みけの物語カフェ ブログ版

いろんなお話を綴っています。短いお話なのですぐに読めちゃいます。お暇なときにでも、お立ち寄りください。

0950「しずく105~陵辱」

2020-09-07 18:06:56 | ブログ連載~しずく

 看守(かんしゅ)は笑(え)みを浮(う)かべて川相初音(かわいはつね)に近づいて行く。初音はその場から動くことができなかった。看守は彼女のそばで膝(ひざ)をつく。初音の顔を見つめ、頬(ほお)に手をやった。
「ちょっと見ない間(あいだ)に奇麗(きれい)になったな。少しは大人(おとな)になったってことか」
 初音は声をあげることもできなかった。されるがままになっている。
「なんだ、震(ふる)えてるじゃないか? 俺(おれ)が、温(あたた)めてやろう…」
 看守は初音を抱(だ)きよせると、彼女の身体(からだ)をまさぐり始めた。初音は身体をこわばらせて、何とか抵抗(ていこう)しようとした。だが、看守には何の効力(こうりょく)もなかった。
「そんなに緊張(きんちょう)するなよ。初めてじゃないんだから…。ほぅ、柔(やわ)らかい身体だ。胸(むね)も少しはふくらんだようだな。これは、楽しめそうだ。あそこはどうかな…」
 看守の手が彼女の足に伸(の)び、内股(うちもも)をなで始めた。そして、スカートの中へ手が入って行く。初音は目を固(かた)く閉じ、唇(くちびる)を噛(か)みしめた。その時だ。どこからか声がした。
「何してるの? そんなことしたら、逮捕(たいほ)されちゃうよ」
 看守はビクッとして後ろを振(ふ)り返った。鉄格子(てつごうし)の外(そと)に人影(ひとかげ)が見えた。
「誰(だれ)だ! そこにいるのは…」看守はライトを人影に向けた。そしてホッとしたように、
「何だ、ガキじゃねぇか…。どうやって入って来た? ここはガキの来るところ……」
 突然(とつぜん)、看守が苦(くる)しみ出した。ライトを落とし自分(じぶん)の首(くび)へ手をやった。まるで、首を何かに締(し)めつけられているようだ。初音は目を開けると人影を見て呟(つぶや)いた。「どうして…」
<つぶやき>誰が助(たす)けに来たのでしょうか? もう、あの娘(こ)しかいないじゃないですか。
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