で、朝部屋を出ると、一面雪が降って真っ白。
電車からみた平城宮跡はこんな感じ。
ところが大阪についてみると雪はどこ?という感じで、
傘を持って歩いているやじはちょっと恥ずかしかったかな。
今日の演目は「新版歌祭文」から「座摩社の段」「野崎村の段」「油屋の段」
お染・久松の心中事件を脚色した近松半二の作品です。
「染模様妹背門松」(菅専助作)などの先行作品があります。
歌舞伎でもよく取り上げられるのですが、
恥ずかしながら「野崎村の段」しか観たことがありませんでした。
大阪へ向かう途中で前回購入した番付であらすじを確認。
なんで大坂の油屋で奉公している久松が野崎村にいるのか、
「座摩社の段」で伏線がはられていて、
駕籠と船で大坂へ帰った二人はどうなるのかが、
「油屋の段」でわかるというからくりです。
久松の本当の身分は泉州石津(堺)半紙の遺児である、とか、
お染の母親がどうして嫌がる娘を山家屋に嫁入りさせることにしたのか、
そんなことが次々と明らかになって、
いろいろと新しい発見がありました。
「油屋の段」には案外エッチな表現が随所にあって、
所々でクスクス笑う観客が。
若い人にはわからへんやろな~。
なんて思って観ていました。
「野崎村の段」では、久松を追って野崎村まで追ってきたお染、
その日、久松の許婚であるおみつは久松と祝言を挙げることになっているのですが、
そのお染が門先に来ているのをさとったおみつは、
箒に手拭で頬かむりをさせて玄関に立てかけるところがあって、
「あれ、何してんねやろ?」というささやきが隣の席から聞こえてきます。
最近の人ってこういうのはなぜか分からないんですね。
久しぶりにいいものを観たな~って一日でした。
奈良に着くと黒く焼けた若草山が見えました。
歌舞伎も文楽も名場面のある段やひと幕だけが多くて、なんでこの人がここに出てくんだ‥?って事が良くあります。
予習も復習もしないからダメなんでしょうけど。
イヤホンガイド借りれば少しは良いかも知れませんが、「もったいないかな~」って。
時々文楽では通し狂言がありますね。
そのとき、いろいろな発見をします。
伊賀越道中双六も、
双蝶々曲輪日記も、
文楽の通し狂言を観て初めてストーリーがわかったものです。
イヤホンガイド、時々借ります。文楽で。
文楽の義太夫は、掛詞がいっぱいあって、
しかも今では?なことも一杯ありますしね。
二度同じ物を観るときは必ず借ります。
でも、文楽は、人形よりもむしろ義太夫を聴くのが目的なので、
ちょっと邪魔になりますねん。