涙と笑いのHIV奮闘記

自分とは無関係と思っていた病気と思いがけなく向かい合い、闘病を続けるオヤジの日記。
仕事に趣味に彼氏との生活に奮闘中。

国立文楽劇場:吉田玉男一周忌追善狂言

2007年11月10日 | 外出・旅行

午後から日本橋の国立文楽劇場に行って参りました。

去年お亡くなりになった人間国宝の吉田玉男さんの一周忌追善狂言「曽根崎心中」を含む、
第二部です。

劇場の一階では企画展示「吉田玉男を偲んで」(無料)が行われています。
若き日の吉田玉男さんの舞台風景の写真や、作品の研究をしたノート、着付けた人形、
普段着ていた洋服、などが展示されています。

また、一階には文楽関係のグッズ、プログラムも売っていて、
ここは誰でも入れます。

エスカレーターを上ったところで「モギリ」があって(入場券をもぎってくれるところです)、
その壁に星澄の書による有名な「曽根崎心中」の「天神森」の冒頭の文がかけられています。

「この世の名残、夜も名残。
死にゝ行く身をたとふれば
仇しが原の道の霜。
一足づつに消えて行く、夢の夢こそ哀れなれ。
あれ数ふれば暁の、
七つのときが六つ鳴りて、
残る一つが今生の
鐘の響きの聞き納め、
寂滅為楽と響くなり」

儒学者荻生徂徠も激賞したという名文です。
高校の古文の教科書に載っていた気がする・・・

吉田玉男さんは生涯で1036回主人公の徳兵衛を持ったといいます。

天神森の談切はお初と徳兵衛が梅田のお初天神で心中する場面ですが、
玉男さん以前は徳兵衛が刀を構えると、柝がチョーンと入って、
そのまま柝がチョンチョンチョン・・・とキザミ、幕だったようですが、
今行われている演出、柝がチョーンと入って、
徳兵衛はお初ののどを刀で突き、自らの喉笛を切り、
刀を落として、抱くように重なって倒れ、チョンチョンチョン・・・と幕。
これは玉男さんの工夫だそうです。

「曽根崎心中」は近松門左衛門の代表的な心中物。
しかも彼の作った最初の世話物です。
1703年に実際に大坂曽根崎天神森であった心中事件をもとに作った作品。

とても今の曽根崎からは想像もできない、真っ暗な森の中の曽根崎の天神で
25歳と19歳の男女が心中するお話でした。



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