DFのマークを外してサイドのスペースを取ると、そこにボールが出て来る。
「ミサちゃんキープして」
と誰かの声が飛ぶのだが、俺がトラップした瞬間を常に狙っている人が山さんだ。紅白戦で大体いつも敵になる。俺は白が好きで、山さんは赤が好き。安藤captainは白系で同じチームが多め。ケンタロウさんとシュウさんはほぼコンビを組み敵か味方、吉原さんは行ったり来たりするフリーマン。
山さんが言うには、
「ミサちゃんだったら思い切りあたっても大丈夫そうなんだもん」
もしや誉め言葉なのか?俺は軽かった。良く吹っ飛ばされるが、直ぐに立ち上がれるんだミサキジョー。しかし飛ばされるのも最近は大分減ってきたけど、体幹も貧弱だと思われていたはずだ。でも山さんは構わずにズガンと来る。山さんは一つ上の先輩だった。
「俺そこで取らないと運ばれちゃうからね」
何言ってんの~山さん十分ダッシュ力もあるでしょう、と言い合っている。俺には機動力と持久力(省エネな身体故の)しかないから、封じられるとかなり悔しい。
「ミサちゃんは下手にトラップして体入れられる前に、パスで来たボールをうまくスペースに流して、スピードで振り切った方がいいんじゃん?」
♪ハッとしてグッときてパッと目覚める恋だから~(^^♪(トシちゃん)
山さん本当にありがとう。
頭では理解できている。できそうな気もする。後はやるだけなんだけど、それがね、なかなかね、うまくいかないんだよね…(^^ゞ
そこへ後方から安藤captainの(不機嫌そうな)声が。
「ミサキはほんと下手だな~トラップも…」
すみません!!練習します。
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