そういうわけで、奈良公園の南にある高畑町へでかけました。
大仏殿前を南に折れ、飛火野をさらに南下します。
新薬師寺のすぐ近くにあります。
樹々に包まれた美術館です。
奈良の仏像の有名な写真は、多くはこの入江泰吉氏か土門拳氏によるものです。
今やっているのは、「大和路巡礼II 佐保・西の京」です。
前回は「大和路巡礼 斑鳩の里」でした。
佐保といえば、やじの住んでいる周辺です。
時々きたとサイクリングに行きます。
今からは想像できない田舎びた風景の写真が並びます。
昭和二十年代の写真が一杯です。
西の京の薬師寺や唐招提寺の写真も沢山ありました。
「私は終戦後の間もない頃から、薬師寺には何度も訪れた。
境内の雰囲気もさることながら、周辺の西の京のひなびた民家越しに
豹を覗かせる、三重塔の容姿が大好きであった」と入江泰吉は語っていました。
この言葉が指し示すように入江は東塔一基の頃も、西塔が復元され
東西両塔がそびえたつ頃も、時代や季節の移ろいとともに
約半世紀にわたって見つめ撮り続けてきました。さらに堂塔のある風景だけではなく、佐保と佐紀に点在する古寺のたたずまいや、
古墳群、そこに暮らしている人々の生活風景も写真に収めています。
また時代がモノクロームからカラーへと移行するなかで、
入江自身も奈良らしい農村風景や滅びの美を意識した作品から、
さらに深く大和の歴史を重視するようになりました。
大和路関係の歴史書をひも解きながら、何度も通い続け、
新たな歴史の美を探ってきたのです。
そして、かつて展開された歴史ドラマや万葉びとの心情をイメージし、
それに似合った自然の一瞬をとらえ、叙情あふれる作品にしあげてきたのです。それは薬師寺や唐招提寺をはじめとする古寺の仏像を撮影する際も同様で
内なる美と心を重視してきました。
彫刻美として仏像を見るのではなく、一人の巡礼者としてみ仏と対峙し、
祈りに誘う崇高な美しさをとらえようと苦心してきたのです。今回は、大和路にこだわり撮り続けてきた入江の足跡を見つめ直そうと、
地域を分けてシリーズで巡る第二回目です。
入江の代表作が数多く発表され、自身も好きな地域のひとつにあげていた
「佐保・西の京」の地を取り上げます。
そして古代びとが行き交った佐保と佐紀の歴史の道をはじめ、
白鳳、天平の香りが漂う古寺の仏像や風景の移ろいを
モノクロとカラー作品役百点で紹介します。(パンフレットより)
写真館の周囲にはたくさんのハナミヅキが咲いていました。
かくれた穴場ですね。
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