最近はオオヤ照井とタッケン森園のことより、長期入院を強いられた病院の院長と勤務医のB先生の事を考えることが多くなった。
T里病院4回目の入院間もなく事件が起き、それを隠そうと統合失調症などと命名して、息子さんは一生入院が必要ですと父に告げたらしい院長。
そのまま予定通りなら、今頃よだれを垂らしながら虚な目をして、1日3度の飯を食いながら院長をしこたま儲けさせ続けているはずだった。
しかし非常勤で週2回程度の勤務だったB先生に主治医が代わり、ウマが合ったせいかどうが分からないが、どうしても退院をしたいという私の願いを叶えてあげようと院長に進言してくれて、結果苦難のすえではあるが退院に漕ぎつけることが出来た。
そして退院後7年過ぎた訳だが、退院してもすぐまた入院するだろうというのが周りの人々の一致した見方だった。過去10回も入退院を繰り返した身としてはそう思われても仕方のないことだった。
再入院に至らなかったのは、退院後しばらくを除いてアルコールを飲まなかったからだ。
統合失調症が再発しないかなどと考えていたのは院長の診断を頭から信じていたB先生と嘘の説明を受けていた父、そして兄妹だ。
万が一の事件発覚を恐れる院長は飲んでまた入院しろと祈っていただろうが、飲みさえしなければ精神病院に入院が必要な病気など持っていないので、それに関しては心配したことはなかった。
院長の罪は大きすぎるのだが、そういう事を何度やっても誰にも咎められずに生きて来られた甘ったれのボンボンで、且つ大権力者でもあった(後期高齢者だし過去形で良いのではないか) 院長に解れと言っても無駄な事だったのである。