世間には相性が悪そうで好きになれない人がいる。それは齢を重ねてそれなりの経験値から判断する場合と、直感的な霊感?に分かれるような気がする。しかし、サッカーの同じチームでプレーしてみると、そうとばかり言えないことに気づかされたりもするのだ。経験や直感が当てにならないことが多々あると思う。
その道の常識があってセオリーがあって、それに沿う経験者がいて沿わない素人がいる。アマチュアフットボールの楽しい側面とも言える。俺(ど素人)からすればいつもアップアップで必死なのだが、それは先輩方の余裕あればこその上に成り立っているのがサッカーなのだ。火曜会のメンバーは素人の俺にもとても寛容だった。
本当に感謝しかない。
生意気にも相性が悪い先輩がいたかのように記したが、当初、そんな気配を俺が勝手に感じてしまう先輩方が火曜会にもいた。FWのコッチーさんとMFの吉尾さんだ。コッチーさんはガツガツの点取り屋で常にゴールを目指す先輩だから、俺になど目もくれずパスは来ないだろうと思っていた。むしろ、味方の俺が持ったボールでも奪い取られてしまいそうなイメージだった。吉尾先輩はレフティーでラストパサーだけどゴールにも意欲的でLSHからカットインも見せる。安藤captainとは旧知を知る仲だった。
「なんだよ、ミサは良く倒れるな~」
吉尾先輩から最初に頂いたお言葉だ。プイと背を向けられてしまった。
この先輩の場合、俺の社会的拙い経験値からくる安易な判断(雰囲気が苦手)だったが、それは間違っていた。ある交流試合で、
「ミサはあまり降りてこないで前にいろ。パスが出せなくなる」
と試合中に指示された。俺はなんだか嬉しかった。まず、パスをくれるという事と俺を少しは見ていてくれたんだということ。思い込みの大ばか野郎だ俺は!と叫んだ。(もちろん心の中で)その後も守備に行ったり来たりしてしまったが、なるべく早く前線に上がろうという意識は高まった。先輩にとってFWに対するこの指示はごく当たり前のことだったかもしれないが、俺はフットボール仲間へと一歩近づけた気がして熱くなった。
「しばらくぶりに来たらみんな素早くてうまくなってる」
約3ヶ月ぶりに練習参加し終えたコッチー先輩がそう言った。この時、俺の顔を見ていたのである。それまで目を合わせたことがなかったので、俺は嬉しかった。俺のことも少しは認知してくれたのかな?と思えたからだ。
本当にサッカーには何が起こるか分からない。
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