フットボールだけじゃないかもしれないが、2度追いという言葉がある。ボール保持者に奪いに行って、かわされた(はがされた)時に再度アタックをかけ追って行くことだ。
「そうだミサちゃん、もう1度」
最近、吉原先輩が俺の背中越しに飛ばす言葉。
「もう一回だ!」
こうなると3度追いだった。
実際これはかなりハードなワークなのだが、俺に任せられたワークに違いない。人間は居場所があって存在意義を見出すと、
「ああ俺も少しは求められているんだな~」
とか感激してついがんばってしまう生き物だ。俺はいまそれを実感している。その実感は練習後にも顕著に現れる。踵や足の裏がガタガタなのだ。ターンの連続なので足裏のマメも着実に育っている。やれやれだぜ…と充実感。
先輩たちの場数は半端ないから、ここぞという時のワンプレーには気迫を感じる。例えばボールをロストした時の相手に対する再アプローチは現役プレーになる。ずっと追いへたするとファール紛いで奪い返しに行くのだ。特に吉尾先輩は厳しく行く。敵の時、取りに行きたくない選手の1人だ。それ以外は至って温厚に声もかけたりしてくれるのだが、心して対戦しなければならない。
毎週の火曜日の練習が待ち遠しい。緊張もいまだにするが、最近は皆の顔を見るといろいろしゃべりたくなる。自信がついた訳じゃないが…このクラブでのキャラ位置も得てきたからかもしれない。俺は1番下手くそだ。自他共に認めるそのポジションをいまは全うし、だからこそ誰よりもポジティブな声を出して行こうと決めている。
「ドンマイドンマイ、次、次!!もう1回行こう!!」
「おいミサキ、それは自分で言うセリフじゃないぞ!」
それは俺がミスって敵にパスした時の安藤captainの激である。顔は笑っているので安心する俺はまだまだチキンだなのだが。
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