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Tシャツとサンダルの候

遥か遠き関サバへの道


昨日


朝からはっきりしない天気である。

予報では、昼前から崩れるとなっている。


「あ~あ、流石に山に登る気にはならんな。どうしようかな。・・・・そうだ!」


今年はまだ、関サバを食ってないじゃないか。

こんな日は、断然、関サバだ。


「佐賀関に行くぞ!!」


暇人恐るべし!

思い立ったら速攻なのだ。

180kmの道のりなど露ほども厭わず、車をすっ飛ばす。



ブイ~~~ン



だがしかしである。

所詮、思い付きである。

いつもの店が定休日である事など、知る由もない。

店の駐車場に着いて初めて、その事実を知り、唖然とする始末。


「グムムム。なんてこった。ま、待て。まだ手はある。」


閑散とした雨の駐車場で、今更ながらの検索である。


検索で引っ掛かった次の店に着いた。

ところが、人気店定休の影響か、猛烈な行列である。

優に一時間は待つことになるらしい。

生憎と私は、食事で一時間も並ぶ鷹揚さなど、これぽっちも持ち合わせてはいない。

それどころか既に、胃袋が癇癪を起しかけている。

電光石火、店を出た。


関サバの道は遥か遠い・・・


と、ハンドルに持たれて嘆息している場合ではない。

このままでは、胃袋の欲求にに負けて、ラーメン屋にでも飛び込みかねないからだ。

急いで再度の検索である。


「ここだ!!」




関サバ行脚の最終駅は、意に反してはいたが、佐賀関から遠く離れた臼杵のこことなった。




店内に入ると、飲食スペースは、いくつかの個室で仕切られていた。


「せ、席空いてますか!」


目を血走らせて、殆ど叫ぶように店員に問う私。

怯えたように店員は、


「あ、はい。こ、こちらにどうぞ。」




・・・よかった。


危うく、へなへなと座り込むところである。



生簀には関サバ様が優雅に泳いでいらっしゃる。

もう間違いない。

これでようやく、関サバ難民から解放されたようだ。



ここでは勝手丼がお得のようだ。

好みのネタにチェックを入れる。

ここで関サバを外したら、もはや痴呆老人と呼ばれても致し方あるまい。

しっかりと関サバ二皿分を注文してと、あとは・・・



「お待たせしました。勝手丼でーす。」


勝手丼によくある、作り置きの刺身を棚から取るのではなく、ちゃんと注文を受けてから、厨房で刺身にしてくれるシステムだ。


ピカピカの関サバ。




関サバだけではなんだからと、好物のカンパチと、今や希少になったタイラギもチョイス。




「ご飯に刺身と卵を乗っけたら、グチュグチュしてお召し上がりください。」(店員)



ふーーん。

でも、やっぱり、関サバ様は一品づつ、口に運ばせてもらうぜ。


あーーん


パク




うん、これこれ。

流石に、豊後水道で鍛えられただけはある。

コリッコリである。


堪らん!





それでは、

関サバを平らげた後は、そろそろ、



グチュグチュグチュ!!


ガツガツガツ!!



うめえ!!


色々あってこの店に辿り着いたけど、安いし、寧ろここで良かったかも。



店を出る頃になっても、雨が降りやまない。

結局、関サバを食ったら、何処にも立ち寄らずにUターンである。






教訓

ちゃんと下調べをして行動しよう。








・・・・絶対無理だけどね。

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