レイコにはとても優(やさ)しい姉(あね)がいた。彼女は姉のことが大好(だいす)きで、いつも一緒(いっしょ)にいたいと思っていた。姉が都会(とかい)の大学(だいがく)へ進学(しんがく)すると聞いたとき、レイコはとても不機嫌(ふきげん)になって周(まわ)りに当たり散(ち)らすようになった。
姉はなだめるように、「あなたも、あたしと同じ大学に進学すれば…」
姉は知っていた。レイコには入学(にゅうがく)できる学力(がくりょく)はないと。でも、その日からレイコは必死(ひっし)に勉強(べんきょう)した。そして二年後、同じ大学に入学することができた。
春になり都会へ出たレイコは、姉と一緒に住むことになった。両親(りょうしん)もそれを望(のぞ)んだのだ。姉と一緒に暮(く)らし始めて、レイコは知った。姉に恋人(こいびと)がいることを…。レイコは、大好きな姉をとられてしまうと思い込んだ。そこで、レイコはある計略(けいりゃく)を実行(じっこう)に移(うつ)した。
姉と偽(いつわ)って、彼を家に呼(よ)び出したのだ。そして、姉が帰ってくるのを見計(みはか)らって彼を誘惑(ゆうわく)した。姉が帰ってきたとき、ちょうど二人はキスをしていた。彼は姉の顔を見て動揺(どうよう)して、部屋(へや)から飛(と)び出して行った。レイコは姉に気づかれないように微笑(ほほえ)んだ。
レイコは姉に問(と)い詰(つ)められると、彼が迫(せま)って来たのだと嘘(うそ)をついた。でも、姉には分かっていた。妹(いもうと)が誘(さそ)ったことを…。これはいつものことだ。姉はうんざりしたように言った。
「もう、止(や)めてよ。あたしのことはほっといて。あたし、ここを出て行くから…」
レイコには、姉を手放(てばな)すなんて耐(た)えられなかった。そこで、姉を閉(と)じ込めることにした。もう、その準備(じゅんび)はできている。レイコは、嬉(うれ)しそうに姉を見つめた。
<つぶやき>これは、とってもやばいです。お姉(ねえ)さんは逃(に)げることができるのでしょうか?
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