蒼き器に揃いの小皿おさめればテーブルの上に蒼きはす咲く
あんたのせいあんたがちゃんとせんからや聞いていないしだってそうじゃないし
もう誰のせいでもなくてそういう事する人として母は括らるる
母と娘の蜜月は過ぎ後ろ手に子は思春期の戸を閉ざしたり
母さんと庭のぶどうを描きたいと房を手にして言うてくれしが
もう、ぶどう描かれへんって泣いてたよ姉さん顔の上の娘が告げる
脱ぎ置きしパーカーに猫の潜り込む九月の風の肌寒き宵
以上七首とっていただきました。五首め初句の最後の助詞に誤植があり、「母さんの」が原稿でした。しかし、読んだ方から「母さんと」のほうがいい、と言われた事もあり、これもこの歌の運命かな、と訂正しないことにします。
提出した十首から母娘げんかの見っともない三首を落として作品に仕上げていただいた選にあらためてありがたく、すごいなぁと感じました。(笑)