2016年6月18日(土)、奈良県へ、
川口由一さんの田植えのお手伝いに行ってまいりました。
集合は、朝の5:00。
田んぼには、すでに水が引き込まれ、
美しく畦塗りがされ、畦には点々と豆が植えられていました。
今年は、自然農に切り替えてから、38年目となる稲づくりです。
田んぼと畑の間のあぜ道に、日除けのパラソルを立てて、
まずは、腰を下ろし、お茶をいただいて、長い休憩からのスタートです。
川口さん 「皆さんのところは、どう? 田植えは?」
― 「まだ、始まっていません・・・」
― 「やっと、麦の収穫が終わったところです」
田んぼの溝には、たくさんの ホウネンエビ が、泳いでいました。
冬の間、田んぼの土の中で、寒さと乾燥に耐えた卵は、
初夏、田んぼに水が入り、水温が上がると、一斉に孵化します。
こちらが田んぼ。
毎年そうなのですが、すごい草の量です!
ここに今から、幼いお米の苗を植えます。
今見えている草は、ほとんどが冬に栄えて夏は枯れていく草なので、
刈らずに、踏み倒しながら植えていきます。
苗床に苗を取りに向かう、川口さん。
右が、今から植える田んぼ。
真ん中の奥が、苗床。
左は、数年間、植え付けをしていない田んぼで、
今年から、畑として、手前側から少しずつお野菜を植え付けておられます。
元気に育った苗が、朝日を浴びてキラキラ輝きます。
鳥除けのために刺していた木の枝を、取り除きます。
質問 「鳥除けの枝は、ギリギリまで、置いておくのですね?」
川口さん 「そうしないと、アオサギが来て、苗を踏みつけてしまうことがあるのです」
苗は、厚さ3センチ程度の土を付けて、鍬ですくい取ります。
しっかり張っている根っこを、できるだけ損ねないように・・・。
それでいて、一本一本植えていく作業が、はかどるように・・・。
すくい取る深さは、重要です。
それぞれ持って来た苗箱に、苗を入れてもらいます。
まずは、川口さんが植えて見せてくだいました。
教えてくださった38年目の植え方は、
昨年、37年目の植え方とは、少し違いました。
植える部分の草を、少しかき分け、
ノコギリガマで、土に切れ込みを入れます。
手で土をめくり、植穴を開けます。
この時、宿根草の太い根があれば、取り除きます。
土を付けた苗を、植穴に入れます。
そっと置いて、軽く周りの土を寄せます。
1本の苗が、植え終わりました。
3年前と2年前は、8~10センチほどの、深い植穴を開けて植えました。
厚く積もった亡骸(なきがら)の層の部分に苗を植えてしまうと、
養分で根が損ねられて、稲の育ちが良くないという問題があって、それに対応するためでした。
※亡骸の層 : 枯れた草々や虫たちの死骸が積み重なり、完全には朽ちていない層のこと。
昨年も、草の層や亡骸の層が厚かったため、穴をやや深めに掘って植えましたが、
今年は、普通の深さなんですね・・・?
川口さん 「はい。亡骸の層が、完全に朽ちているので。
昨年の稲づくりでは、水を畝の上まで入れていたから、朽ちたのですね」
少し戸惑い気味の一同に構わず、
次々と植えていかれる、川口さんです・・・。
こうでしょう。
そして、こう。
あとは、こうするだけ。
これで終わりです。
最後は、周りの草を少し、戻しておきます。
昨年までは、草は広げたままで、株元は開けていたのですが、
植えた後、雨で株元が洗われて、根っこが見えがちになってしまうということがあったので、
今年は、草を少し戻し気味にするとのことでした。
「でも、ぎゅっと株元まで寄せ過ぎたら、駄目ですよ」
根元をしっかり覆ってしまうと、稲の分けつを妨げてしまいますので、
草を寄せるのは、軽めにします。
昨年までとの違いに、まだ少し戸惑い気味な、私たち。
そして、どんどん植えていかれる、川口さん。
「・・・こうでしょう。・・・それで、こう。・・・このまま、僕一人で、全部植えようか」
無駄が無く、軽やかな動きに、魅了されます。
本当に、一人で植え終わってしまいそう・・・。
さあ、私たちも、植えましょう。
皆、一列に並んで、一斉に一条を植えます。
その条が植え終わったら、水縄を一列ずらし、また次の条を一斉に植えます。
自然農では、条間(すじま)は40センチを基本としていますが、
今年、川口さんの田んぼの条間は、50センチです。
土地が豊かなので、ゆったりと植えれば、その分元気に大きく育つからです。
※条間(すじま) : 作物を植え付ける時、その列を条(すじ)と呼ぶ。条間は条と条の間隔のこと。
ヌマガエルかな?
川口さんの田植えは、
しばらく植えては、長く休憩し、
またしばらく植えては、また長く休憩します。
それぞれ持ってきた、手作りのお菓子などもいただきながら、
休息時間のおしゃべりも、また楽しみです。
日が高くなってきたら、お昼休憩に入ります。
一人ずつしか、シャワーを浴びられないので、
朝早く来た人から、順番に・・・。
~ この続きは、次回また、お届けしますね! ~