この桜を見ていたら、この家のおばあさんがに声をかけられました。
「幹が空洞になっていて、樹皮だけで花を咲かせているような桜ですよ。幹を見てみますか?」
と言われたので、お言葉に甘えました。
老木の根元からは、後継ぎが育ち始めています。
こちらは樹齢60年。
おばあさんが昭和32年に嫁いできたときに植えた桜だそうです。
話がここで終わるかと思っていたら、「家を見てみますか?もともとは一階建てでしたが、住みづらかったので二階を増築しました。その時、棟札が見つかり、寛永年間に建てられたことが分りました。
古い家ですよ」と、誘われたので、またまたお言葉に甘えました。
以前は、現在に位置より手前にあったのですが、8間ほど奥に曳家したそうです。
二階部分は築60年以内です。
380年前と思われる木組み。釘は一切使っていなかったそうです。
ガラス戸になっていますが、おばあさんが嫁いできたときは、木戸だったので家の中は真っ暗だったそうです。
漆塗りの立派な潜戸。
戸の下の部分に金具がついていて、戸を閉めると自動的に、ロックされる仕組みになっていました。
初めてあった方から、家の中まで見せていただき、楽しいひと時を過ごしました。
この建物も、もともとは武家の屋敷だったそうです。
増築せずに昔のままの状態であれば、文化財に指定され、観光客が沢山訪れる建物になっていたかもしれません。住民の住環境をとるか保存か、古い建物を当時のままで維持し続ける難しさを知りました。