今日は夏休みを取った。目下、独身ライフを楽しんでいるクラゲ男にとって、誰にも気兼ねせずに平日をあてもなく過ごすのは贅沢なひとときだ。
実は、今日はクラゲ男の天敵であるパワハラ主幹が職場に顔を出す。クラゲ男は、このパワハラ主幹と3年間仕事していた。定年まであと一年を残すところで、主幹は早期退職した。
主幹が退職して2ヶ月余りたった後に職場に顔を出すのは、退職時に課長に預けた印鑑を回収するためだ。
夏休みを申請するにあたって、何人かの先輩に「あんなに世話になったのに」等と言ってきた。
「どんなに理不尽なことを言われ続けても最後は笑顔で『お世話になりました。』と言うもんだ」という昭和の価値観は嫌いだ。
主幹の最後の出勤日に「お世話になりました」と挨拶した。しかし、笑顔も感情もなく事務的に伝えた。
主幹はもちろん、周囲の先輩達は「なんて可愛げの無い奴だ」と思ったことだろう。
主幹とクラゲ男は上司と部下と言うよりも、親方と徒弟のような関係だった。
しかし、所詮はお互いに組織の人間だ。どちらか一方が退職すれば、その関係性はそれで終わりだ。
退職後も顔を合わせたり、挨拶したりする必要はない。
冷たい言い方をするが、職場の人間関係は基本的にビジネス感覚で良いと思う。割りきった方がラクだしメンタルを病むことが少なくなる。
よく学生時代の部活動で顧問の教師から理不尽にしごかれて、その当時は教師に対する憎悪の念があったとしても卒業を機に「あの時は大変だったけど、今振り返れば良い思い出だった」と訳もなく美化する風潮がある。そしてこのような風潮がクラゲ男は大嫌いだ。
もちろん全部が全部、そんな変な風潮とは思わない。中には教師への信頼があり、過去の理不尽な出来事を「青春の一ページ」に昇華出来る人もいるだろう。
ただ、社会人は違う、上司と部下の関係性に顧問と部員のようなそれはない。ましてや相撲部屋のような親方と徒弟の関係性は全く必要ないのだ。
部下とはいえ、一人の大人だ。それはベテラン社員はもちろん新人社員も同様だ。組織の一員に過ぎない。
上司と部下の関係性についてもっとドライであればストレスで潰されることも少なくなるだろう。
そんなことをボンヤリ考えながら平日の昼下がり、日高屋でビールを飲んでいた。
ちなみに、クラゲ男は「スクールウォーズ」のようなドラマは大好きだ。それは言うまでもなく、教師と生徒の間に固い絆が結ばれているからだ。もちろん、ドラマの話だが…