涙と笑いのHIV奮闘記

自分とは無関係と思っていた病気と思いがけなく向かい合い、闘病を続けるオヤジの日記。
仕事に趣味に彼氏との生活に奮闘中。

薬師寺:白鳳伽藍と玄奘三蔵院伽藍

2008年05月04日 | 外出・旅行

そういうわけで、朝やってきた「きた」と自転車で薬師寺まで行ってきました。
ルートは前回行ったコースと同じです。
川岸の緑はいっそう濃くなり、
日差しも明らかに強くなっています。


薬師寺は天武天皇により680年に発願、
彼の死後、妻の持統天皇により697年に本尊開眼、
文武天皇の御世に飛鳥の地で堂宇が完成しました。
710年の平城遷都に伴って現在の場所に移されたという寺院です。


当時は南都七大寺の一つとして、その大伽藍は人々の目を奪ったそうです。
しかし、その後幾多の災害を経て、特に室町時代の兵火で、
東塔を除く諸堂が灰燼に帰したようです。


昭和四十二年、高田好胤管主によって白鳳伽藍の発願がされ、
写経勧進によって、金堂、西塔、中門、回廊、大講堂が復興された、
そんなお寺です。


やじが小学校の頃はまだ西塔はなく、薬師寺は東塔しかありませんでした。
確か高校生のときに西塔の落慶法要が行われた事を記憶しています。
古めいた東塔に煌びやかな西塔、
不釣合いだという批判もあったようですが、
本来の塔は西塔のようだったわけで、
もともと創建時は竜宮城を構想した、ともいわれているのですから、
これもありだと思います。
あの入江泰吉氏も同じような感想を述べています。
「かつてここからは、東塔の孤影のみが水面に揺れるいかにもわびしげな雰囲気であった。
それはそれで、大和路ならではの情趣といえなくはなかった。
だが、そうした受け止め方は、ピントグラスという狭い視野によるもので、
仏教道場と言う本来の意義からいえば、昭和時代における伽藍復興という偉業が
たっせいされたということは、非常によろこばしいことである。」


そういうわけで、薬師寺を観た時にがっかりされる方も多いのですが、
古の薬師寺を思い、お寺を観てほしいと思うやじです。


まず南門のところに、「世界遺産」の記念碑が立っています。
そこをくぐると中門。
中門には一人の僧侶が居て、この人がいろいろお寺の説明をしてくれます。
とてもお話がお上手です。


 


中門には仁王像がありましたが、東大寺の南大門の仁王像と違って煌びやかです。


 


中門を入ると、左に西塔、右に東塔がそびえ、その間に金堂があります。
東塔は唯一残る白鳳時代の建物(国宝)で、
一見六重塔に見えますが、実は三重塔。
各階に「裳階(もこし)」がつけられているのです。
そのため律動的な美しさが醸し出され、「凍れる音楽」といわれています。


  


西塔の横には会津八一の、東塔の横には佐佐木信綱の歌碑があります。


 


「すゐえん の あま つ をとめ が ころもで の
  ひま にも すめる あき の そら かな」
                 (会津八一 南京新唱) 
「ゆく秋の大和の国の薬師寺の塔のうへなる ひとひらの雲」
佐佐木信綱、まるで戦国時代の武士のように思える名前ですが、
明治から昭和に生きた詩人です。
「卯の花の匂う垣根に~」の「夏は来ぬ」の作詞者です。


さて金堂の日光・月光菩薩像(国宝)は東京の国立博物館へ出張中ですね。


  


その代わりに写真が飾られていました。
薬師如来(国宝)も独りっきりでお寂しいのではないでしょうか。
てっきり薬師如来の光背も取り除かれていると思い、
「お背中を始めてみることができる!」って期待して行ったのですが、
綺麗になった光背がすでに取り付けられていました・・・


この薬師如来の台座をみると、シルクロードを伝わって文化が伝播したことがわかります。
ギリシアの葡萄カラ草文様、
インドの番神像・力神像、
中国の四方四神(青龍、朱雀、白虎、玄武)
が刻まれてありました。
ちなみに奈良はシルクロードの終着点です。


境内にはもう一つ古びたお堂が、回廊の外にありました。
国宝、東院堂です。
鎌倉時代の建物です。
中には聖観音菩薩像(国宝)があるのですが、
これも東京出張されておりました。
その代わりレプリカがお立ちでした。


 


境内の回廊には、「オオヤマレンゲ」の鉢植えが並べられており、
少しずつ花が咲き始めていました。
背景に金堂を入れて撮ってみました。
ついでに東塔の水煙も撮ってみましたが、
「あま つ をとめ」を確認する事はできませんでした。


 


次に向かったのが、「玄奘三蔵院伽藍」です。
玄奘三蔵(法相宗の始祖)のお骨を奉安して、平成に入ってから建設されました。



この写真を撮ったところでデジカメのバッテリーが無くなってしまいました・・・


六角形の玄奘塔の中の須弥壇には玄奘三蔵訳経像が祀られていました。



前回唐招提寺へ行った時に、秋篠川の対岸から撮った写真です。
玄奘塔の屋根が見えていますね。


玄奘塔の北側には「大唐西域壁画殿」があって、
平山郁夫画伯が30年かけて完成された玄奘三蔵求法の精神を描いた壁画が
展示されています。
この玄奘三蔵院伽藍、大唐西域壁画殿は公開されている時期が決まっています。
この連休中は公開されています。


壁画は唐の長安に始まり、須弥山、バーミアン(アフガニスタン)、デカン高原(インド)を経て、
目的のガンダーラに着くまでの風景が描かれていました。


帰ってから薬師寺のHPを見て気付いたのですが、
障害割引があるらしいんです。
拝観受付に表示がなかったのに・・・
とりあえず聞いて見ないといけませんね。


最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ってことは (やじ)
2008-05-07 02:12:48
>M.I.さん

>入場規制で40分待ち
去年の京都国立博物館の狩野永徳展のようですね。
ってことは次の日曜日には開館30分以上前に行っておいた方がいいんでしょうね。
返信する
上野の山は人だらけ (M.I)
2008-05-05 20:34:18
薬師寺拝観されたんですね。
こちらは薬師寺展へ行ってみましたよ。
3時頃行ったのですが、GWのせいか入場規制で40分待ち。

雨がポツポツと来たので、日を改める事にして平常展だけにしました。
返信する

コメントを投稿