お隣さん（その１）

お隣さんの奥さまは、私と同じくらい世捨て人というか変わり者。
私が言うんだから、間違いない。

ここは社宅。
一応彼女のご主人も、うちの主人も顔見知り。
うちの旦那のほうが５つくらい？年次が上。

同じ部署で働くことはないが、仕事によっては関係したこともあり
うちの旦那に言わせると、隣のご主人は常識人。

そこは私も頷く。
本当に人当りなど、申し分ない。

ただ、彼女が文句を言いに来るのは、いつも土日の昼間。
そのために、うちの旦那が首を捻るのであった。

いくつかクレームを入れられたが、一番納得しなかった
のが、社宅の当番の札を朝の９時に持ってくるな！という
旨だった。

というのも、９時前に持って行ったことがあった。
確かに何度かありました。

でも、土日の朝ではなく、札を持って行くのは月曜日の
朝９時１０分前。
つまり、８時５０分。
というのも、チビと幼稚園に登園する前に札を回してから
チビを送っていって、私はその頃、パートに通勤したから。

それが「非常識」呼ばわりされたのだ！

というのも、朝が早すぎる！！というものだ。

え？だって、ご主人を会社に出すんだから、早くないでしょ？
と思う。

で、思わず訊き返す。
「何時だったらいいのですか？」

「１０時過ぎ。」

「私は働いているので、その時間は無理です」というと
「働いているのを知らなかった」
「・・・」となった。

確かにですね、、、

時間を戻した。
春休みのある朝。
隣のご主人が、玄関のドアをそっと閉じて、鍵をかけていた。

「？」と思ったが、気にしなかった。
どうやら、奥様とお嬢様がまだ寝ているらしい。
時間は確か、７時半か８時。

私はうちの旦那を駅まで送りに行ったあとだった。

そんな奥様ですから、９時前は朝早いのでしょう…
と呆れながら納得したのでした。

絶句していた私に平然と見返す人です。
凄すぎ。