今夜も自主夜間中学へ。ベトナムから日本に来て2年目の、公立中学校に通っている青年の、漢字の勉強を手助けしました。彼の一年前に来日したというお母さんも一緒でしたが、お母さんは子どもの勉強を見ているだけ。彼も日本語はおぼつかないんですが、お母さんはそれ以上。コロナの影響で1時間ほどで勉強を終えましたが、お母さんも勉強したくなってくれたようです。
コロナによって3月から休んでいた我が自主夜間中学ですが、一昨日から再開しています。休校前に比べて勉強に来られる生徒さんの数は少なめですが、久しぶりに顔を合わせて、皆嬉しそうにあいさつを交わし合いました♪ 会場は、町の施設を借りているんですが、定員数を半分以下に抑えられていて、しかも対面学習は禁止、マンツーマン指導が原則なんですが、生徒さんとスタッフはひと席空けて座る、マスク着用、などが徹底されています。今日は、手作りフェイスシールドをたくさん作ってきてくださったスタッフがあって、スタッフの口元の動きを見せる必要がある場合には重宝しました。聞けば、100均の下敷きとサンバイザーで作ってくれたんだとか。ありがたい!
自主夜間中学ですが、satochinさんからご質問がありましたので、簡単に説明しておきます。
「夜間中学」という名前は、本来、学齢期に様々な事情で学校に行けなかった方が、学齢期を過ぎてから勉強をするために開かれている、公立の中学校の夜間学級を指します。公立ですから、年限もありますし、教員資格を持った人が多数必要です。奈良県内には3つの公立夜間中学がありますが、その設立にはかなりのエネルギーと時間がかかります(私は、橿原市立畝中学校夜間学級の設立前の運動を、知り合いを通して知りました)。でも、学齢期に、差別や家の事情や人間関係などで学校に通えなかった人って、結構いらっしゃるんですよね。その方々が通える夜間中学校を増やそうと思っても、そうそうできるものではない。ええい、それだったら、勝手にボランティアで夜間中学校みたいなものを作れば、必要な方の学習機会が少しでも保障できるし、そういう実績が公立中学校を増やす後押しになるかもしれない。そういうボランティアをやりたい人はたくさんいる。ちゃんとした中学校じゃないから、スタッフは何か手助けしようという意思がある人だったら資格は関係なく、誰でもできる。勝手に手弁当で、「夜間中学」の頭に“自主”と付けて、そういう勉強の場を作ればいい。そうして始まったのが、「自主夜間中学」なのです。
40歳の時に、知り合いに「自主を作ろうと思うんだけど、どう?一緒にやってみない?」と声をかけられて、「おもしろそうだな」と準備会に出席したのが始まりで、なんともう23年目になります。
はじめは、生徒さんが70人ぐらいいらっしゃって、登録スタッフも100人超でしたが、今はどちらも30人ぐらいかな? 週2回、火曜と木曜の午後6~9時に、町の施設の一角をお借りして、現役教員以外にも、主婦、リタイアしたサラリーマンなどがスタッフとして、勉強の手助けをしています。(実は私、スタッフの皆さんのプライベートに興味がないので、よく知らないんです(笑)) 今はコロナの影響で6~8時の時間短縮で開いてます。
生徒さんは、はじめは、貧困や差別のために学校に通えなかった高齢の方(小中学校の勉強)と、外国(主に韓国と中国とフィリピン)から結婚で日本に来られた方、それから就労で日本に来た南米日系人のご家族(日常会話と日本語の読み書き)が多かったんですが、その後外国からの留学生やALT(英語教育にために来日している外国人)、その次にアジアからの来日者(就労・研修生や結婚)が生徒さんの中心になってきています。公立だと、生徒さんの資格に縛りがありますが、何せ“自主”なので、日本での生活上勉強が必要で夜でも勉強したい人たちだったらだれでも受け入れよう、ということで開いてます。生徒さんの子どもたちや、不登校の中学生の勉強を手伝ったこともあります。
私は国文出身なので日本語専門なんですが、スタッフ各人、自分の知識が少々怪しいな、と思ったときは周囲に訊いたりしながらやってます。ゆるいですな(笑)。
まぁ、そんなところです。ホントにいろいろな人生があって、いろんな文化があって、日本に対するいろんな見方(期待されていることが多いです)があることを知りました。得難い経験をさせてもらってます。
晩ご飯は、木曜日のカレー。トマトペースト入り。味わいが深くなりますね♪
サイドメニューは、真竹のタケノコとベーコンのバター炒め。木の芽の風味が美味しいです♪