を少し、戻しておきます。

 

昨年までは、草は広げたままで、株元は開けていたのですが、

植えた後、雨で株元が洗われて、根っこが見えがちになってしまうということがあったので、

今年は、草を少し戻し気味にするとのことでした。

「でも、ぎゅっと株元まで寄せ過ぎたら、駄目ですよ」

根元をしっかり覆ってしまうと、稲の分けつを妨げてしまいますので、

草を寄せるのは、軽めにします。

 

昨年までとの違いに、まだ少し戸惑い気味な、私たち。

そして、どんどん植えていかれる、川口さん。

「・・・こうでしょう。・・・それで、こう。・・・このまま、僕一人で、全部植えようか」

 

無駄が無く、軽やかな動きに、魅了されます。

 

本当に、一人で植え終わってしまいそう・・・。

 

さあ、私たちも、植えましょう。

皆、一列に並んで、一斉に一条を植えます。

その条が植え終わったら、水縄を一列ずらし、また次の条を一斉に植えます。

 

自然農では、条間(すじま)は40センチを基本としていますが、

今年、川口さんの田んぼの条間は、50センチです。

土地が豊かなので、ゆったりと植えれば、その分元気に大きく育つからです。

 

※条間(すじま) : 作物を植え付ける時、その列を条(すじ)と呼ぶ。条間は条と条の間隔のこと。

 

ヌマガエルかな?

 

川口さんの田植えは、

しばらく植えては、長く休憩し、

またしばらく植えては、また長く休憩します。

それぞれ持ってきた、手作りのお菓子などもいただきながら、

休息時間のおしゃべりも、また楽しみです。

 

日が高くなってきたら、お昼休憩に入ります。

一人ずつしか、シャワーを浴びられないので、

朝早く来た人から、順番に・・・。

 

~ この続きは、次回また、お届けしますね! ~