ことば咀嚼日記

日々読んだ活字を自分の頭でムシャクシャ、時にはゴックン、時には、サクサク咀嚼する日記

景気を聞く

2016-05-26 | 日記
パソコンで作業をしている隣で、校長がスカイプ面接をしている。海外に行かずとも、こうしてその場で面接できるとは便利な時代になったものだ。動機やら、意欲やらを面接者に聞いた後で、必ず「今、○○市の景気はどうですか?」と本人のすんでいる街の景気状況について質問をしている。聞かれた20歳そこそこの若者は、一瞬戸惑い、「えっと、まあまあいいと思います」とか「最近はよくなってきていると思います」とか「よくわかりませんが、悪くはないと思います」等と答えている。
私も、いきなりよその人から「景気はどうですか」と聞かれても、困ってしまうなあと思いつつ、スカイプの向こうから「すごく悪いです」と言う人はいないのに気がついた。考えてみれば、学資支払い状況まで聞かれているのに、「景気が悪いので、日本に来たいと思っています」などど言ったら印象が悪くなるに決まっている。
それを見越してかどうか、海の向こうの若者は戸惑いながらでも言葉を選んで答えていると感心した。
今、「景気はどうですか」と同じ質問を投げかけられたら、「なかなか良いです」と答えるだろう。以前、更年期の影響もあり、疲れやすかった頃には、よく校長に「顔が白い、大丈夫か」と言われ、廊下で呼び止められたりしたものだ。ここ数年は廊下を走っていると、「元気だね~」といわれることが多い。
つまり、景気とは、国の社会情勢とか、社会の経済状態とか、はたまた自分の経済状態とかとも本質的に関係がなく、ひょっとしたら病気であるか否かにも関係がなく、自分の気持ちが景気がよいかどうかだけで、判断してもいい事柄なのではないかと思うようになった。
景気の気は、気持ちの気と同じだから、自分が景気がいいと感じられれば、それにつれて経済も変わっていくのである、と断言しても良いくらいだ。