堤導師:現代の日本では、漢字で「声明」と書いたら、普通は「せいめい」と読みますね。「総理大臣が声明(せいめい)を出した」のように。でも、ここでは「しょうみょう」と読みます。お経に音程が付いたもので、古代インドの五明(ごみょう)という学問のなかの一つが起源です。
――その後、声明はどのように発展していくのでしょうか。
堤導師:インドから中国に伝わり、三国時代、曹植という人が魚山(ぎょざん)という場所で、お経を音楽にしてみようとして始めたのが、現在の声明に繋がっていきます。中国では、今でも魚山声明と言いますね。その後、日本に伝わってきたのですが、その頃の声明には、楽譜、つまり「ドレミファソラシド」がありませんでした。ですから、「高くあげる」や、「低くさげる」といったものは全て口承で伝えられてきました。声明の音階は、「呂(ろ)」と「律(りつ)」の二種類がメインです。「呂律(ろれつ)が回らない」という言葉もここから生まれました。「呂」と「律」は民謡や詩吟などへも繋がっていきますので、声明は日本の民族音楽の原点といえます。
――今回のプログラムで披露される声明は、どういった意味をもつのでしょうか。
堤導師:今回は大般若転読を唱えます。人々に激しく、強く「頑張ろうぜ!」という檄(げき)を投げかける声明ですね。大般若転読の東京公演は初めてですが、今の時代を踏まえて、お祝いではなく、皆が元気を出して頑張るというところを出そうと考えました。お寺では大般若転読法要とよんでいるものです。
――大般若転読はいくつもの曲で構成されていますね。詳しく教えてください。
堤導師:そうですね。法要にも起承転結があって、まず、「庭讃(ていさん)」、「散華(さんげ)」、「表白(ひょうはく)」というものが唱えられます。「庭讃」は、法要の始まり。皆がざわめいているところに、「静かにして、私たちを見て」という意味合いで一番大きな声を出します。続く「散華」では、花びらが撒かれ、華やかさがあります。「表白」は、大般若転読を行う意味を告げるものです。そしていよいよ、メインとなる「大般若転読」が始まります。不空三蔵がインドから持ち帰った経典を一気に唱えます。通常は20~30人の僧が600巻もある経典を、一人30巻くらいずつ、ばーっと唱えていきます。今回は、14、5人で唱え、檄を起こしていきます。「大般若転読」を終えた後に、「般若心経・不動真言」という「みんなで祈ろうよ」という内容を、最後に終了を告げる「称名禮(しょうみょうらい)」を唱えます。… 〙
声明 入場〜庭讃 『平安仏教の響』より Japanese chanting of Buddhist hymn "Teisan"
僧侶が歌う仏教音楽 「声明」とは? | 東京世田谷のお墓・納骨堂・永代供養は常在寺
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