私が新入社員だった頃の社長はオーナー社長の息子であり二代目だった。そのためか、性格は良く言えば豪快、悪く言えばワガママであり、従業員も、彼に振り回されるのは日常茶飯事であった。
今では考えられない様な事も当時は当たり前だった。それでも200名近い従業員からは、そこまで不満は出なかった、少なからず私は2代目社長に対して嫌いになったことはなかった。三波伸介 (知らない人はネットで調べて見てくださいね)に似た風ぼう、そして笑うと何とも言えないチャーミングな、あの笑顔。人間味あふれる彼を私は心底大好きだったのだ。
そんな豪快な彼とツネ師匠がどこで知り合いになったのかは、後々わかるのだが、その段階ではまだ、誰もわかっていなかった。しかし困っている人をカッコつけて受け入れてしまう社長の性格からツネ師匠を勢いて入社させたのは容易に想像出来た。