〘 …昭和世代には「カステラ一番♪」の文明堂のCMとして、若い世代には運動会の徒競走の曲として有名なこのフレンチカンカンが、こんなに素晴らしいオペレッタの中の曲であることは、意外に知っている人が少ないのです。このカンカン(地獄のギャロップ)は、終盤の地獄での全員での乱痴気騒ぎの曲ですが、オペレッタそのものは、とてもとても洒脱な逸品です!…
…この「地獄のオルフェ」を見るうえでまず知っておいて頂きたいのは、これがギリシア神話を元にしたグルックのオペラ「オルフェオとエウリディーチェ」のパロディだということです。夫婦の純愛劇の原作をダシにして現代を風刺、作中でグルックの有名なアリアを歌わせたりして、ニンマリさせられます。…
…お薦めの動画は、なんといっても本場フランスの名門オペラハウス、リヨン歌劇場の1997年の名演。どこからどこまで素晴らしい傑作です!
歌手は全員驚くほど芸達者で面白いし、ローラン・ペリーの現代的な演出は粋でお洒落だし、ミンコフスキの指揮は生き生きと躍動感あふれ、楽しさ満点、この作品の決定版です。
ユリディスはフランスの歌姫ナタリー・デッセイ。素晴らしい歌声と完璧なコロラトゥーラだけでなく、コミカルな体当たり演技が圧巻。ジュピターはナタリーの実の夫ロラン・ナウリ、彼も大変芸達者で、二人の「蝿の2重唱」は呆れた名演です。…
…●蝿の2重唱 ナタリー・デッセイ、ロラン・ナウリ
地獄に幽閉されて退屈したユリディスが、蝿に変身したジュピターとデキてしまうシーン… 〙
〘 先週とりあげた、クラシック史上最初の作品ともいうべきモンテヴェルディのオペラ「オルフェオとエウリディーチェ」は、後期ルネサンスの、「ギリシャ演劇復興運動」の雰囲気の中で題材が選ばれたわけですが、不思議なことに、この作品(というか原作)は、クラシック音楽の節目節目で、なぜか重要な役割を演じます。
今日取り上げる作品は、数ある「オルフェオ」の中でも、もっとも奇想天外な作品、19世紀パリを席巻した作曲家ジャック・オッフェンバックの作品、「地獄のオルフェ」です。
この作品は、真面目なオペラというよりは、皮肉かつドタバタ喜劇として書かれたもので、「オペレッタ」というジャンルに分類されることも多いのですが、オペラも書いていたオッフェンバックは、数々のオペレッタ作品で当たりをとり、パリで大人気となります。
モンテヴェルディの「オルフェオ」の作品の後、バロック時代のオペラは、去勢されたカストラートと呼ばれる歌手たちなどが、自分の声を披露するための、即興性の強い、演奏家に任された作品が流行し、「演奏家の死後は後世に残りにくい」作品ばかりになります。しかし、18世紀古典派の時代、ドイツ生まれの作曲家グルックが、作曲家が書いた音楽に重きをおくオペラ作品を発表して、「オペラ復興運動」というべきムーブメントを起こし、それが、モーツアルトなどの作品につながってゆきます。グルックがこの題材を選んだのは、もちろん、モンテヴェルディやペーリの作品が念頭にあったからだと思われます。… 〙
〘 …「オルフェオとエウリディーチェ」はギリシャ神話の悲恋物語です。冥界から妻エウリディーチェを連れ戻す途中、決して振り返ってはならぬ、と神からいわれていたのに、夫オルフェオは不安にさいなまれ、振り返ってしまい、妻はまた冥府に戻ってゆく―という物語です。こういったギリシャ起源の物語を題材とするオペラが盛んに作られたのは、もちろん、イタリアのルネサンス運動が、中世キリスト教の支配する文化に対して、それ以前のギリシャ文化の復興を伴って新たに芸術を創造しよう、としたことによります。ルネサンス運動は、間違いなく「クラシック音楽」の一つの源流です。
モンテヴェルディは、ヴァイオリンの製作地として有名な、北イタリア・クレモナの出身で、マントヴァと後にヴェネツィアで宮廷楽長などを務めた音楽家です。「オルフェオとエウリディーチェ」がなぜ後世に残ったかというと、彼は、ここで初めて、現代オペラでは当たり前になった「音楽で劇的表現をする」「ある旋律にある楽器を指定する」ということを、史上初めて行い、劇的な効果を上げているからです。このオペラのアリアなどを聞いていると、400年も後の我々も、思わず心を動かされます。
実は、このあと「オペラ」というジャンルは、出演する歌手の名人芸のほうに重きを置く「スペクタクル」と化してゆき、古典派と呼ばれる時代まで、後世に残る作品が生み出されにくくなるのですが、モンテヴェルディが工夫した「オペラ=作品」は時代を超えて、上演される作品となったのです。このことにおいて、私は、彼を、宗教音楽や、演劇伴奏音楽からはなれた、純粋音楽に力を与えた、という意味において、「クラシック最初の作曲家」と認定してもよいのではないかと思います。
本田聖嗣 〙
〘『地獄のオルフェ』(Orpheé aux Enfers)は、1858年10月20日にブッフ・パリジャン座で初演された、ジャック・オッフェンバック作曲による全二幕四場のオペレッタ(またはオペラ・ブッファ)。
初演から1859年6月まで連続228回公演を記録した大ヒット作にしてオッフェンバックの代表作。
日本では、1914年に帝劇で初演されて以来、『天国と地獄』の名で知られている。特に劇中で登場する『地獄のギャロップ』は、運動会のBGMやフレンチカンカン、カステラの文明堂のCMにも使用され、クラシック音楽の中でも非常に有名な曲の一つとなっている。
写真:文明堂 おやつカステラ(気軽に買って食べきれる二切れタイプ)〙
〘 JFL鈴鹿ポイントゲッターズに所属する元日本代表FW三浦知良(55)が出場見込みのクリアソン新宿―鈴鹿戦(9日、国立競技場)の会場で「三浦カズテラ」が販売されることが7日、分かった。
新宿のパートナーである老舗菓子店・文明堂がカズダンスポーズをデザインしたカステラを数量限定で販売(税込み1500円)する。掛け紙の正面にはイラストとサイン、側面にはカズのメッセージが付く、ファンにはたまらない一品だ。
同社によると、サッカー好きの社員が考案したといい、商品名はカズの名前と「カステラ1番、電話は2番、3時のおやつは文明堂〜」のテレビCMでも有名な看板商品をかけた。… 〙
【 MMJ 】
💁 Facebook 公式ページ〘 @MMJ753 〙
【 MMJ 】
💁 LINE公式アカウント〘 @693kndgt 〙
MMJがLINE公式アカウントに登場!
お得な情報を受け取るには、以下のリンクから友だち追加してください。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます