塔9月 新樹集 掲載いただきました 2017-09-25 20:46:25 | 短歌 窓際に這う蟻見つけ潰したり蟻ひとつぶん指さき湿る かたわらに座る影だとかなしみを歌うひといて影濃さを増す 襟足にかるくふれつつ銀色の細き留金とめてくれたり 根切り虫鉄砲虫の白々と花苛みて甲虫となる 根切り虫狩るとう黒き土蜂のラヴェンダーの穂に朝陽待ちおり インディゴにつばめ模様のスカートで梅雨の晴れ間の街に出でゆく 灰色の犬の頭を撫でていて黒髪で逝きし夫思い出す