ヨハン・ゼバスティアン・バッハ - Johann Sebastian Bach (1685-1750)
フランス組曲第5番 ト長調 BWV 816
French Suite No. 5 in G Major, BWV 816
» I. Allemande
アンドラーシュ・シフ - András Schiff (ピアノ)
録音: January 1991, Reitstadel, Neumarkt, Germany
〘 執筆者 : 朝山 奈津子 (2141文字)
バッハは6曲の「フランス組曲」を書いている。バッハ自身は「クラヴィーアのための組曲」と名付けており、「フランス組曲」なる命名者は判っていない。おそらく、この組曲が優雅で親しみやすく洗練された音楽になっており、フランス的な感覚が盛りこまれているためにこう呼ばれるようになったものだろう。… 〙
〘 一昔前、一体誰が、「バッハの曲を演奏するときはペダルを使ってはいけない」と決めたのかはわかりませんが、そのようなナンセンスな時代は終わりました。バッハの演奏にルールはありません。誰かが決めるものでもありませんしルールを決定する権利も誰にもありません。国によっても演奏法は様々で、フランスなどはかなり自由に演奏され、ソフトペダルも使う位です。バッハの曲は本人のインスピレーションによって演奏してしかるべきだと思います。バッハの楽譜には基本的にtempoマーキングも、曲想の指示も、強弱も、アーティキュレーションも、フレーズも、書いてありません。しかもハープシコードやオルガンで演奏された曲を現代のピアノで演奏するわけですから、無理にハープシコードやオルガンの真似をする必要は無く(真似をするくらいであれば本物の楽器をステージに持ってくれば良いだけのことです)、現代のピアノの特性を活かして演奏してこそピアノで演奏する意味が出てきます。
しかしながら、守らなければならないことは各声部の独立であります。バッハが書いた曲は ポリフォニー の要素がとても強く、それは演奏上、正確に再現されなければなりません。この声部の独立をいい加減にしてしまうことはそもそもバッハの書法を無意味にしてしまう結果となるからです。これだけは気をつけます。
そのような意味で、このアルマンドもペダル無しでは演奏は不可能です。ペダルによって声部を繋いでいかなければならないからです。そしてペダルを入れる事によって生ずる16分音符の濁りも避けることが出来ません。声部を繋げ、且つ細かい音符の濁りを避けるにはどうしたらよいでしょうか?少しずつ解説していきましょう。…
…ここから先は大変主観的にな話になりますが、しかしながら、このアルマンドは暖かみがあり、スムーズに横に流れるべき曲だと筆者は解釈しています。非和声音がペダルによって伸ばされ、結果的に濁りが生じるような場所に書かれてない限りは、ペダルはこの場合踏み続けても良いと考えています。皆さんはどう思われますか?…
…全体的な曲想としては、決して硬くならず、拍を感じさせることなく、優雅に横に流れるような演奏が望ましいです。決して16分音符を大きくせず、オーバーラップ奏法やペダルを使ってスムーズに横に流すようにします。
執筆者: 大井 和郎 〙
〘 …ポリフォニーという言葉は、「ポリ」と「フォニー」に分けることができます。
なかでも、「フォニー」の部分は、シンフォニーの「フォニー」と同じ語源で、ギリシア語で「音」を表すフォーネー(φωνή/phōnē)に由来します。そして「ポリ」もギリシア語由来の言葉で、「たくさんの」という意味を持つポルス(πολύς / polús)が元となっています。すなわちこの2つを組み合わせると、たくさんの音という意味になります。
これが転じて、複数のメロディを同時に演奏する形態の、多声音楽(複数の声部に分かれている音楽)を指します。なので、ピアノもポリフォニーを演奏できますし、オーケストラ、吹奏楽、室内楽など、一度にたくさんの音やメロディが演奏できる楽器や編成では、この多声音楽を演奏することができるのです。
ここで重要なのは、ポリフォニーというのはただの和音ではなく、それぞれの声部がメロディでなければなりません(ハーモニーを付け足すような形は、ポリフォニーではなく、ホモフォニーと呼ばれています!)。
では、例を挙げてみましょう! せっかくなので、馴染みのあるバッハの作品を挙げていきます。例えば、フーガは、ポリフォニーに入ります。
J. S. バッハ:フーガの技法 BWV1080〜第1番、自筆譜
フーガは、それぞれのパートが同じ形のメロディーを持っており、ポリフォニーに分類されます。… 〙
〘 …フーガとは、いくつかの独立したパートが同時に演奏され、そのなかで何度も決まったメロディ(主題)が出てくる形式。このメロディはどのパートにも登場するので、全部のパートが主役にもなりますし、伴奏にもなります。ざっくりですが、フーガとは概念に近く、大体これを満たしていればフーガといいます。
メロディがぐるぐると回っている様子を聴いていると、まるで迷路にいるような感覚になります。しかし言い換えれば、終わりが見えないほど壮大で、どこか神秘的な音楽なのです。
最初のメロディが何度も登場する様子が、追いかけられ、逃げているように聴こえることから「逃げる」を意味するラテン語の“fugere”から名付けられました。
同じメロディが何度も出てくる曲なんて、退屈しそうですよね……なので、フーガを書くには高度なテクニックとセンスが必要。バッハもフーガの作曲を究めるべく、約10年間「フーガの技法」という作品に取り組みました。作曲家もフーガを書くときには、気合いが入るのです。
さらに、メロディの繰り返しによって、切迫した様子も表現できます。ワーグナーの楽劇《ニュルンベルクのマイスタージンガー》の大喧嘩の場面にもフーガが使われており、フーガ特有の緊張感と同時に、多声音楽ならではの情報量の多さ、もといカオスな様子がビリビリ伝わってきます!… 〙
〘 県諏訪養護学校(富士見町)は27日、ピアノ講師で演奏活動をする白石明子さん=岡谷市=によるコンサートを同校で開いた。高等部1〜3年生67人が参加。ピアノを囲むように座り、流行するポップスやクラシックなど11曲を楽しんだ。…
… 後半はクラシックの時間で、バッハ の「フランス組曲第3番」やリストの「エステ荘の噴水」など5曲を披露。生徒たちは世界観に入り込むようにじっくり聴いた。… 〙
【 MMJ 】
💁 Facebook 公式ページ〘 @MMJ753 〙
【 MMJ 】
💁 LINE公式アカウント〘 @693kndgt 〙
MMJがLINE公式アカウントに登場!
お得な情報を受け取るには、以下のリンクから友だち追加してください。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます